バランス‐5‐
何故なら犯人として
疑われた人でもあるから……
ただ和樹でないのは明らかだった。
体型からして犯人の男とは違う。
何故和樹を求めたか……
それはわたしを
愛していたから。
学生時代に付き合ったのは
和樹と義之の2人。
何故義之じゃないのか……
義之は携帯を持っていなかった。
携帯を持ってて
すぐに連絡が取れる男……
そんな理由で和樹を選んだ。
わたしは酷い女。
女友達には弱い所を見せる事ができなかった。
いつも強くて弱音を吐かない
そう思われていた……
そしてわたしは
男は女、
女は男を求めるもの……
そう思っていた。
バランス‐4‐
空っぽになった……
独りになるのが辛かった。
不安で怖くて寂しくて……
親には言えない
リエや友達にはもう心配かけたくない
顔で笑って心で泣いて……
寂しさに打ち勝つ心の強さは
もうなかった。
そしてダメだと思いつつ
求めてしまった……
和樹を。
バランス‐3‐
「あんた顔凄い青いけどどうしたん?」
(今頃聞くのかよ)
「野球見に行った時、二岡のサヨナラホームランのボールがあたしの顔面直撃した」
「へぇ~そんな事ってあるんだねぇ~」
「あんだよ!」
(あるわけないだろ)
誰にも言えなかった……
誰かに頼りたかった……
素直になりたくて
でもなれなくて。
大丈夫な自分と
大丈夫じゃない自分
頑張ろうと思う自分と
頑張れない自分
前向きな自分と
後ろ向きな自分……
陰と陽
心のバランスが
うまく取れなくなっていた。