【2018年4月2日 追記】
筆者が言いたかった事務レベルの話を具体的に述べている記事のリンクと、ガラケーの方向けに記事全文を貼りました。
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今日、午前9時半過ぎから参議院予算委員会で、前財務省理財局長の佐川信寿氏の証人喚問が行われました。午後2時からは、衆議院予算委員会での証人喚問も予定されています。
皆さんご存知の通り、「森友学園への国有地払い下げに関する決裁文書改竄(かいざん)問題について」が議題です。
筆者の個人的見解を述べさせてもらいます。
この件に関しては「有名人で箔をつけたい野心家の夫婦が、首相夫人の名をチラつかせて官僚に迫り、ブラフに引っかかった地方局官僚が平身低頭言いなりになったのを、本省官僚が後始末させられている」という辺りが真相だろうと思っています。
多いんですよ、議員だの地元の名士だのから何か言われると「へえへえ」と胡麻すりよろしく言うこと聞いちゃう官僚って。
特に、立身出世の上昇志向の強い人ほど、この傾向が高いです。
出世にそれほど執着しない、叩き上げの省庁職員は、日々黙々と職務をこなすことが第一なので、議員だの自治体首長だの地元の名士だのが、地位を振りかざして通常業務を停滞させるような「ゴリ押し案件」をねじ込もうものなら、「それがどうした!」と突っぱねるくらい、「屁」でもありません。
ほとんどの末端の現場職員は「自分たちは、特定の地位の人間のために仕事してる訳じゃない。国や地域全体のために仕事してるんだ!」と胸を張って言えるはずですから。
と、まあ、この案件に対する筆者の見解は、こんな感じで終わりにしたいと思います。
「そう!これこれ!」と筆者が言いたかったことが全て書いてあるのは、こちらの記事です。
舛添要一が断言「昭恵夫人の国会招致などあってはならない」
(↑リンク跳びます。)
ガラケーの方は読めないようなので、以下、記事全文を貼ります。(IRONNAより引用)
舛添要一(前東京都知事、元厚生労働相)
学校法人森友学園(大阪市)への国有地売却をめぐる財務省の決裁文書改ざんで、前財務省理財局長、佐川宣寿(のぶひさ)氏の証人喚問が衆参両院で行われる。むろん焦点となるのは、公文書の改ざんがいつ、誰の指示で行われたのか、ということだ。
そもそも一連の問題は、公文書の改ざんという事件性をはらんだ疑惑と国有地の森友学園への払い下げに不正があったかどうか、この二つの問題からなる。
公文書の改ざんについては、前代未聞の不祥事であり、政権の立場を考えて財務省の役人が「忖度(そんたく)」して書き換えたものとされている。この問題は、大阪地検特捜部が任意で財務省の役人の聴取を行っている。つまり、これは捜査中の案件で、佐川氏が証言拒否することも可能であり、真相がどこまで明らかになるかは分からない。
改ざん前の決裁文書を見ると、記述が詳細すぎて驚くが、そこには役人の魂胆が垣間見える。それは政治家案件であるために、事後に問題が起こったときには「自分(役人)の責任ではない、政治家の存在が無言の圧力となった」と逃げ道を作るためだったようである。
このあまりに詳しすぎる決裁文書が近畿財務局、そして財務省本省で問題になるのが、昨年2月以降である。
昨年の2月17日には、衆院予算委員会で、安倍首相が「私や妻が払い下げに関与していれば首相も国会議員も辞める」と答えている。また、2月24日には佐川氏が「学園との面会記録は破棄している」「国会議員らの不当な働きかけは一切なかった」と答弁。さらに、3月15日には「価格を提示したことも、先方からいくらで買いたいと希望があったこともない」と発言している。
佐川氏は、まずは首相答弁と整合性を取るため、つまり首相辞任といった事態に陥らないように、国有地取引の内容を熟知しないまま、そのような答弁をしたと考えられる。
そして、部下たちが理財局長の発言と矛盾するような文言を決裁文書から削除したと考えるのが最も事実に近いのではないだろうか。文書の改ざんが行われたのは、昨年2月下旬から4月にかけてである。
野党は、役人が「安倍昭恵夫人」の名前を削除したのは、この首相答弁を忖度したからではないかと疑問を呈している。
しかしながら、以上の経緯を見ても、役人レベルの決裁文書そのものについて、首相や首相夫人が知るわけがないし、まして改ざんするように圧力をかけることなど有り得ない。したがって、この公文書改ざんについて昭恵夫人を証人として国会招致するなどあってはならないことである。
次に、国有地払い下げ問題については、特例での取引に不正があったのか、なかったのか、そしてそこに安倍首相や昭恵夫人、あるいは鴻池祥肇氏や平沼赳夫氏ら政治家の関与があったのかどうかが焦点になっている。
3月23日と26日には、野党議員が大阪拘置所で森友学園前理事長の籠池泰典被告と接見し、昭恵夫人から「いい土地ですから前に進めてください」と言われたということなどを再確認したという。しかし、籠池被告が本当のことを言っているのかどうかは確認する証拠がない。
ところで、籠池夫妻はなぜ今も拘置所に入っているのか。昨年7月31日に逮捕されたのは、小学校への国の補助金を不正受給したという補助金適正化法違反である。しかし、特捜部は国有地売却をめぐる財務省職員の背任容疑についても告発を受理しており、いわばこちらが「本丸」であり、国有地の払い下げが不正なものであったかどうかの捜査を進めていると思われる。
この件の真相を明らかにするためには、佐川氏の前任者たちの証人喚問が必要である。佐川氏が理財局長だったのは、2016年6月17日から2017年7月5日までであり、国と森友学園との間で件(くだん)の土地について売買契約が成立したのは2016年6月20日である。つまり、実際の売買交渉は迫田英典理財局長(在任期間2015年7月7日〜2016年6月17日)、中原広理財局長(同2014年7月4日〜2015年7月7日)、林信光理財局長(同2013年3月29日~2014年7月4日)時代に行われたものである。
この交渉で籠池被告が昭恵夫人の名前に言及するのは、2014年4月28日であり、近畿財務局との打ち合わせの場で、籠池夫妻が昭恵夫人と一緒に写った写真を見せながら、「安倍昭恵総理夫人から『いい土地ですから前に進めてください』とのお言葉をいただいた」と述べている。
もし、籠池被告の言っていることが正しいとしても、大臣や都知事としての私の経験を振り返っても、毎日のように多くの人と会い、写真も一緒に撮られ、またいろんな場所に視察に行くため、4年前にどこでどのような言葉を話したかなど覚えてもいない。また、「いい土地ですね」「いい絵ですね」「いい本ですね」などと社交辞令を連発することも決して珍しくはない。
昭恵夫人を証人喚問に呼んだところで、安倍首相が言ったように「そんなことは言っていない」としか言わないであろう。そして、発言内容について、録音などの証拠もない。
国有地の不正払い下げを問題にするのならば、近畿財務局の関係者を証人喚問に呼ぶことが先決である。籠池被告は昨年3月28日に証人として国会で喚問されている。
そのとき、籠池被告は総理夫人付きの政府職員、谷査恵子(さえこ)氏から国有地借り受けに関して、ファクスをもらって「現状では希望に沿えない。なお、昭恵夫人にも既に報告している」と述べている。この真相については、谷氏を証人喚問して問いただせば済む話である。
いずれにしても、昭恵夫人は籠池被告に利用されたのであろう。彼女を証人喚問しても、真相が分かるはずがない。真相解明のために証人喚問すべきは、まずは歴代近畿財務局長、そして担当の役人たちである。
本題に入ります。
安倍昭恵さんに対して、野党も与党内からも、そして報道を通じて日本国民の大多数が、国会での証人喚問に応じるよう求めています。
それに対して安倍晋三さんは、「妻のことは、私が答える」と繰り返し答弁しているのを「伝書バトか!」と揶揄する議員もいます。
お気づきでしょうか。筆者は「総理」や「総理夫人」という役職名を使っていません。
もちろん、政治家として、国のトップとして安倍晋三さんは重責を担(にな)っていますし、安倍昭恵さんはファーストレディとして、夫が出向くにはちょっと微妙な式典などに出席したりしてますが、
「ひとつの夫婦」として見ると、筆者には安倍晋三さんが、ひとりの夫として、妻である昭恵さんを懸命に守ろうとしているように見えるんです。
安倍晋三さんは、江戸時代に庄屋を務めた地元の名家「安倍家」に生まれ、明治以降は代々政治家を輩出する、典型的な政治家一族の出自です。
一方、安倍昭恵さんは、旧姓は「松崎」。森永製菓の創業家、森永家と繋がりの深い家系の出身だそうです。
第一次安倍内閣のときの様子を見ても、安倍晋三さんと昭恵さんご夫妻は、とても仲睦まじいご夫婦だなというのが、見て取れました。
しかし、ご夫妻から、お子さんの話は聞いたことがありません。
ちょっと調べたところ、ご夫妻の間にお子さんはいらっしゃらないとか。
名門政治家一族の嫁として、跡取りを産むことは最大最重要のミッションとみなされていたことは、想像に難くありません。義父や義母はもちろんのこと、親族一同や地元の後援者からも無言のプレッシャーをかけられたことでしょう。
昭恵さんご自身が、インタビューで「不妊治療を試みたり、養子縁組も検討した」と応えたのを、BBCが報道したとのことです。
今でこそ、「不妊治療は妻だけに問題があるのではなく、夫側に問題があるケースも少なくない」との認識が拡がっていますが、
安倍夫妻が結婚した当時(1987年6月)を考えると、口さがない人たちから、
「跡取りも産めない嫁なんて……」とか
「晋三さんの嫁は石女(うまずめ=子を生めない女の意。不妊の原因を女性側にのみ押しつけた、差別的な語。)か」
などと言われたことも多かったと思います。
「結婚したら子供を産み育てるのが普通」という旧態依然とした価値観に、どれほどの女性や夫婦が苦しめられて、涙してきたことか……。
安倍晋三さんは、これまでも夫として、両親や親戚一同、後援者から無言のプレッシャーを受ける昭恵さんを守ってきたんだと思います。でなければ、とうに離婚して別の女性と再婚して子供をもうけているんじゃないでしょうか。非情ですけど、名門一族なんてどれも似たようなものですからね。
施策の是非はともかく、教育問題に熱心なのも、ご夫妻の間にお子さんがいらっしゃらないことの裏返しなのかも知れません。
昭恵さんが、教育関係などの名誉職を数多く引き受けているのは、自分には子供を授からなかったから、せめて自分から子供たちに接する機会を多く持つようにしたい、という思いの現れなのかも知れません。
森友系列の幼稚園に招かれたときの昭恵さんの涙には、子を成せない女性として、普段は決して表に出せない悲しみが感動という言葉で思いがけず零れ落ちたように、筆者には見えました。
30年以上、連れ添っている安倍夫妻には、いろいろなことがあったと思います。そんな中で、まるで借り腹のように扱われる昭恵さんの傷付く様子も、見てきたことでしょう。
国会で答弁する安倍晋三さんの姿勢には「もうこれ以上、妻を追い詰めるようなことはさせない。森友問題には後ろ暗いことは何もない。絶対に守る」という強い意志を感じます。
念のため、言わせてもらいますが、筆者には特定支持政党はありません。
現在の安倍内閣の政策が、全て正しいとも思ってません。
安倍夫妻の立場は、内閣総理大臣とファーストレディという決して無視できないものです。それは充分理解してるつもりです。
しかし、野党議員や与党内からも「昭恵夫人を証人喚問に!」と声高に叫ばれる様子を見ていると、「ただの集団女性いじめがしたいだけ」のように見えるんですよ。
また、叫んでる議員の中には女性議員もいる、というのが、なんともおぞましい構図です。
益体のない不毛なことに時間をかけるのは程々にして、山積みな事案に早く取りかかってほしいものです。