箱根駅伝の話 その2 | 鈴木 彰の ミドル・シニアランナーのためのランニングブログ

鈴木 彰の ミドル・シニアランナーのためのランニングブログ

@runnerのCEO、e-Athletesヘッドコーチの鈴木彰が、なるべくプライベートな部分は避けつつ、主に概ね40歳以上のミドル・シニア(中高年!)ランナー向けにランニング関係のあれこれを綴ってみようかなってとこです。

 花の2区に対し、1区は、かつては準エース区間として、チーム2~3番手の選手が集まるものでした。チーム事情によっては、ここにエースをぶつけないと勝負にならない…ということも。


 かつては―というのは、今は状況が違うということです。

 かつて―1区は、強くて速い選手がグイグイと押していって、実力通りの差を確保して2区のエースにつなげる区間でした。1~2区で大まかな勝負は決し、大きな順位変動は、そうそうは起こらない~みたいなところがありましたね。


 しかし昨今の1区は、もっと無難に2区につなぐ区間となり、リードを奪うというよりも、「遅れない」ことが使命となっているようです。実際、15~16Kmくらいまで集団が崩れずにほぼ一定ペースで行くことも多く、勝負はラスト3Kmくらいから~という感じになったりしますが、ここで開くペース差はせいぜい数十秒程度です。これは2区でどうにでもなる差に過ぎません。


 もちろん全体のペースはラストにグイッと上がりますので、その前段階で離れてしまうと、大変なマイナスが生じてしまいます。この「スパート時まで集団に残っていること」~が重要な任務なわけであり、それが出来るくらいの走力の選手に任されることも多くなってきているようです。


 この時代の1区にエースクラスを持ってくるのは、つなぐ作戦の他校に対し、かつてのように、最初からかましてやろうという戦法を取る場合でしょう。最初からハイペースでグイグイ持っていくか、想定よりかなり早い段階でスパートをかけ、集団を崩しにかかります。


 うまくいけば、他校のブレーキも誘い、実力通りの大差を付けることが出来ますが、崩し切れなければ、他校の5~6番手以降くらいの選手とトントン(=数十秒差程度)となり、想定の貯金を作れないばかりか、無駄駒で終わってしまうリスクもあります。


 1区のこういう局面というのは、箱根に限らず、高校駅伝やニューイヤー駅伝などでも見られますね。崩して先に行きたい選手と、崩させまいと粘る選手~。


 崩せないとイライラしてきたり不安になってきたりとリズムを崩して自滅したり、思いのほか粘りが効くと、調子に乗ってきて、力以上の頑張りが出てきたり~と、1区の波乱要因というのはこういうところにあります。


 トップでつないでもダメ出しされたり、10番目くらいでも20~30秒くらいの差なら上出来!とされることがあるのが駅伝の、特に1区の面白いところです。


 (まだ続く)