【姓と名と字と号】 中国漢字文化圏の素敵な習わし | 占いworld♡エンタメ部

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「姓は藍、名は湛、字は忘機」

 

はい、これは有名な諸葛孔明の名乗り文句「姓は諸葛、名は亮、字は孔明と申します」に習ったものです。三国志ネタと言うより、今はパリピ孔明ネタになるのでしょうか。藍湛には「含光君」の号もありますので、忘れてはなりません。というか、作中「含光君」は出ずっぱり(?)ですから忘れようにも忘れられませんね。

 

 

 

歴史系YouTubeなどでは諸葛孔明ではなく、諸葛亮と呼んでいるのをよく見かける気がします。「諸葛亮」は「藍湛」と等しい呼び方ということですね。

 

藍湛の湛にあたる名は諱(いみな)で軽々しく使ってはならないとされ、諸葛孔明が活躍した時代では親や主君のみが名、諱(いみな)で呼んでもOKで、それ以外の人が使用するのはとても無礼なことなんだとか。

 

藍家では藍先生も曦臣兄様も藍湛のことを字の忘機で呼んでいます。藍先生は師であり、親みたいなものだからもしかして字の忘機ではなく湛って呼んでもいいのかも。藍湛の場合、もし愛称で呼ぶなら阿機とかになる?魏無羨が阿羨だから。それとも江澄の阿澄や金凌の阿凌みたく阿湛?でも、藍家はお堅い家柄なので、藍湛は江家みたいに愛称で呼ばれたことはなさそうですね。そもそも藍先生は絶対愛称呼びはしなさそう。なのでやはり忘機に落ち着くのでしょう。

 

結局、魏嬰が連呼する「藍湛」が一番親密な呼び方だという結論になろうかと思います(笑) 魔道祖師の世界はこのように色々な名前の呼び方があるのも魅力のひとつだと思うのです。作中では混乱しないようにテロップを入れてくれていてとても親切。陳情令では冒頭のみならず繰り返し何度も表示されるのでわかりやすくて有難いですよね。

 

かつては「名」は生前使用し、死後は「諱(いみな)」となったらしく、「諱(いみな)」は中国を源流とする漢字文化圏の日本では「忌み名」とも表記されるそうです。名を呼ばずに字で呼ぶ習わしは、実名を明かすと霊的に支配されてしまうためとの考え方によるものだとのこと。

 

それに類する考え方に誕生日を明かさないことがあります。四柱推命は中華圏では八字と言いますが、貴人は自分の八字を知られちゃいけないものと四柱推命の先生より教わったことがあります。霊的に支配されてしまうのに似て、八字で弱点を知られてしまうのが理由だと思われます。容易く攻略されてしまう危険性があるということですね。

 

号は俳人や書家の方々は現在も使っていらっしゃると思います。通り名、通称なので魔道祖師中で藍湛が呼ばれる時に一番多く使われているんじゃないでしょうか。藍家子弟も、他の仙門世家の人たちも皆「含光君」と呼んでいる印象です。魏嬰でさえ、召喚直後は含光君呼びだったような。他は曦臣兄様と親しい金光瑤が忘機と呼んでるくらいかな。江澄も藍忘機とは呼んでいたけど藍湛や忘機とは言ってない気がする。見落としていたらすみません。