涼風文庫堂の「文庫おでっせい」  10. | ryofudo777のブログ(文庫おでっせい)

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私が50年間に読んだ文庫(本)たち。
時々、音楽・映画。

 

 

 

<ショートショートへの招待 続き

&筒井康隆再び>

続いては角川文庫版です。

 

 

18.「きまぐれロボット」

星新一

ショートショート短編集   谷川俊太郎:解説  角川文庫

収録作品

新発明のマクラ/試作品/薬のききめ/悪魔/災難/九官鳥作戦/きまぐれロボット/博士とロボット/便利な草花/夜の事件/地球のみなさん/ラッパの音/おみやげ/夢のお告げ/失敗/目薬/リオン//ボウシ/金色の海草/盗んだ書類/薬と夢/なぞのロボット/へんな薬/サーカスの秘密/鳥の歌/火の用心/スピード時代/キツツキ計画/ユキコちゃんのしかえし/ふしぎな放送/ネコ/花とひみつ/とりひき/へんな怪談/鏡のなかの犬/あーん。あーん

 

*このうち『悪魔』『おみやげ』『盗んだ書類』『へんな薬』が「ボッコちゃん」と重複しています。また『へんな薬』は、「ボッコちゃん」収録版では『変な薬』と表記されています。

 

19.「ちぐはぐな部品」

星新一

ショートショート短編集   尾崎秀樹:解説  角川文庫

収録作品

いじわるな星/万能スパイ用品/陰謀/歓迎ぜめ/接着剤/なぞの贈り物/飲みますか/廃屋/宝島/名判決/魔神/凍った時間/みやげの品/シャーロック・ホームズ”の内幕/夜の音/変な侵入者/恋がいっぱい/足あとのなぞ/抑制心/みごとな効果/神/最高の悪事/ネチラタ事件/鬼/取立て/救世主/出入りする客/災害/壁の穴

 

ちぐはぐ、と言うからにはまた他のショートショート集とダブった作品があるかと思いきや、この時点では全くありません。(後に紹介するものでは思いっ切り出現しますが)

あとがきの中で、星さん御自身がこう書いておられます。

 

ほかの短編集に入ってない作品を、本書にすべて収録した。

 

あちこちの本から取って来た作品ではなく、あちこちの本から ”漏れた” 作品、それらを集めて新たに編んだ一冊――。

これが<ちぐはぐ>の由来だったんですね。

 

この作品群の中で特に覚えているのは、「ネチラタ事件」です。

これを元に放送劇を作ったからです。

ある細菌のせいで、人々の口が悪くなる、というお話でした。

セリフ合わせの時、真面目で上品な女の子に

「やい、そのへんのおいぼれや、くたばりそこないの野郎ども。この薬を買いやがれ――」

みたいなセリフを読んでもらう際、一種マゾヒスティックな快感に浸ったものでした。

 

20.「アフリカの爆弾」

筒井康隆
短編集   平岡正明:解説  角川文庫
 

収録作品

1.台所にいたスパイ

2.脱出

3.露出症文明

4.メンズ・マガジン一九七七

5.月へ飛ぶ思い

6.活性アポロイド

7.東京諜報地図

8.ヒストレスヴィラからの脱出

9.環状線

10.窓の外の戦争

11.寒い星から帰ってこないスパイ

12.アフリカの爆弾

 

この中では何と言っても「メンズ・マガジン一九七七」の衝撃が大でした。

1ページ目で登場する、

肛門からサナダムシを二メートルも出して走り廻っているヌード・モデルの女性。

これ以上のインパクトがあるでしょうか。

他にも、人前で射精して

「バンボーレ!」

と叫びながらソファから転がり落ちる社会評論家や、LSDでラリッている韓国人の編集部員などが登場します。

これは、とある雑誌の編集室を舞台に繰り広げられる究極のドタバタ劇です。

 

「バンボーレ!」か。

ジーナ・ロロブリジーダがエロティックだったですね。

 

 

ポスターはカラーだけど、映画本編は白黒でした。

 

ええと。

次は、星新一ショートショート集<講談社文庫>編になります。

 

多分、重複の嵐となるでしょう。