アクアラインの入り口に差し掛かる。
いつもは車でしか通れない道を自分の脚で行くというのは不思議なものだ。道路公団の職員さんもこの日ばかりはランナーに手を振る事しか出来ない。
反対車線には猫さんが集団を引っ張りながら走り抜けて行った。
「よおし!猫を追っかけるぞ!皆ついて来い!」
後ろを振り向くとすぱいだあも009もその姿は無く、いつの間にか独りぼっちになっていた。残念ながら白い人のように他の誰かを引っ張りながら走るだけの余裕はデビルには無い。
世界のmieさんともしばらくするとスライド。動画を取りながら走っているとはさすが女どら◯んの異名をとるだけはある。
とはいえ、アクアライン上は風も穏やかで気持ちがいい。暑いくらいでちょうどいい、伊達に灼熱の所沢→オクム→雁坂の激戦をくぐり抜けてきたわけじゃない。アップダウンも気温もこの程度ならどうということはない。
「デビルマン来た~!」
「速いよデビルマン…」
スタート時にそのかっこで最後まで走れるのか?サンダルでフル行くの?と不信感をあらわにしていた人もいたが、これが俺のスタイル。申し訳ないが今の自分が過去最強だ。タイムは別にして…。
やがて、前方にローカルヒーロー『鳳神ヤツルギ』の姿が見えた!
地元が産んだ二代ヒーローの共演はアクアライン上を興奮の坩堝に陥れる。
「かっこいいですね~!」
「いやいやそちらこそ」
この2ショットが見れるだけでアクアラインを走った意義はあったであろう。デビルもご満悦である。因みに後で知ったが走っていたのは正真正銘のご本人だったようだ。
ヤツルギをパスし、エイドのある海ほたるに到達すると必要最低限の補給を済まして今来た道の反対車線を走り抜ける。009が往路に見えたが、この後再会する事は無かった。
遠浅の海には海苔の養殖をしている支柱が見える。この天気の良さだけでこの大会は成功だろう。そう思ったデビルにこの後襲いくるのは袖ヶ浦デーモンの恐ろしい攻撃であった…。

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