箱根駅伝の話 その3 | 鈴木 彰の ミドル・シニアランナーのためのランニングブログ

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@runnerのCEO、e-Athletesヘッドコーチの鈴木彰が、なるべくプライベートな部分は避けつつ、主に概ね40歳以上のミドル・シニア(中高年!)ランナー向けにランニング関係のあれこれを綴ってみようかなってとこです。

 駅伝の特徴は、言うまでもなく、1区を除いては、前後に差が着いている状態でスタートする~ということにあります。


 ここで、前・または後ろとの差によって、序盤の走りは、「突っ込む」「イーブン」「セーブ」とに、その戦法が分かれます。


 普通、「突っ込む」というと、舞い上がっちゃって何がなんだかわからんちんのままオーバーペースになっちゃうケースが多いものですが、駅伝の場合、意識的というか作戦として突っ込むことがあります。


 たとえば~後ろと、およそ100m差で中継を迎えるとします。タスキを受けた次走のランナーはどういう作戦を取るのか・取るべきなのか~。


 ここで、慎重に焦らず、自分のペースで走り出す~というのは、本来あるべき正攻法とも考えられますが、その間、後のランナーが懸命に猛スパートし、更に次走のランナーが突っ込んできたら、100mあった差は瞬く間に縮まってくるでしょう。差が縮まり、追い付けば勢いがつき、元気になる!~というのは駅伝のセオリーであり、その逆は、焦りや不安につながります。明らかな実力差があり、追いつかれるのも計算のうちである場合はこの限りではありませんが、走力が互角でも、入りのスタンス自体で展開が違ってくることもあります。


 ただ、突っ込みは、その反動も大きく、後半~終盤の失速にもつながりかねないリスクの大きな取り組みです。そのため、いたずらにただただ突っ込むというわけにはいきません。


 それを利用し、このようなケースで、前のランナーの方がわざと(作戦として)突っ込み、後を誘う~ということもよくあります。これ以上差を広げられたくない~むしろ詰めないといけないという使命のあるランナーは、前が突っ込めば、それを追わなければいけません。この突っ込み合戦も駅伝の醍醐味の1つですね。


 突っ込みを誘った方が先にバテて逆転を許すこともあれば、思惑通り突っ込まされた後が潰れて、差が広がることもありますが、自分が潰れるリスクを承知で相手を打ちのめす~「肉を切らせて骨を断つ」的な戦法になるわけです。肉しか切れず、骨を断たれちゃうこともあるわけですが。。。


 突っ込みに誘われない~という後方待機作戦もありますね。突っ込んだ前のランナーが潰れてくるのを待つ~という作戦です。上手くいくかどうかは相手次第。相手にそのまま逃げられちゃうリスクもあるので、それなりに度胸が要ります。力がないので、待つしかないこともありますが。


 箱根駅伝に限っていえば、往路は突っ込み傾向が強い感じがありますね。学生ランナーは、だいたい20Kmを60~61分くらいで行くくらいの走力ですので、3分/kmというのが1つの目安になるのですが、入りの3~5Kmくらいをガンガン飛ばしていくことが多いようです。長いんだから、もっと落ち着けよと思うこともありますし、実際、後半ズルズルくることも少なくないのですが、前後の差を見て、心理状態や作戦を推測しながら見ていると、けっこう面白いですよ。