「ぶざけた」プロモーション会社の社長さんによる、ふざけているようでそんなにふざけてない内容でした。
10年前の本なので若干内容は古いし、下ネタも多いし、テキストののりもすでに懐かしさもありますが、さくっと読めて、「会社に命じられて、広報や企画担当になったけど、どうしよう」というような方が、真面目な本の合間に読んだらすこし気が楽になったり、ヒントがあるんじゃないでしょうか。
例えば「会議は少人数で」とかいいですね。
人数が多いと空気を読んでしまって、あまり本音が出てこないと。
だったら、三人くらいで会議をしてもらったほういいんだ、ということを書かれています。
この会社のお仕事だったら、いい意味での身内ネタ感もあるといいでしょうから、なるほどな、という感じもするし、確かに大人数だと、あまりよく知らない人も同席してて「これ言っていいもんかな」と自分でブレーキをかけてしまいそうです。
「オモコロ」は以前よく読んでいたのですが、この方が立ち上げたサイトだというは知りませんでした。
地獄のミサワとかめっちゃはやりましたよね。
今もお元気に漫画を書いていてよかったです。
そして、著者のシモダテツヤさんなんですが、
なんか、生成AIの画像を作って遊んでました。
どうも、そこそこいい年齢の男性って、生成AIにハマりがちじゃないですか?
七●葵先生みたいに商売にして金を稼ぐため、だとわかりやすい。
著作権グレーなもので、遊んでいる(しかもひっそりでもなく)人ってよくわかりません。
入力してイラストとか出して面白いんですかね。
そして、だいたいは他人からみたら面白くないっていう。
昨年、オモコロは昨年20周年で、記念イベントもあったようなんですけど、ファンの方の感想によるとシモダさんのことには一切触れられてなかったようです。
退職した人の扱いは、会社組織だと難しいのでしょうけど、創設者をガン無視っていうのも。
シモダさんから断ってるのかもしれませんが。
その件も含めて「時代の流れが速すぎるんだよね……」とわかった風な口をきいてみたくなりました。
その時が楽しければいい!って考え方もあるけどね。
この本もすでに絶版です。
今でも、オモコロが続いていることはすごいと思います。
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17歳で出会った二人の17年間の物語。
登場人物すべてが息苦しさと諦めを抱えて生きている。
瀬戸内海の島で出会った高校生二人。
暁海(あきみ)と櫂。
櫂は奔放な母親が男をおっかけるために京都から島へ。
暁海は島生まれ島育ちだが、父親が愛人の家にいっており母と二人暮らし。
風光明媚な島でありながら、狭い人間関係と旧来の男尊女卑の視線に併せて、どうしようもない親たちに翻弄され孤独な二人が恋に落ちるのは当然のことでした。
かなりいろいろ事件がある17年間で、正直、私はどの登場人物にも共感も好意も持てなかったけど、後半で暁海がふりきってからのラストは、ある種の爽快感もあり、読後は爽やかでした。
基本は恋愛ものだけど、賃金格差、女性差別、ヤングケアラー、同性愛差別、ネット炎上等、現代的な社会問題もエピソードにあり、現在を生きている若者は、多かれ少なかれ、暁海と櫂カップルに降りかかった問題に面していると思うんですよね。
そういう意味では、共感を呼ぶんじゃないかと思いました。
個人的には一番だめな人は暁海の父親だな。
この人は「何も失ってない」んですよね。
暁海は、自分の母親に対してはいろいろ葛藤をいだいてますけど、愛人のところにいる父親にはそうでもないんですよね。
「男を憎む」ことができない、旧来の女の役割という価値観を暁海もとらわれている。
それが結果、櫂との関係にも関わってくるので、それが暁海という女性でもある。
北原先生もラストのほうはよくわからなかったなw
暁海が真の意味で立てるようになったら、好きな女性のところにいくのかとも思うけども。
けっこうどろどろしているストーリーではあるのだけど、テキストは湿っぽくなく熱すぎることもなく、ライトに読める感じで、まさに「令和のメロドラマ」という感じでした。
「汝、星のごとく」
明智恭介の奔走/今村 昌弘/東京創元社
大学のミステリ愛好会(非公認)の会長・明智とその後輩にして唯一の会員・葉村が大学近辺で起こった日常の謎に挑む短編集。
大学!
ミステリ研!
ちょっとおかしな探偵役と助手役の若い男子二人!
ミステリ好きなら王道といってもいい設定。
明智と葉村がミステリ好きということもあって、読み手側もそうであるほうが楽しめる要素もちらりちらり。
私はまだ『屍人荘の殺人』を読んでいないのですが、期待したより……という印象でした。
ただ、こう実家のような安心感というか、新本格とかを以前よく読んでいた身なので、どこか懐かしさを感じました。
一番好きなのは「とある日常の謎について」
寂れた商店街を舞台にしたお話ですが、そこで淡々と流れていく人生の一ページを垣間見たような素敵なお話でした。
まだ若い明智や葉村はそこを通り過ぎただけのストレンジャー。
きらめきと切なさを感じました。
『屍人荘の殺人』も読む予定です。
※書影は版元ドットコムより
Z世代を顧客としつつ、実は全世代に向けてのマーケティングの本。
それでも、tiktok戦略メインなのでやっぱりZ世代を相手にしている企業・会社さん向のかな?
自分自身、ほぼマーケティングの知識がないけどないなりに「なるほど~」と説得っする部分があったので、会社でマーケティング担当になったばかりの人とか、若者向けの商材を扱ってるけどようわからんというおじ・おば世代に役に立ちそうな気がします。
数年前に話題になった「ダサピンク問題」や「明治のザ・チョコレートパッケージ事件(おじさん上司が「こんなのダメだろ」と言ったけど、担当が「あんたがターゲットじゃない」といい放ち結果ヒット商品となった)」など、顧客との感覚が乖離しがちな企業も多いと思うんだけど、そういうのがなくなったらいいですよね……。
テキストは平易でさくさく読めました。
ディープなマーケティング用語もありません。
「エモい」という言葉の定義は人それぞれかな……とは思いました。
私の周りの若い子が使っている「エモい」の意味と、この本の定義とはちょっと違うような気はした。
本の発行自体は2023年なので、tiktok戦略の話などは今はもう古くなっているかもしれません。
「残」る「穢れ(けがれ)」だから「残穢」。
タイトル通りのお話なのだけど、その残り方が……という物語。
語り手の主人公は著者の小野不由美氏を彷彿とさせる京都在住の小説家。読者からある怪異についての連絡がきて……というところから始まる。
小野不由美のファンなら所々に「お」と思われる記述があったり、実在の小説家が語り手の友人として登場したり、今、人気のモキュメントホラーの手法で書かれている。
なおこの本は2012年に発行されているので、流行にのっとって書いたわけではなさそうだけど、怖さのリアリティを増す手法であることは間違いないよね。
実際の事件などもスパイスに使っています。
ひたひたとした怖さがあり、読者に「もしかしたら自分の周りにも?」と思わせる筆致もさすが。
謎解きをするミステリの趣きもあって、超常現象を扱ってるけどもミステリとしても楽しめる。
語り手たちは、大元になる事件に(一応)たどり着くけど、もしかしたらその事件も「残穢」によるものだったんじゃないのかなって思ったんだけど、どうなんだろう。
完全に言い切ってないあたりも、怖さの余地を残しているよね。
呪われた家とか土地というのはホラーの定番だけど、それをひとひねりして演出も上手い作品でした。
もちろん、めっちゃ怖いです。
特に一人暮らしの人は、部屋で読まないほうがいいな。
残穢
