やれまた大地震が来るだの富士山が危ないだのとネットで不安を煽ってるヒマがあったら、走ります。
ろくに防災の準備もせずデマに怯えてるだけの無意味な時間の使い方をするくらいなら、走ります。
ところで、本年もよろしくお願いいたします(遅いわ)
実は2年前にもエントリーしていて、
諸事情により出場できなかった北海道マラソン。
「夏マラソンとなる五輪や世界選手権で戦うための強化の場」という
位置づけで、例年8月の末に行われる北海道マラソン。
東京マラソンのような「お祭り」とはちょっと、いや完全に違って、
半端な気持ちで走ったら気象条件によっては命取りとなるので
全般にシリアスランナーの割合が高く、レベルも高い北海道マラソン。
そこに足を突っ込んだ、私と嫁の2人。
私は仕事があれこれ忙しかったので、お盆の時期にしっかり
走り込んでピークを合わせていこう、と思っていたのだが、
あろうことか、耳介血腫という耳の病気にかかってしまい、
お盆の入りに耳鼻科でメスを入れられてドクターストップがかかり
大事なお盆休みをまとめて棒に振ってしまうという不運。
8月はトータル30kmそこそこという明らかな練習不足。
こうなったら完走でいい。とにかくコンディションだけ整えて
気持ちだけでも絶好調で臨んでやると、ひたすら快食快眠に努めた私。
おかげでウォーターローディングもカーボローディングも
うまくいって、体調だけは万全で乗り込んだ北海道。
1泊2日の強行軍だが、羽田から新千歳は飛行機で1時間ちょっと。
頑張れば日帰りもできるではないか。土日だけでもいいのだ。
うまい具合に休暇を取って先乗りした嫁を追って
私も新千歳空港へ。約9年ぶり6度目の北海道上陸。
さっそく北海道限定の銘菓「じゃがポックル」を買う。
(道内でも品薄だから早めに買っておこうと思っての行動だが、
そんな必要など全くなかったことに帰りの空港で気づくのである)
ソフトクリームをなめながら、空港内のテレビで
まだ機内にいた時間にスタートしていた女子マラソンをしばし観戦。
30kmまでスローのまま、集団が崩れない。
こうなるとアフリカ勢の思うツボなのだが、結果その通りに。
ケニア勢がこぞって飛び出し、赤羽がそれを追う体制に入ったところで
JRの駅へ向かう。
空港から札幌まで1040円もかかるのはなぁと、いつも思うのだが
仕方ない。北海道でもSuicaで乗れるんだからいいとしよう。
札幌駅で嫁と合流。赤羽が粘って5位に入ったと聞く。
前との差もそれほどなかったようだ。メダルは獲れなかったが、
暑い夏のレースによく合わせてきたと思う。
せっかくなのでと札幌大丸を少しブラブラして、二条市場でお昼。
市場内は混んでいたので、市場を出た所にあるお店へ。
昔、出張先のお偉いさんにご馳走になったお店なのだが、
お昼のメニューもあって、値段も手ごろ。
さすがに夜に生ものは食べられないので、ここでイクラ丼や
さんまの刺身など、海の幸を満喫する。
時計台やテレビ塔など、実は1度も来たことがなかった場所を巡り、
エントリー会場である中島公園近くのホテルへ。
・・・日差しが強い。明日の今ごろはこの中を走っているのか。
エントリー会場で、レース用のゼッケンや参加賞をもらう。
さすがに東京マラソンとは違う。うわっついた感じの人はほぼ皆無。
そりゃそうだ。制限時間は5時間。それも夏の5時間である。
途中ポイントでの打ち切りも早く、最後尾のパトカーに追いつかれたら
即失格という厳しいルールだ。
自己ベストが5時間以上という人は、ほぼいないだろう。
だから会場ですれ違うランナーは皆、顔つきが違う。
顔つきが違うのに、コース紹介のVTRを見ながら、口々に
「キツイよなぁ」「厳しいねぇ」といった言葉が飛び交う。
やっぱり、えらい所に足を突っ込んだ。
走り込みが十分にできなかった今の状態でできるのは、
とにかく無理をせずに4時間台前半のラインを目指すというプラン立て。
ホテルに戻り、テレビを見ていると
7月に岩見沢で開かれたフォークジャンボリーの様子が放送されていた。
今年で10年やったからラストなのか。
ゲストの名目で来た松山千春が歌う「長い夜」を聴きながら、北海道を実感する。
やっぱり「長い夜」はアップテンポのバージョンがいい。
イントロを聴くだけで、ゾクッとする。まだまだ若いなぁこの人は。
これ見られただけでも、来てよかったなと思った。本当に。
夕食はジンギスカンと決めていた。
スタートは午後12時10分なので、しっかり食べても問題ない。
朝もバタバタしなくていいのが午後スタートの利点だが、
暑さと日差しに勝てるのかどうか・・・
ぐっすり眠って、翌朝。
過酷な夏マラソンに足を踏み入れる日が、やって来た。
いつもの朝早いスタートと違って、落ち着いて準備ができるのは
午後スタートのいいところだが、すでに日差しはまぶしかった。
ザンギのおにぎりを食べ、カツゲンを飲み・・・
朝食を済ませ、両脚にテーピングを施し、粛々と準備を進める。
10時半頃に、スタート会場入り。
気温は27度ぐらいまで上がっており、もうこの時点で
水分補給だけでなく、水を手足にかけて冷却する必要があった。
帽子をかぶって走るのがいまいち好きではない私は、
練習でもレースでも、手ぬぐいを頭に巻いて走るようにしている。
締めつける感覚がないし、頭から水をかければある程度冷却がもつ。
帽子のつばがない代わりにサングラスを着けて、日差しに対応する。
体調が優れないと思ったら棄権する勇気を、とアナウンス。
確かにスタート前でおかしいと思ったらかなり危険である。
ここで昼食代わりの補給。とにかく食べないと走れない。
賛否あるみたいだが、私は大抵、甘いもので締める。
コンビニのスイーツとバナナを口に押し込み、
ストレッチを終えてトイレを済ませ、スタート地点へ。
今回はほとんどアップを走らなかった。アップの場所は豊平川と
指定されており、移動する必要があったのだが、炎天下でアップ
するのは体力を奪うだけのような気がしたので、スタート地点近くの
日陰を軽く走る程度にしておく。
スタートの30分ほど前に招集がかかっており、各ブロックの前方に
陣取る人達はそれだけの時間、場所によっては炎天下で待たされる
ことになる。私はギリギリまで日陰にいたかったので、沿道で待機
していた。
スタート直前、正午の気温が29度近く。ほぼ無風。
それでも湿度が40%台だったのは不幸中の幸いか。
テレビ中継用のヘリが近づいてくる。
片手にはドリンクを入れたペットボトル。
スタート後、5kmまで給水はない。待機の時間を含めると
5kmまでにくたばってしまわないかと思い、持っておいた。
同じくペットボトル持ちの人は非常に多かった。はじめて見る
光景である。確かに、これからこの暑い中を42km走るのかと
考えると、恐怖感がないわけではない。話によると、スタート
地点で棄権を決めた人も少なくなかったのだとか。
・・・いろいろ考えているうちに、号砲鳴ってスタート。
Bブロックという大層な位置から、ソロリと飛び出す。
ペースプランは6分~6分10秒/kmを最後まで。
冬場より30秒/km程度遅いが、倒れたくない、死にたくない
なら6分台で我慢するしかない。
・・・3km過ぎでわき腹が痛くなる。水分摂りすぎたか。
これが8km過ぎまで続いたので、落ち着く余裕もなく。
スタートからずーっと顔をしかめっぱなしでもがく。
フルを走って、こんなに早く「やめようか」と思うとは。
とりあえず15kmは走ろうか。いや、20km、いや・・・
と考えているうちに、地獄の新川通へ。
往復約13kmの一本道。車道に日陰が全くない一本道。
対向車線は、まだ男子のトップランナーがちらほら帰ってきた程度。
それだけ長い距離を行かねば折り返しにならないのかと思うと、
まだ脚にはきていなかったものの、心にズシンときた。
それでも淡々と、努めて淡々と、
側道で脚をつって苦しそうにしているランナーや、完全に倒れて
しまい、スタッフに必死に風を扇いでもらっているランナーを
見つけても、動揺されることなく淡々と、とにかく走った。
25kmまで、ラップはだいたい5分50秒~6分10秒/km。
脚はこの日なりに動いている。でもそろそろ周りを「抜き返す」
流れになるはずが、まだまだ抜かれていく。やはり他のマラソンとは
違って、ランナーのレベルが高いのか。
・・・で、30km手前で自分の脚が止まってしまった。
練習不足だから仕方ないにせよ、夏場のペースダウンは辛い。
このあたりで、前を順調に走っていたはずの嫁と合流。
調子が悪くなってリタイヤしようと思い、バスを待ちながら
休憩していたらしいが、遅い私を見てまたやる気が出たそうで、
やっぱり走ると言ってここから並走。
とはいっても、十分に休んだ嫁のペースと、
悪ければ7分/km近くまで落ちようかという自分のペースでは
釣り合いが取れない。なんとか引っ張ってもらいながら、終盤へ。
・・・ここまでは、はっきり記憶がある。
35km以降は、給水所で水をかぶるたびにハッと目が覚める
繰り返し。ハイライトである北海道大学構内も「早く過ぎてくれ」
の一心で、苦虫を噛み潰した顔のままで走っていたのだろう。たぶん。
そして、札幌駅周辺から道庁へ。
日本ハムやコンサドーレのマスコット達とハイタッチしたのは覚えている。
ゴールの大通公園。最後の直線が、とんでもなく長く感じた。
なんとか2人でフィニッシュ。タイムもなんとか4時間半を切って完走。
首にかけてもらった完走メダルの重さが、達成感そのものだった。
彫刻家・安田侃さん作「妙夢(みょうむ)」。
たしかに、妙な夢を見ていたかのような42.195kmだった。
でも、我慢に我慢を重ねて走りきった人がもらえるメダルだ。
誇らしく思って、いいのかもしれない。
給水の連続で、完全に濡れてしまったシューズと靴下を脱ぐと、
水を浴び続けてふやけきった両足が、とんでもないことになっていた。
両脚の親指の爪がかなり痛むけど、痛みすぎるのか、ひざやふくらはぎに
痛みは感じない。アフターのストレッチを念入りに行っておく。
「他のどんな状況下で食べるよりも美味しい」水とおにぎりを口にする。
ゴール後に運ばれるランナーで、救護室はあふれ返っていた。
我々は幸い異常なく、そそくさと着替えて荷物持って札幌駅を目指す。
余韻に浸るのもそこそこに、夜の飛行機で家に帰らねばならないからだ!
21:00発の羽田行きに乗らなければ
月曜日の仕事がズル休みになってしまうので、
完走の余韻に浸る間もなく、ましてや疲れを癒す間もなく
札幌駅から新千歳空港行きの電車に乗り込んだのは18時過ぎ。
新千歳空港の中に新しくできた温泉で汗を流して帰ろうと
いう予定は時間的に無理だと判断し、おみやげの物色と
最後の海の幸満喫(晩ごはん)を優先させることに決めた。
JRの車内で、プチ反省会。
夏マラソンの難しいところは
脱水症状の対策と熱中症対策は別物である、ということ。
水やスポーツドリンクを飲むのはもちろんだが、
給水テーブルの水やスポンジで身体を外から冷やす作業を
しっかりやらなければいけない。
去年の「ゆめのしま6時間走」で、
ひたすら水を飲むだけで冷やす作業を一切しなかったために
憐れ熱中症の餌食となった時の反省である。
今回は太い血管がたくさん通っている首の裏側、わきの下、
鼠径部(太ももの付け根)の3点を重点的に冷やしながら
走れたので、熱中症は回避できた。
ただ、どの給水所でも丁寧に水を飲んでしまったため、
結果的に水分を必要以上に摂りすぎたのがペースダウンの原因。
脱水は逃れたものの、胃腸に負担がかかって少々夏バテ気味に
なってしまったようだ・・・
新千歳空港に着き、
各売店で山積みになっている「じゃがポックル」を見て驚く。
品薄どころか、品厚ではないか。せっかくなので買い足す。
時間も遅いので、海鮮丼のお店で晩ごはん兼慰労会。
生ビールを飲み、どんぶりをかきこむ。
帰り際にして初めて、開放感に満ちた食事を楽しんだ。
レース中の気温は32度まで上がったらしい。
それでも完走率は80%近くあったそうだが、あくまで
当日走ったランナーのうちの約8割。
それも完走者の約3分の2が、4時間以上かかってゴールしている。
やはり生半可な気持ちで挑んではいけないレースだろう。
いい練習に、いい思い出に、そしていい経験になった。
本来7~8月はオフシーズンなので、8月末のレースというのは
非常につらいものがある。おそらく来年は出場しないと思うが、
これから秋、冬のレースを見据えたいい練習にもなったことだし、
終わってみれば楽しい2日間になったかな・・・
羽田に降り立ち、我々が自宅に帰ったのは0時半過ぎ。
翌朝、ちゃんと出勤した自分を心から褒めてやりたい。
目の前の仕事を怠らないのが、市民ランナーのあるべき姿である。
大変にごぶさたしております。
あいさつもそこそこに、
来週の日曜日は「北海道マラソン」です。
半年ほど前にエントリーしていたレースなので
途中すっかり記憶から抜けていた時期もありましたが、
エントリーしたものは出なければなりません。
それに我が夫婦は2年前にもエントリーしながら
諸事情により断念した過去があります。
だから今回は何が何でも、
私がエントリーした直後に運悪く
仕事のゴタゴタと震災のゴタゴタの二重苦に巻き込まれて
とんでもない上半期を過ごしていながらも、この北海道は
走らねばならない。そんな思いでこの夏を過ごしてまいりました。
なので猛暑の中でも、いろんなことがありながらも
一応ちゃんと走っておりました。
ちょっと前までは。
しかし先週末、三つ目の苦が時間差でやってまいりました。
ちょっとした病気で、左耳にメスを入れまして。
そしてドレーンと呼ばれる管も入れまして。
ガーゼとテープでグルグル巻きにされ、
運動はダメとドクターストップがかかったことにより
お盆の走り込みが一切できなくなってしまい、
「あぁ終わったな北海道マラソン。観光だけか・・・」と
あきらめた瞬間もありました。
それでも1週間後、
病院を変えてセカンドオピニオンに頼ったところ
「前の病院は大げさにやりすぎ。もうほっとけばいいよ」と、
ガーゼをビリビリとはがし、ドレーンを抜いて絆創膏を貼り、
事実上の治療終了宣言。
初診から10日。メスの跡もだいぶ目立たなくなり、
「ほっとけばいい」というセカンドオピニオン医師の言葉を信じて、
ようやく今日、久々に15km、おそらく最後のちゃんとした練習を
終えたのであります。今月まだ月間35kmです。
かくして北海道マラソンは、完全なる調整不足は承知の上で
「ばかっ晴れになるなよ。秋の気配を呼んでこいよ」と北の大地に祈りつつ、
「絶対に死なない」という第一目標だけは忘れることなく、
あとは熱中症で倒れない、
冬場みたいに無理をしない、
収容者から必死に逃げ回る、
折り返し点で折り返さず、豊平川に飛び込まない、
ましてや川でサケを捕まえて木彫りのモチーフにならない、
新千歳空港で「じゃがポックル」だけは必ず買って帰る。
といったいろんな目標を持って、
走ってまいります。
で、ゴールしたらすぐ飛行機乗って、翌日仕事です。
月間200kmを3ヶ月続けましょう。
少なくとも1回は「当日走る距離+10km」の練習をしましょう。
1ヶ月に「レースの距離×5倍」走ることが、完走の条件です。
走る前、私がいろんな本やサイトで見つけてきた
「ウルトラマラソンを完走するための条件」です。
私、3つともやってませんが、72km走れました。
むしろ、上記のようなマニュアルという名の「ささやき」を真に受けて、達人だかなんだか、そういう方々の言うことを鵜呑みにして、
書いてあった通りにしないと、と、
練習=ノルマ、という意識で頑張りすぎて
ケガしてそれが治らないままレースに出て・・・嗚呼・・・
という人もいるんでしょうね。
私、だいたい月間120kmぐらいなんですが、
そして富士五湖の前は30km走しかしていませんが、
それでもちゃんと72km走れました。
あえて言うなら、キロ6分半とか7分のペースで
走る練習をしっかりやったぐらいです。
でもこれが、最も大事な要素でした。
ウルトラは、フルマラソンの延長ではない。
「フル+おまけ30km」の感覚で走ると、エライ目に遭うぞ。
と想像していたのが、良かったのかもしれません。
自分で考えて、自分にしか当てはまらない尺度を定める。
マラソンは自己責任のスポーツですから、自己流を貫くのもアリなのです。
私を含む、チャレンジ富士五湖初挑戦のランナーが
口を揃えて「あれはないよ」とこぼす、といわれている
ラスト約5.5kmからはじまる長い長い、上り基調の山道。
入ってすぐ、前方に見えるランナー全員が歩いていたので
私も思わず歩いてしまいました。。。
幸い、制限時間を気にする必要がないタイムの貯金もあり、
とにかく急坂は止まらずに歩いてやり過ごす。
後方からは、走って上っていくランナーもいました。
私もそれを見て、負けてられないと思い走り出しましたが、
走っている私を「歩いて追い抜く」ランナーがいて
非常にやるせなくなり、すぐ歩きに変えました・・・・・・。
息遣いも荒く、身体も少し冷えてきてツラい時間帯。
しかし、山道の途中、
カセットコンロで温かい飲み物らしきものを温めている
私設エイドの女性が目に入ります。
「あの・・・何ですかそれ?」
「ミルクティーです。1杯いかがですか?」
甘くて温かいミルクティーに、心身を救われました。
ここでしかお礼できませんが、本当にありがとうございました。
これを仏教史に例えるならば、
飲まず食わずで行き倒れになりかけていたブッダに乳がゆを施してその命を救った娘、スジャータのように見えましたよ私には。さすがに悟りまで開くことはできませんでしたが。
あの1杯で息を吹き返し、また走り出します。
やはり後ろからくるランナーには「歩いて」抜かれますが、
自分にとっては走っているリズムのほうがいくらか楽でした。
なんとか坂を上りきり、あと1.5km。
下りに変わった山道の先に、
富士北麓公園の喧々とした雰囲気が感じられるようになりました。
あと少し。本当にあと少し。
でも、急がない。これまでのペースでゆっくりと。
ラスト500m。公園内に入ります。
コースの両端から「おかえりー!」の声援を頂戴します。
ハイ。コバトンともども、帰ってまいりました。
フッと身体が軽くなり、疲れもどこかへ飛んでいきます。
ウルトラマラソンのランナーズ・ハイは、こんなところにあったのか。
競技場の手前、自分のナンバーカードと名前がアナウンスされ、
「3時間1分で走るMC」高瀬さんともハイタッチ。
ラストの直線も、ゆっくり、ゆっくりと走ったような気がします(あの距離で何人かに抜かれましたが)。
最後までゆっくり、確実に・・・
そして、ゴール。
カメラ片手に待っていたおはぎが出迎えてくれました。
9時間49分16秒という時間はともかく、
無事に11時間以内で72.5kmを走りきれた喜びがすべて。
ウルトラは完走すれば、それでいいんです。だから自分に合っているんです。
疲労の度合いはフルマラソンとそう変わりませんでしたが、
達成感や充実感は、この域に達したからこそ得られるものでした。
未知への不安を乗り越え、目標に届いた瞬間の喜びも、また格別です。
ならば、100km走った後なら・・・・・・
肩には完走タオル、首には完走メダル。
でもやっぱり、やるからには大台を目指したい。
燃え尽きている暇もなく、
100kmや112kmを完走した人達がうらやましくなっている自分に気づいた次第です。