①【農水省へ抗議のご協力のお願い】和牛受精卵、氷山の一角、依頼主「中国で育成の野望」 | 中谷良子の落書き帳

中谷良子の落書き帳

核武装・スパイ防止法の実現を

読売新聞で連載されている和牛問題事件について緊急性があり、見逃せないものでしたので以下、ご意見先を載せていますので、農水省には今回の事例を受けて、刑事告発の基準を厳しくすることなどを念頭に、対策を強化するようご意見をお送りください。皆様のご協力を宜しくお願い致します。

これでは一生懸命、朝から晩まで捜査されている警察の方々もお気の毒です。

日本が誇るブランド和牛受精卵を中国へ持ち出した焼き肉店経営者、無職の男、2被告の論告求刑で、懲役2年6月等の懲役刑が求刑されたのですが、和牛を精魂込めて育てられている方々、自然、歴史、に逆らう立派な国賊行為であるにもかかわらず、この罪の軽さに驚きと怒りを禁じ得ません。しかも焼き肉店経営者の被告の男は「悪いこととは思っていなかった」などと、ふざけたことを言っています。

今回の事件を受けて農水省は「和牛遺伝資源の流通管理に関する検討会」を2月に設置し、対応策の検討を始めているようですが、受精卵の購入者に対する特別な規制はなく、不正輸出が横行しやすい温床となっており、以下の読売の記事で驚愕の和牛ブランドへのダメージの深刻さが窺えます。

和牛の遺伝子を知的財産として保護する一方、適切な流通管理を行い、抜け穴のない輸入者側への罰則規制、不正流通を防ぐ対策を検討会で明示するよう皆様からも農水省へ働きかけをお願い致します。


【ご意見・抗議先】農林水産省総合窓口
https://www.contactus.maff.go.jp/voice/sogo.html


また、不正持ち出しを疑う事例や照会事項がありましたら、以下の連絡先までご連絡いただきますようお願いいたします。
農林水産省 消費・安全局 動物衛生課
TEL 03-3502-8295 (国際衛生対策室)
農林水産省 動物検疫所
TEL 045-751-5923(企画調整課)
045-751-5955(危機管理課)




★和牛受精卵、氷山の一角、依頼主「中国で育成の野望」★

~和牛流出、現場から~
「軽率に運んでしまった。2度とやりません。」30日午後、大阪地裁の法廷。和牛受精卵流出事件の初公判で、前田裕介被告(51)はうつむいたまま、反省の弁を述べた。



問われたのは、輸出時に必要な検疫を受けずに和牛の受精卵と精液を中国・上海に持ち出そうとした家畜伝染病予防法違反などの罪だ。50歳代の中国人男性から依頼を受け、知人の小倉利紀被告(64)に運搬を指示したとされる。

その中国人男性の足跡をたどると、3年前、同様に依頼を受けた日本の畜産業者にたどりついた。中国南部にある海南島。九州より少し小さい常夏の島の山あいに、東京ドーム20個余りの広さを持つ牧場がある。経営するのは、くだんの中国人男性だ。

50歳代の日本人畜産業者は2016年、知人を通じて知り合った男性から招待を受け、ゴルフカートで広大な敷地を案内された。男性は00年頃から豪州の肉牛を輸入して繁殖と生産を手がけ、飼育頭数は約5000頭にのぼる。生産した肉牛の一部は「海南和牛」と名付け、「和牛に匹敵する味」とうたって島内のレストランで提供していた。

サーロインの鉄板焼きは100g約8000円。従業員らの平均月収の4分の1に相当した。

「和牛は肉質も味も素晴らしい。ここで育て、中国に広めるのが私の野望だ。」カートの臨席で男性は繰り返し、おもむろに畜産業者にこう持ちかけた。

「日本から、和牛の受精卵や精液を運んでほしい」面倒に巻き込まれると感じた業者は話をそらしてその場をやり過ごし、最終的に断った。「真剣な表情で、本当に遺伝子が欲しそうだった」と業者は振り返った。


初公判の冒頭陳述で検察側は、前田、小倉両被告が12年以降に8~10回、男性の依頼で受精卵などを中国に密輸したと主張した。本紙が、5月、男性の会社に取材を申し込むと、責任者を名乗る人物が、こう強調してはねつけた。
「牛はすべて豪州から輸入したものだ」

和牛を「国の財産」と位置付ける国は、その遺伝資源の輸出を認めていない。もっとも輸出を直接禁じる法律はなく、必要許可を出さないなど運用上の措置に過ぎない。

検疫を受けなかったことを捉えた大阪府警の捜査も、いわば苦肉の策だったが、検疫は輸出者に対する義務であり、男性のように輸入を試みた側は受ける必要がない。「現状では、男性に手の出しようがない」と府警幹部は苦々しげに振り返る。遺伝資源流出リスクは依然として、高いままだ。


食の欧米化が進む中国では牛肉の消費量が増え、16年の輸入量は81万トンで日本を抜き、米国に次ぐ2位となった。和牛肉は富裕層に人気が高い。日本産牛肉は01年に日本でBSE(牛海綿状脳症)騒動が起きて以降、輸入が禁止されているが、密輸入が横行している。

「和牛精液が手に入らないか?」中国で豪州の肉牛の繁殖などを行う日本人の生産者は、中国の畜産農家から頻繁に相談をもちかけられるという。全て断っているが、「同様の依頼を受けた日本人の同業者はいくらでもいる」と明かす。

中国のネットには「純粋な和牛精液売ります」「和牛精液を買えないか?」との書き込みも溢れる。一部の業者にメールで取材を申し込むと「全部売ってしまった」と返信があった。

「既に大量の遺伝資源が流出したのではないか」という畜産業界の懸念が現実味を帯びてくる。精液などの依頼が多いと明かした日本人生産者は警告した。「事件は氷山の一角だと言わざるを得ない」


➁へつづく