ご存じコナン・ドイルの名作です。
コナンドイルと云えば「シャーロックホームズ」を思い起こす方が多いと思いますが、この「失われた世界」は一方で名作として名高い作品らしいです。
今なぜ「失われた世界」なのかというと、先日京都で久しぶりに惠文社一乗寺店にお邪魔し、いつものように何を目的ともせず書棚を覗いていると、そう忽然と僕の目の前にこの本が現れました。
この本屋はどうもわざとそうしているのか、たまたま偶然なのかはわからないのですが、「何故かその本がそこにある」という不思議さを感じさせられる訳で、前にも同じ経験をした思いがあります。因みにその時はジャック・ロンドン「野生の呼び声」でした。
まぁ、僕が好きなジャンルではあるので偶然でも何でもないのでしょうが、何と云うかその、そこにその本が置いてあるという場所なんですよね。「この本達の並びにこれがあるか」みたいなね。意味解らないかもですけど・・。
要するに僕にとってそれがこの本屋の不思議な魅力なんです。
そこに足を踏み入れたとたん、まさにそこは精神的な別世界になるのですもの・・だから好きなんですよね。
さて「失われた世界」思い起こせば僕がまだ小学生の頃、改築前の古い宮之上小学校の図書室で休み時間や昼休みに貪るように読みふけっていた記憶がこの本屋の片隅で昨日のことのように蘇ってきて、思わず手に取ってワクワクしながらそのまま買ってきました。
近頃どうも眼の調子も良くないながらも2、3日で完読しました。
面白かったですよ。ストーリーも登場人物もすべてに渡って最高のエンターテイメントでした。
内容は読者の皆さんの興味にお任せします。
キィワードのみ。
ロンドンの科学者達、それが嘘ではないことを証明するための学術的な探検、ブラジル奥地、、下界とかけ離れた未開の高地、絶滅したと思われていた生物達・・まあそんなところです。
空前のブームを巻き起こした所謂、現代のロストワールドものの原点ですね。
とまぁ、それはさておきこの本と数十年ぶりに再会し、手にしてからそして読み終えた時、ふと僕の脳裏に漂ったのはあの古い校舎の図書室の匂い、本と床の油のような混ざった匂いです。
懐かしさが込み上げてきました。
タイムスリップしてその場面を覗いてみたい。その頃の自分と会ってみたい。そんな妄想に捉われてから気付いたのは、あの図書室こそが僕の「失われた世界」なんだと云うことです。
終わります。