中谷良子の落書き帳

中谷良子の落書き帳

核武装・スパイ防止法の実現を

自民党の外国干渉防止法の提言が話題になっていますが最終的な法案の内容、権限の範囲、対象となる行為、司法・国会による監督制度、情報機関への統制の仕組みなどを確認する必要があります。現時点では、制度設計の中身が重要だと思います。しかしこういった懸念もありますし国民が期待を寄せるようなものになるかは・・・中国がプロトタイプを構築したものを取り入れるということですしね。AIはトロイの木馬です。

【官邸激震レポート!】高市政権の国家情報局」創設に重大懸念が「拉致被害者が生存」北朝鮮ニセ文書に内閣情報調査室、内調が踊らされた!

高市早苗首相の肝煎りで進められている“日本版CIA”の創設。現行の内閣情報調査室(内調)を格上げして「国家情報局」を新設する構想だが、本当に内実が伴ったものとなるのか!ある文書をめぐる経過を辿ると、重大な懸念が浮上した。元朝日新聞ソウル特派員のジャーナリスト・鈴木拓也氏がレポートする。

️誤字脱字の多い文書日本の情報収集や分析力を強化する国家情報局の新設などを盛り込んだ法案が近く国会で成立する見込みだ。「インテリジェンスの司令塔機能を強化することにより、国民の安全や国益を戦略的に守る取り組みを強化してまいります」と高市首相の鼻息は荒い。

だが、「日本版CIA」とは程遠い日本の情報機関の実態が、北朝鮮の拉致問題をめぐる情報収集活動で浮き彫りになったー。解決への道筋が見えない拉致問題への関心が薄まるなか、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)系の日刊紙・世界日報が3月17日にソウル発で、センセーショナルな見出しの記事を配信した。

<正恩氏 拉致解決承諾か?北朝鮮内部文書「政府認定12人の大部分生存」ロシア派兵前、外貨不足で>
記事によれば、同紙が入手した「北朝鮮内部文書」には敬愛する最高領導者 金正恩同志の2022年12月7日批准方針)と記され、党組織指導部が作成したとみられると指摘。正恩氏は同年11月15日と12月7日に<共和国(北朝鮮)に造成された難関を克服し、日本植民地賠償金問題に終止符を打つための事業を了解し、日本政府との間で提起されるあらゆる問題は、金与正副部長同志の責任の下、関係部門の人員と議論し、具体的な対策案を立てるという指示を出したというのだ。

さらに対策会議では、最も重要な問題として日本政府の認定拉致被害者12人を挙げ、へ実際12人のうち一部死亡者がいるが、大部分が生存している>との認識が示されたという。

事実であれば衝撃的な大スクープだ。

一方、文書には誤字脱字が多く、世界日報も記事でそのことを指摘している。ただ、北朝鮮の元駐英公使、太永浩氏が「これは金正恩氏への報告が済んだ後、下部組織に伝達される段階の文書」「下部組織に伝達される過程で生じた、避けられない誤字脱字と見るべきだろう」と指摘するコメントを紹介。文書は本物の可能性が高いとのトーンで報じた。

だが、約10年前に脱北した北朝鮮の元省庁幹部は苦笑交じりに話す。

「首領様に報告する文書には1字たりとも誤字脱字は許されない。もしそうした文書を誤って上奏すれば誰かの処分問題に発展するのは間違いない。仮に太氏が指摘するように金正恩が批准した内容を下部組織に伝える文書だとしても、首領様の指示を誤字脱字で伝えるのは不敬にあたる。行間が不自然に空いているなど北朝鮮の行政文書のスタイルとはかけ離れている。このような最高機密が文書を通じて下部組織に共有されるはずもない」

情報を持ち込む脱北者〜「日本の情報機関なら高値で買ってくれる」そんな思惑にまんまと飛びついたのか〜
北朝鮮の重要な政策決定を示す内部文書などと称して、日本の政府機関や大手メディアの記者に対価を求めて情報が売り込まれることはよくある。

私も朝日新聞ソウル特派員時代に「セールス」を何度も受けた経験があるが、ニセ情報も多い。

世界日報が報じた文書は22年11月、12月、23年1月などに断続的に数本が作成されたとするが、同紙が入手したのが関連文書の全文なのか一部なのか、買い取ったのか無償で提供を受けたのかは定かではない。

いずれにしろ、脱北者かその周辺者がお金欲しさに作ったものとみられる。実は23年秋から冬ごろにかけて、日本の複数の政府機関にこの文書の売り込みがあったとの証言を得た。公安関係者が声を潜めて打ち明ける。

「文書の出所は度々、北朝鮮の内部情報とされる情報を売り込んでくる韓国在住の脱北者A氏です。

A氏は北朝鮮の工作機関や秘密誉察・国家保衛省などにもパイプがあると主張し、A氏とうながる日本の複数の関係者を通じて内閣情報調査室(内調)や響察の公安部門、拉致問題対策本部などにも売り込みがあったと聞く。提示金額は数百万円と法外な値段でした」

A氏は日韓の情報機関や公安当局、北朝鮮情報筋の間では知られた存在だという。

面識のある複数の関係者の話を総合すると、10数年前に脱北した60代前半の男性で、韓国で貿易などの事業を営みながら、北朝鮮の公職にある人物とのパイプを持つとされる。北朝鮮では工作機関の仕事に関与していたが、地位は低かったと自身の境遇を語っている。

北朝鮮には家系や経歴により住民を3つの階層(核心・動揺・敵対)に分類する「出身成分」と呼ばれる身分制度があり、就職や出世に影響を与える。

A氏については「朝鮮戦争時に韓国軍兵士として戦って朝鮮人民軍の捕虜となり北朝鮮に定住するようになった家系で身分が低い」「不満分子の疑いをかけられて収容所に送られたこともある」といった情報もあるが定かではない。組織内で出世を望めず、将来を悲観して脱北したという話もしているという。

北朝鮮で地位は高くなかったものの、脱北後も北朝鮮の公職にある人物とつながるA氏は、その人脈を活かし、北朝鮮の内部情報を得ているようだ。

情報機関が公にすることはないが、そうした協力者から情報を買うことは珍しくない。ただ、数百万円はかなり高額で、情報提供者の話しぶりから真実性があり、よっぽど価値のある情報と判断できなければ支出しない一方で、拉致問題は歴代政権が最重要課題としており、前出の公安関係者は「他の案件より支出しやすい。特に「内調」の場合は予算が付いているので、情報を高く買う傾向にある」と話す。

「90%以上の確率で偽物」
今回の取材にあたり、複数の内調関係者にこの文書の入手について尋ねたところ「答えられない」など明確な言質は得られなかった。ただ、外交や安全保障に関心の高い国会議員に当たっていったところ、この件で内調幹部からレクチャーを受けたことがあるという与党議員を見つけることができた。

この議員によると、内調はこの文書を買い取って確認したと認め、「90%以上の確率で偽物であると判断しました」と説明したという。

内調幹部は文書入手のためにどの程度の対価を支払ったのかは議員にも明らかにしなかったが、その話しぶりから数百万円の提示額に対して相応の金額を支払ったとみられる。

この文書をめぐる経過について内閣情報調査室に取材すると「個別の文書の入手状況や、当該文書に対する評価も含め個別の活動内容については、これを明らかにすることにより今後の当室の情報収集活動に支障を及ぼす恐れがあることから、お答えを差し控えさせていただきます」と回答した。

なお、別の公安関係者も、23年秋ごろにA氏の周辺者から「金正恩が拉致被害者の生存を認めたやばい文書がある」と売り込まれており、提示額は200万円を超えていた。

通常の情報提供であれば数万円レベルなので、桁違いのオファーに驚いたが、本物であれば“超ド級の資料”なので無視はできない。そこで公安関係者は粘り強く交渉した結果、サンプルとして一部の資料だけを数万円で買い取ることに応じさせた。

精査した結果、やはりニセ文書との判断に至ったという。当時は日朝首脳会談に向けて、水面下の極秘接触の動きが取り沙汰されていた。正恩氏がこの文書を批准したとする22年秋から23年初めは、岸田政権が拉致問題の解決に向けて極秘に北朝鮮との交渉再開に動き始めた時期と重なる。

複数の日朝関係筋によると、23年春には具体的な動きが観測される。東南アジアの某都市のホテルで2回にわたり、内閣官房の幹部が北朝鮮の朝鮮労働党関係者と極秘接触。
朝鮮労働党関係者は北朝鮮で生存する拉致被害者がいることを匂わせたという。

報告を受けた岸田文雄首相は同年5月に拉致被害者家族会や支援団体・救う会が主催した「国民大集会」に出席し、金正恩総書記との首脳会談に向けて「私直轄のハイレベルで協議を行っていきたい」と発言。

その直後に北朝鮮側がパク・サンギル外務次官の談話として「日本が新たな決断を下し、関係改善の活路を模索しようとするなら、朝日両国が会えない理由はない」と呼応したことから、メディアは日朝が動き出すのではと色めき立ち、観測記事を競った。

前出の公安関係者は、A氏もしくはその周辺者がこうしたメディアの報道ぶりにヒントを得て「ニセ文書を作れば日本の情報機関が飛びついて高値で買ってくれると期待したのだろう」と推測する。そうして内調が飛びついたという流れが浮かび上がる。

情報源は大手メディア記者
略して「内調」と呼称される内閣情報調査室は、官邸の政策決定と遂行を支援する官邸直属の情報機関だ。高市政権はインテリジェンス機能の強化と銘打って、首相をトップに関係閣僚で構成される「国家情報会議」と、事務局の「国家情報局」を新設する関連法案を国会に提出。今国会で可決、成立する見込みで、国家情報局はこの内調を格上げする形で組織される。

内調の職員数は計680名ほどだが、生え抜きのプロパー職員は3分の1程度になる。
多くは各省庁からの出向組で、中「日本初のメディア買収その内幕がいま、白日の一
核を成すのは警察の公安部門と公安調査庁からの出向者。トップの内閣情報官は歴代、警察キャリアがポストを独占する。

今年度予算案では内閣衛星情報センター分を除いて38・4億円が計上され、日本の他の情報機関に比べて情報収集の「軍資金」は潤沢とされる。

もちろん、重要情報の入手に対価が必要なケースはあるが、情報機関には真橋不明な情報を見極める高い分析力が求められる。

分析力の向上には内調や響察庁、公安調査庁、外務省などヨコの連携も必要なはずだが、ライバル意識などから情報共有されることはほとんどない。A氏やその周辺者が同じ日本政府の機関なのに複数に売り込んだのは、縦割りを熟知し、中には言い値で買ってくれるところもあるのではと軽く見ているからだろう。

とりわけ内調は、東京で暗躍するロシアや中国など「仮想敵国」の軍や情報機関関係者の動きの監視などを担う主力組織ではない。そうした防課活動の最前線にいるのは、警視庁公安部や公安調査庁の職員である。

内調が多くのリソースを使って収集するのは、政局の見通しや政権の支持率に影響しかねない閣僚や閣僚候補のスキャンダル情報、与野党幹部や省庁幹部が記者に漏らす「本音」だ。

情報源として活用するのは大手メデイアの政治部記者である。部下からの報告を束ねる首相官邸キャップや平河クラブ(自民党担当)キャップらと関係を深め、与野党幹部や主要省庁の幹部が首相や閣僚への不満を漏らした「オフレコメモ」を入手して重要な情報源とする。

その内調を格上げする国家情報局創設について霞が関には「響察官僚による外務省へのライバル意識から生まれたもの」(外務省関係者)との冷ややかな声が少なくない。

安倍政権下の14年1月に首相官邸に創設され、外交・安全保障政策の企画立案を担ってきた国家安全保障局(NSS)のトップは、歴代5人のうち4人が外務省出身者だ。

内調トップの内閣情報官は事務次官級であり、大臣政務官級のNSS局長より格下扱いになる。戦前の旧内務省をルーツとする警察庁からすれば、警察中心の内調がNSSより格下とみられるのはプライドが許さないのだ。

内調プロパー職員の中にも分析力やレポート作成能力に長けた優秀な人材はいる。ただ「優秀でやる気のある職員は属人的で、組織としてスキルが共有されているとは言い難い」(首相官邸関係者)のが実態だ。

高市首相は膠着する拉致問題について「何としても突破口を開き、具体的な成果に結び付けたい」と意気込む。仮に日朝首脳会談に向けた動きが表面化すれば再び、拉致問題に関する様々な怪情報が飛び交うだろう。

そのほとんどは虚偽情報で、中にはカネ目当てで、北朝鮮内部の人間と結託して、捏造した資料を売り込んでくる輩も出てくる。国家情報局を新設しても、人材育成や待遇、キャリアが極端に優遇される人事制度、縦割りの弊害などが抜本的に改善されなければ、高市首相の唱える「インテリジェンスの強化」は看板倒れに終わるだろう。(週刊ポスト)