すれ違うランナー達全てに声をかけていくD&G。これが出来るのは完全往復コースで道幅の狭いオクムならでは。
速いランナーに声援を送ると、声を返してくれる人が多くてこちらも嬉しくなる。
力を与えるどころか力を貰えるから不思議だ…。
やがて、オクム名物の水かけビキニガルポイントへ。
ガッチャはお得意の
「君に会うためにここまで来たよ。」
と、ナンパエロ貴公子の名に恥じぬ言動でかけ水をしてもらっている。真面目でうぶなデビルはそんなガッチャの次にかけ水をしてもらおうと直立不動で並んで待つ。
ガッチャが終わると順番が来たデビルは緊張の面持ちで前に出る。
「よろしくお願いします。」
「あら、ここでいいのかしら?」
「ええ、ここにお願いします。自分不器用なもんで…」
後頭部に冷たい水をかけてもらうと生き返る。この時だけは曇っていたデビルアイが何故かクリアになっていたのは不思議だ。
山の中でビキニが鑑賞できる、これぞオクムの醍醐味だ。しかもこのビキニポイントはまだ二つある。まあ、折り返しの所は身内みたいなもんだが…。
再び走り出すとすれ違うランナー達に声をかけながら登って行く。登りのパワーウォークはまだ健在だ。これはもしかすると調子は悪くないのかもしれない。一昨年の記録を超えられるかもしれない。秘かに目標を上方修正した瞬間であった。
《続く》

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