【番外①】エホバの証人と日本の組織・団体の、不祥事に対する対応の違いについて | 元J民の色々考察ノート

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思うがまま好き勝手に考察を書いていきます

エホバの証人と日本の企業法人の、不祥事に対する対応の違いについて語ってみます。

 

 

日本における有名な組織・団体は、所属する人間の不祥事について報道された時に

どのような対応を取ったのか。下記の事例を紹介します。

 

ALS○K 従業員が担当するATMで窃盗を犯した時の、広報部の対応

https://www.asahi.com/articles/ASQ156RCFQ15UDCB006.html

「関係者各位に心よりおわびを申し上げる。

今回の件を重く受け止め、社員一丸となって信頼の回復や再発防止に取り組んでいく」

 

市の下請けの下請けの従業員が、

市民の個人情報の入ったUSBを一時紛失(流出は無かった)した時の、市長メッセージ

https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/kurashi/seikatusien/1027475/1030947.html

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01157/080500068/

「皆様に大変なご心配とご迷惑をお掛けしましたことを、お詫び申し上げます。

本件事案を教訓に、二度と同様の事案を起こさぬよう対策を徹底し、

皆さまの安心・安全の確保に努めてまいります」

 

サファリパークでトラが従業員を負傷させて臨時休園することになった時の公式回答

https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202201270000325.html

「ご来園を予定していた皆様、関係者の方々に深くお詫び申し上げます。

「重大な事故を発生させたことを重く受け止め、原因を分析し、

再発防止策を講じます」

 

日本最大手の自動車メーカーでパワハラにより自殺者が出た時の会社としての対応

https://toyokeizai.net/articles/-/433696

https://response.jp/article/2022/02/01/353769.html

社長は二度にわたり直々に遺族に謝罪しており、組織体制の非を認めた。

 

 

謝罪。誠意。再発防止。責任の所存。

日本における法人格の不祥事に対する対応は、

他の多くの国とは一線を画すほど、厳格に見えるかもしれません。

 

末端の社員が悪意を持って勝手に行ったことであっても、

当事者の悪意によるものではないヒューンエラーであったとしても、

代表者が、公に頭を下げて謝罪を示すことすらあります。

 

こうしたモラルは、顧客と関わる社員に対しても求められていれます。

私自身も、以前にいた職場では、会社に対するクレームを受けた際には

「大変申し訳ございませんでした」

「返す言葉もございません」

「仰る通りでございます」

「貴重なご意見、真摯に受け止めます」

という具合に、相手の怒りを鎮めるために

色々な言葉を尽くして誠心誠意謝罪をするよう、指導を受けました。

 

何故、ここまで自分に対して厳しくあることが求められるのか。

何故、日本の組織人は、

自分個人としては無関係の批判に対してまで、誠意を示さなければならないのか。

 

 

それは、その組織に関わるあらゆる人達を守るためです。

 

 

不祥事が発生すると、

組織そのもの、およびそれに関わる人達に、どのような影響を与えるか。

 

「お客様」の多くは、裏切られた、信頼できない、と気分を害して離れていくでしょう。

 

「組織に属する人達」は、加害者に加担している、という偏見や敵の視線を向けられて、

難しい世の中になるかもしれません。

 

「株主」「出資者」も、不利益を被ることになるでしょう。

 

組織に属する人間が起こした不祥事は、組織に関わる非常に多くの人を不幸にします。

だからそうならないように、そうなってしまった時は被害を最小限にとどめるために、

組織の代表者は、自分で犯したわけでもない罪でも責任として背負って落ち度を認め、

被害者に自分から謝罪して精一杯の誠意を示すことにより組織そのものを守るのです。

 

あなたを告訴する人と、一刻も早く和解しなさい。

裁判所に引っぱって行かれてからでは間に合いません。

 

マタイによる福音書5章25節(リビングバイブル)

 

上述したような日本における法人格の不祥事に対する対応が、

海外と比べて合理的か否か、道義的に正しいと言えるかどうかは置いておいて・・・

 

報道が真実であれば、

エホバの証人の組織は、日本の多くの企業とは全く真逆の対応を取りました。

 

苛烈な体罰が行われたという事実そのものは否定しなかったものの、

それは組織ではなく各家庭の問題にすぎないとし、

批判的な人たちが広めている間違った情報は事実に反する、と反論したとのこと。

さらにこの件で報道により批判されることに対しても、異議を唱えたようです。

 

これはエホバの証人という組織そのものや、

その組織に関わる人達にどのような影響を与えるでしょうか。

 

世の中の「心の正しい人」は、子供達に対する非道な扱いで知られているだけではなく、

謝罪するどころか批判を受け入れないような組織と関わりを持とうとは思わないでしょう。

エホバの証人の宣教者達にとっては、伝道活動が今まで以上に難しくなります。

 

では「エホバの証人の信者達」はどうでしょうか。

エホバの証人の信者のほとんどは、宗教法人に雇用されて給料を貰う立場ではありません。

野外宣教は無償の自主的な活動です。生活のためではなく、望んで行っていることです。

組織が、ただでさえ虐待や洗脳などとという不名誉な評判で知られてしまっている上に、

公的に、被害を訴える人々に対して攻撃的な物言いをすれば、

信者達もその考えを支持し、賛同している、という認識を持たれてしまうかもしれません。

 

最後に、「エホバ」について。

「エホバ」の存在を、本当に現実の存在として信仰し、愛しているのなら、

「エホバ」という名前に対する印象を、組織の保身のために貶めてしまうことは

「エホバ」に対する背信行為と考えて、不興を買うことに恐怖心を抱くはずです。

貶める目的でやっているなら、実質的に最善策を取っているのでもう何も言わないんですが・・・

 

あなたがたは世の光です。(中略)

だれにも見えるように、あなたがたの良い行いを輝かせなさい。

そうすれば、人々がそれを見て、天におられるあなたがたの父を、

ほめたたえるようになるのです。

 

マタイ5章14節-16節(リビングバイブル)

 

真のクリスチャンを擁する組織として「世の光」であろうとするのなら、

せめて「世」の一般組織と同程度のモラルを、公的に示すべきだったと思います。