※楽天ブログからの引っ越しです。

 

 

なんか漫画ぽいなあと思いながら読んでいたけど、すでにコミカライズされているし、著者も漫画原作やっているし、って感じでなるほど。

漫画も無料公開分を読んだのですが、階段のゲームは絵のほうがわかりやすいかも。

 

コミック版

 

(ドラマにもなるみたいです)

 

無敵の主人公(女子高生)が、次々と仲間内とのゲームをクリアしていく。ちょっとジャンプ漫画ぽい。登場人物の名前が凝っていたりで、西尾維新も思い出しました。

無敵の主人公は、成瀬あかりも彷彿とさせる。でも、こっちの真兎のほうが人間味があるかな。

 

高校を舞台にした青春小説でもあり友情小説です。
個人的には、異性間の恋愛ネタもなくてよかった。


ゲームの部分はしっかり理解しなくても、雰囲気で読めます。

私自身、ポーカーのゲームは、途中で理解をあきらめたw
でも、それでも楽しく読めたのはキャラがしっかりしているから。

主人公、主人公の友人、そして主人公のライバル、この三人のキャラと関係性が納得いく描かれ方なので、面白いんですよね。

 

派手な設定、構成的なキャラたち、そんなんありえるの~っていう頭脳ゲームのお話だけども、根幹は友情。

しかもそれは、主人公・真兎の筋の通った、なんともまっとうな気持ちからです。
だから、読後感も爽やか!

平成生まれの作家さんの作品は、コンプラ的にも配慮されていて、読んでいて嫌な描写がなくていいですね。

もちろんぬるいって言っているわけじゃないですよ。

最近ようやく言ってもいいのかなって思っていることがあって。
日本の文芸作品や映画って、無駄に女性蔑視の描写が多かったなって。
もちろん、それをテーマ・題材・舞台にしている場合はいいのですが、そうじゃないところでもちょいちよいはいっていた。

それで、小説の面白さが減ることはなかったけど、なんだか「しんどい」。
そういうこともあって、私は昔から女性作家の作品が好きだったのかもしれない。

この作品にも「ブラが透けている」みたいな描写あるんですけど、キャラの造形のひとつだから、それはいいかなって感じっす。

 

 

『地雷グリコ』

 

※楽天ブログからの引っ越し記事です。

 

勇者や魔法使いが魔王を倒す、といったRPG的ファンタジー世界を舞台にしたミステリ。

すんごいトリックがある、というわけではないんだけど、読み進めると「おお、そうだったのか!」という驚きがあります。
 

魔王を討伐した勇者・アルスは城に戻ってくる途中で死亡する。

数年後、アレクシア姫はアルスの功績を称えるために文献を作り出す。

さまざまな人からアルスに関する証言が集められだした。


アルスをふくめ、周りにいた人々の視点で事情や状況が語られます。

 

ミステリ的なしかけのためということもあるけど、メインの登場人物たちが、それぞれ「世間」とのズレを感じていることが視点が変わることでよく判ります。
ファンタジー世界でありながら、キャラクターの生き方や美学が現代を生きる人たちに通じるものがあります。
このへんが「なんか大人の小説だな」と思ったら、作者は40代にしてなろうにこの作品を発表したとか。
なるほど、作者自身の人生への捉え方が現れていると思いました。

 

ラノベって、そのーどうしても文章的に……うーんって作品が多いのですが、この作品はかなりあっさりとしたテキストながら、さくさくと読みやすく楽しめました。

エピローグがいかにもラノベって感じ。

アルスと同じパーティにいたメンバー視点の続編もあるみたいですね。
キャラを好きになった人にはいいんでしょうか。

私は聖女と呼ばれながらなかなか腹黒のマリアさんが好きでした。

 

『誰が勇者を殺したか』

古来、子供に人権なんてありませんでした。

最近でも平成の中くらいまでは「子供は親のもの」「子供は大人のいうことを聞いていればいい」みたいな存在だったかと思います(日本では)。

家庭による温度差はありますが、家長制が根強く残っていた(いる)日本では「子供はお父さん(親)の言うことには逆らえない存在」であったので、どの家庭も「毒親」候補ではありました。

 

この本では神代の昔から江戸時代まで、歴史上の人物の家庭を「毒親」という存在に注目して読み解いていますが、面白かったです!

大河ドラマなんかみていても「これって壮大な親子げんかでは?」「兄弟げんかでは?」「親族内の争いでは?」で戦が起こってます。まあ、普通です。

今のように遠くの人と交流を持つことが難しかった時代、争いごとは家族・親族内で起こって当たり前。

そもそも現代だって、犯罪の多くは家庭内・親族内で起こってます。

平成15年犯罪白書より

https://hakusyo1.moj.go.jp/jp/44/nfm/n_44_2_5_2_2_2.html

 

 

秀吉や春日局、藤原の摂関家の一族、平清盛の娘など、歴史小説や大河ドラマで著名な方達の家族関係が面白く書かれていて、雑談ネタになりそうです。

あと、親の栄華のために犠牲になったかわいそうな人も多いな……と思いました。

秀吉のロリコン具合も異常。

 

むかしむかしの出来事ではありますが、現代に通じるものが多く、やはり歴史に学ぶところが多いなと思いました。

 

 

歴史ネタと関係ないところで興味深かったのが、昨今話題になっている「男割り」の話。

犯罪記事で、容疑者が男だった場合、タイトルに書かれない・透明化されるというのが代表例だったりしますが。

 

著者はこの本より以前に「くそじじいとくそばばあの日本史」という面白そうなタイトルの本を出しているのですが、タイトルを決める時に「『くそじじい』はやめよう、男性は傷つきやすいから」という意見があったそうです!!
著者は「男性に忖度はしない!」とタイトル案を押し通したとか。

 

「くそじじい」くらいで傷つくとか、どんだけ打たれ弱いんだよ。

しかもこういう意見が出てくるのが、知的レベルが一般人よりは高いのではと思われる出版業界の人から出てくるのが驚きです。

どうしようもない。


毒親の日本史

ジャーナリングってなんか憧れるじゃないですか。

50年も生きていると脳も疲れてきているし、記憶力も減少。

数年前から、手帳にその日あったことを書くくらいのことはしているのですが、「ジャーナリング」憧れる(二度言った)

 

※画像は公式で配布しているものです

 

たまたま本屋で目について読んでみたのですが。

 

私が知りたかったこととはちょっと違ったかなって感じでした。

これからやりたいことを探したい・見つけたい、という若い人向けでした。

 

漫画とテキストが交互になっていて、漫画の部分だけ読んでもエッセンスは伝わります。

 

今の仕事向いてないかも?とか、

転職したいかも? とか考えてるけど、

だけど、何をしたいのか判らない、という人にはいいんじゃないかなと。

テキストも平易で読みやすいです。

 

読み終わってから、著者のYouTubeチャンネルを見に行ったのですが、サムネに

「年商○億!」

「龍の波動がうんぬん」

 

とあって、ああ……なるほど……となりました。

どうりで、本にピンとこなかったわけだ。

 

まあ、でもよいことも書いてありましたよ。

 

○人との出会いが一番重要。

○本屋には自分のロールモデルが沢山あるから、本を読もう

○小さく始める

○コツコツやる

 

とかですね。

 

なんか「当然じゃねえの!?」という内容だけど、意外と忘れがちだったりすることです。

 

波動が~とか年商○億~~に踊らされずに、こういう本は、自分にとってしっくりきたことや、いいなと思ったことだけを取り入れるのがいいですね。

ビジネス書なんてみんなそんなものなんでしょうが。

 

ジャーナリングの本、他にもいろいろあると思うので探してみます。

 

『すごいジャーナリング』

※楽天ブログからの移設です。

 

「しろいもの」を取り上げた短いお話が繋がる連作集。

小説なのかエッセイ?なのか、私小説というのがしっくりくるのかも。
不思議な世界。
 

どこが面白かった? と聞かれると言葉に詰まる。
うまく説明はできない。
でも、エキサイティングな読書経験でした。


話の根幹には、生まれて二時間で死んでしまった姉にあたる赤ちゃんのエピソードがあり、不在の姉を通して、生と死をみつめていく。
ワルシャワという戦争の痕跡が残る街=死があった街で、より「不在の姉」の存在を意識する。

でも、語り口は美しく、まさに白の世界。
孤独でもあり、優しくもある白の世界。

 

作中でも触れられているけども「姉の死」(実はその後、もう1人死んだ赤ん坊がいる)は、イコール自分の実在でもあるということ。

これはすごく共感できる。
私も、しばらく思い出してなかったけども、私の上のきょうだいは、一歳になる前に病気で死んでいる。
写真でしかしらないきょうだいだけども、その子が元気に育っていたら私は生まれていただろうか?
※実際は、生まれていなかったのは私の妹かもしれない。

 

この本を読んで、久し振りに「会ったこともないきょうだい」の存在を思い出しました。
私は昭和40年代生まれですが、この世代、意外と「死んでしまったきょうだい」がいる人、いると思います。
小学生の頃、クラスでも2人ばかり「うちも弟がいたんだよ」とか「お兄ちゃんがいたけど」という子がいました。

その頃はまだ医学もいまほどではなく、私が住んでいたのも地方の田舎だったため、より高度な医療に繋がらなかった可能性もあり、いまより子供が死ぬ時代でもあったのでしょう。


死が近かった時代を、かろうじてまだ知っている世代かもしれません。
戦争の話を聞くこともありました。

 

そんな自分の出来事とも向き合うができた小説です。
 

ハードカバーのほうで読んだのですが、デザインも素晴らしい本です。
装丁からフォントまで、作品世界を構築するためのデザインがすごい。

これは電子書籍ではなく、紙の本で手に取ってほしいです。

(文庫版はどうなっているか判りませんが……)


装丁に関する記事がありました。

『すべての、白いものたちの』ブックデザイナーの装丁惚れ プロフェッショナルが思わず惚れる、美しき逸品 | ダ・ヴィンチWeb

 

ダ・ヴィンチもさようなら……。

 

韓国の作家さんを読んだのもはじめてかも?

よい本に出会えて満足です!

『すべての白い、ものたちの』