<筒井康隆・星新一 登場>
ここからは高校時代です。
今から登場する数冊は、高校で初めて出来た友だち数人と連れ立って、書店へ乗り込んで購入したものです。
15.「にぎやかな未来」
ショートショート短編集 星新一:解説 角川文庫
私の筒井康隆:原体験
今に至るまで、事あるごとに読み続けている筒井さんとの最初の出会いとなる作品です。
「腸はどこへいった」「幸福ですか?」「人形のいる街」「マリコちゃん」「サチコちゃん」「きつね」「池猫」「お助け」「ベルト・ウェーの女」「到着」……。
これらの作品は今でも覚えているものですが、それ以外のものもチラと一見するだけで、「ああ、あった、あった」と記憶が蘇る作品ばかりでした。
例の断筆宣言のきっかけとなった「無人警察」もしかり、です。
SF,怪談、ナンセンス、ドタバタ、実験小説、童話めいたもの――。
”おもちゃ箱をひっくり返したような” という表現がピッタリ当てはまるショートショート集です。
この本を読んだ事で、広大でバラエティーにとんだ<筒井康隆ワールド>の会員権を取得することに相成りました。
16.「ボッコちゃん」
星新一
収録作品
悪魔/ボッコちゃん/おーい でてこーい/殺し屋ですのよ/来訪者/変な薬/月の光/包囲/
ツキ計画/暑さ/約束/猫と鼠/不眠症/生活維持省/悲しむべきこと/年賀の客/狙われた星/冬の蝶/デラックスな金庫/鏡/誘拐/親善キッス/マネー・エイジ/雄大な計画/人類愛/ゆきとどいた生活/闇の眼/気前のいい家/追い越し/妖精/波状攻撃/ある研究/プレゼント/肩の上の秘書/被害/謎めいた女/キツツキ計画/診断/意気投合/程度の問題/愛用の時計/特許の品/おみやげ/欲望の城/盗んだ書類/よごれている本/白い記憶/冬きたりなば/なぞの少年/最後の地球人
17.「ようこそ地球さん」
収録作品
デラックスな拳銃/雨/弱点/宇宙通信/桃源郷/証人/患者/たのしみ/天使考/不満/神々の作法/すばらしい天体/セキストラ/宇宙からの客/待機/西部に生きる男/空への門/思索販売業/霧の星で/水音/早春の土/友好使節/蛍/ずれ/愛の鍵/小さな十字架/見失った表情/悪をのろおう/傲慢な客/探検隊/最高の作戦/通信販売/テレビ・ショー/開拓者たち/復讐/最後の事業/しぶといやつ/処刑/食事前の授業/信用ある製品/廃墟/殉教
ああ、しんど。
やらなきゃいいじゃないか、と言われても私の性格なので……。
とにかくこの二冊で、星新一:初期名作ショートショートの大半は網羅出来ていると思います。
「ボッコちゃん」「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「デラックスな金庫」「ゆきとどいた生活」――。
「セキストラ」だけは、当時この手の書き方に慣れていなかったせいか、よく判りませんでした。それで逆に印象に残っています。
今読めば何の不自由も感じないのですが――。
キングのデビュー作、「キャリー」なんてこの延長線上にあるのにね。
とにかくこの作品が大下宇陀児の目にとまり、江戸川乱歩編集の「宝石」に掲載された事が作家になるきっかけだったと、本人も回想しておられます。
で。
星さんのショートショート集はまだまだ続きます。
んが。