「しかも元気良すぎ。ビキニパワーすげー!」
どこからともなく聞こえてきた声だ。往路のすれ違いランナーにかける声援は確かに大きくなっていた。ビキニパワーはデビルにマグネットコーティングでも施したのか?
いや、恐らく1番の理由は靴だ。
これまでVFFやルナサンダルで走っていた頃は、正直言って下りのダメージは直に脚に効いていたが、靴を履いているお陰でかなり軽減されている。
しかも、走り方はベアフット走法のままなので、ダメージそのものが少ないのだ。
「いやあ、ビキニを考え出した人は天才だね!」
再びエイドで補給するデビルマン。刈場坂では私設エイドでフラのお姉ちゃんと、スタート前のマッサージ時点から抜きつ抜かれつを繰り返してきたいちごオレな方達と記念撮影。

この時ふとデビルは思う。
(去年このエイドに帰ってきた時は往路の関門時間ギリギリだったよな…。今年は遅い遅いって言いながら関門までまだ余裕があるな…。
白い人が速いだけでデビルは思っているほど遅くないんじゃないか?)
勿論、今年から関門時間と場所が変更になった事など知る由もないデビルマン。勘違いしたまま復路の下り基調の道を走り出す。
痛めていた足の痛みも気にならない。デビルがたまに使う技
ショック療法
が効いているようだ。
こうして、勘違いとなんの根拠もない自信が湧いてきたデビルは、残りの距離と時間を計算しだす。暑さで茹だって、ビキニの事が頭がいっぱいなデビル脳ではじき出された答えは…
「10時間切れるんじゃねーか?」
これが余りにも無謀な事だとはこの時点では判るはずも無かったのであった…。
【続く】

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