大磯プリンスから西湘バイパスに降り立ち、スタートラインへ移動する人波に呑まれながら、デビルは思う…
美ジョガー率高し!
「あれはそんな美ジョガーじゃないよ」
冷静なマイキーさんの解説が入るものの
海辺では三割増しの法則
がデビルの脳内を支配する。この時デビルの脳内メーカーは『悦』9割と『贄』1割の文字でいっぱいになったのは言うまでもない。
やがてスタート時間が過ぎるものの、微動だにしないDブロックにデビルはマンモス大会に参加している事を実感する。
ロスタイムは約9分。
男は黙ってネットでサブ4
を念頭に置き普段は入ることの出来ない西湘バイパスを突き進む。風もほとんどなく、気温も暑すぎず寒すぎず、コンディションは最高だ。
大磯からの海の眺めもまた最高だ。そして美ジョガー以上にボランティアのお姉ちゃんが可愛いのもまた最高だ。
なるほど、参加費が高いのも致し方ない…。
「おらあ!!ミサコを追いかけるぞお!」
周りのランナーを叱咤激励するようにデビルが吼える。それはみんなでサブ4しようぜ!というデビルからのメッセージだったのだよ…。
やがて、西湘バイパスを過ぎ花水レストハウス近辺までやって来た。箱根駅伝の選手と同じコースを走れるのも湘南国際マラソンのセールスポイント、デビルはこのあたりから少しずつ前行くランナーを撃破しはじめる…。
「あ、抜かれた…」
「ウイングにゼッケンを付けるのって新しいかも…。」
「デビルふと…」
阿鼻叫喚の声が後方から聞こえ、デビルは序盤戦をなかなかの立ち上がりで入ったのでありました。
《続く》

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