【陳情令】第24話「新たな船出」感想・金光瑤の策略発動と藍湛の掟破り | 占いworld♡エンタメ部

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魏嬰「金宗主の好意は受け取った」

 

魏嬰が金宗主の前に進み出て「婚姻は一大事なので江澄に尋ねるのではなく本人に聞いては?」と申し出ます。金宗主から問われていた江澄は「婚姻は当人の意志によるもの。姉本人が決めるべきで、周りは干渉できません」と返答します。これにより江厭離の意向を聞く運びとなり、江厭離は「江家の娘として今すぐやるべきは蓮花塢を立て直すこと。婚姻は妥当ではありません」と答えるのでした。

 

思惑が外れてがっかりの金光善と金子軒。ほっとした様子の魏嬰は再び炎陽殿から退出していきます。しらけたムードが漂う中、金光瑤が金鱗台百鳳山の狩猟大会を金氏主宰で行うことを告知します。金氏以外の三大世家の反応は若干微妙な面持ちですが、その他の各仙門からは金氏に対して賞賛の声が上がるのでした。

 

炎陽殿宴終了後。金光善にお茶を差し出す金光瑤。金光善は金光瑤にねぎらいの言葉をかけ、陰鉄の行方を問います。金光瑤は「まだ見つからない」と言いますが、最後の陰鉄は薛洋が持っていたこと、そして誰かが薛洋から陰鉄を奪った可能性があると言い出します。

 

金光瑤の策略発動!魏嬰に疑いが向くように誘導している。魏嬰は陰虎符を持っているし、それがなくても権威におもねるどころか尊大で生意気な若造。直前の宴では魏嬰の発言をきっかけに江厭離に「婚姻はしない」と言われてしまったし、これまでも金子軒と度々諍いを起こしている。そんなこんなで金光善はもともと魏嬰にはよい印象は持っていないはず。この金光瑤の誘導により、魏嬰は金光善に完全にロックオンされた模様です。

 

この時点での金光瑤の第一目的は父・金光善に認められることだと思います。大切な母親の願いでもありますしね。その目的のためには誰かを陥れることも辞さない。でも金光善は金光瑤を使い勝手のよい手駒くらいにしか見ていない。金光瑤の過ちは金光善という人間に期待し過ぎて、金光善の本質を見抜けなかったことから始まっているように思います。

 

金光瑤はとても頭がいい人のはずですが、情が絡むとダメなのかも。この情なんですが、父ではなく母親への情。母親が妓女ということで金光瑤は不遇な扱いを散々受けてきた訳ですが、たとえ妓女であろうとも彼にとって母親は大事な存在です。不憫な一生だった母親の願いを叶えることが彼の生きる目的になっているような気さえします。ある意味それは呪いのようになっていて、賢い彼をして金光善の人となりを見誤ったのではないかと思うのです。このイメージはアニメとラジオドラマの金光瑤が多分に混じってます。陳情令の金光瑤は母親の影響はもちろんあるけれども、魏嬰に疑いを誘導するシーンがあることで、より権力への野心がむき出しな感じがあります。あれ、忘羨中心で感想書くはずなのに、なんで金光瑤にこんなに字数を消費してるんだ?

 

姑蘇雲深不知処。静室で琴を弾く藍湛。曦臣兄様が訪れます。

 

藍湛「兄上」

曦臣兄様「弟子に聞いたぞ。含光君は戻るなり、蔵書閣に行って曲譜をたくさん持ち去りずっと琴を弾いていると。だから見に来た」

藍湛「兄上。禁室に入りたいのです」

曦臣兄様「なぜだ?」

藍湛「琴を極めるため」

 

藍先生に呼ばれていることを弟子から聞き、藍先生の雅室へ赴く二人。藍先生は、射日の征戦の殺戮と温氏の邪道による妖邪を排除するため、曦臣兄様に各地の浄化を命じます。藍湛には雲深不知処に残り、藍氏の掟の整理の命が。藍湛は禁室に入ることを願い出ますが、藍先生は却下。

 

 

藍先生「忘機。なぜお前を曦臣に同行させないか、理由がわかるか?」

 

わかるよ~。魏嬰と交流させたくないんだよね。浄化へ行けなんて言おうものなら、藍湛はこれ幸いと真っ先に魏嬰のところへ飛んでいくもの。礼則編をめくる藍湛。開いた頁にあるのは『妖邪を誅し、正法を立て、大道を保つ』藍先生は藍湛に「藍家の掟を忘れるな!しかと肝に命じよ」って言いたいのですよね。

 

蓮花塢は再建が叶い、江澄が宗主として弟子の指導に余念がない中、魏嬰は蓮花塢を抜け出していました。酒楼2階の窓辺から、沢蕪君が道を歩いているのを見つけて「俺と一杯どう?」と声をかけます。魏嬰の誘いに乗る曦臣兄様。原作やラジオドラマでは藍湛が夢雲の魏嬰に会いに来て、魏嬰から芍薬の花を受け取る忘羨の重要なシーンのひとつ。陳情令では浄化の命を受けた曦臣兄様が魏嬰と酒席を同席することに。陳情令の曦臣兄様は金丹でお酒を消すという特技を持っています!

 

魏嬰「沢蕪君。怨念の浄化とかなら藍湛が一番興味を持ってるはずだ。なぜ一緒に来てない」

曦臣兄様「叔父の命で家に残り、掟を整理している」

魏嬰「3千条もある掟を?沢蕪君、まさに悲惨の極みだよな。あれを全部整理するなんて、牢に入るのと同じだ。3年は下山できない。まぁいい。最近は俺も暇だし、数日したら雲深不知処に行ってみる。座学の時は蔵書閣であいつが俺の監督をしたけど、今度は俺が見張りをする番だ。面白くなってきた」

曦臣兄様「姑蘇に来るつもりなら、忘機が創った曲を聴くといい。心を清めることができる」

魏嬰「それはどういう意味だ?」

曦臣兄様「忘機が洗華を極めている。魏の若君は忘機の意図がわかるか?」

魏嬰「わざわざ雲夢まで忠告しに来たのか?(曦臣兄様が首を振るのを見て)じゃあ誰かに説得を頼まれたか。(曦臣兄様首を振る)沢蕪君。あんたたち藍氏はみんなそんなにおせっかいなのか?」

曦臣兄様「忘機は弟だ。考えはよくわかる。君が耳を貸さなくても私から言っておきたい。世には定まった法則がある。もしこの世に君だけしかいなければ、心のままに生きればいい。だが残念ながら、人の口に戸は立てられない。君が我が道に固執してしまえば、心配する者にも影響を及ぼす。私たちを信じてくれるなら、姑蘇藍氏と剣の道を取り戻そう」

 

あーっ、曦臣兄様!それは魏嬰には禁忌のようなもの。自分を心配してくれての発言であることは理解できても、秘密を言えないから触れて欲しくないし、言って欲しくない言葉。

 

魏嬰「信じてはいる。でも、断る。(立ち去ろうとする)」

曦臣兄様「待ってくれ!陰虎符は制御しがたい。心を蝕まれたら」

魏嬰「なら、逆に試してみたいな。もしかしたら、俺は比類なき鬼才かも?」

 

蓮花塢に戻ると、魏嬰は江澄と軽く喧嘩になり、江氏祠堂へ足を向けます。祠堂には江厭離がいました。

 

魏嬰「姉さん。お腹が空いた」

江厭離「まるで子供みたいなんだから」

魏嬰「羨羨は3歳だ」

 

 

魏嬰「そうだ、姉さん。姉さんに聞きたいことが」

江厭離「何なの?」

魏嬰「人はどうして別の誰かを好きになるの?俺が言ってるのは特別な意味の好きだよ」

江厭離「なぜ急にそんなこと聞くの?好きな人ができた?」

魏嬰「そうじゃないよ、姉さん。好きな人なんていない。少なくともあまりに好きになりすぎるのは嫌だ。だって、自分で自分の首に紐をつけるようなものでしょう?」

江厭離「3歳よりも幼いわ。1歳ね」

魏嬰「いや、違うよ。3歳って言ったら3歳だ」

 

「羨羨は3歳」有名で印象的なシーンのひとつだと思います。ここで魏嬰が江厭離に「どうして別の誰かを好きになるの?」と聞くのは、江厭離の婚姻の件も影響があると思いますが、藍湛のことを意識してのことだと私は考えています。ただ無意識的なもので明確な自覚はない。陳情令では藍湛本人ではなく曦臣兄様との出会いでしたが、藍湛の心配について魏嬰は口ではおせっかいとか色々言うけど、彼の心配な心を痛感していることに間違いはないと思います。この時期の魏嬰は剣が使えないことに加えて、やはり陰虎符の影響を受けている気がします。剣が使えない事実を隠し鬼道を行なわざるを得ない状況の中、自己を守るためにどうしても怒りっぽく尊大な傾向が出やすくなっているのじゃないかなと思うのです。

 

雲深不知処蔵書閣。弟子たちが通りかかると蔵書閣の錠前が空いています。施錠できていなかったことを含光君に黙っていてくれよ、と言いつつ施錠し直す弟子。そのやりとりを蔵書閣地下の禁室で聞いている含光君。掟を自ら破り禁室に入ってる。いいぞ藍湛。もっとやれ(笑)

 

第24話は魏嬰と藍湛が直接会うシーンがありませんでした。でも忘羨要素はたっぷりあると思います。ということで第24話の感想を終わります。