クローバー(ノンフィクション小説) -70ページ目

軌跡‐25‐


母が青ざめた顔して
わたしの所に来た。

(気付いたみたいやね……)

母は分かっていた。

母の中でわたしは
何を考えているか分からない、気の難しい子供。

そして誰よりも勘(感)の強い子……

「ルナ…… 何か見た?」

聞こえない振りをして無視した。

「……ルナ?」
母はそこにはいない

「……ルナ!!」
聞こえない

そこにはもう
従順だった娘の姿は微塵もない。

「 何??」

「見たの?」


「あたしは必要ないんでしょ?」

「な、何言ってんの!!」


「あたしがいなきゃ全てうまくいったのにね」


「………」

「邪魔だからあっち行け」



母と目を合わせる事は
1度もなかった。

軌跡‐24‐


メモ帳を鏡台の上に置き
その横に白い紙を並べた。

そして母の口紅で白を
真っ赤に塗り潰していった。

大好きだったのに

信じてたのに


お母さんの為に
頑張ってきたのに……

嫌い

大嫌い……


お母さんなんか大嫌い!!


真っ赤に塗り潰した紙は
心の叫びだった……


笑顔が消えた日。


メモ帳と紙を置いたまま
母の部屋を後にした。

軌跡‐23‐



お母さん

何で?……


結婚したら
一生添い遂げるものだと思っていた。

お父さんがいるのに……


許さない

絶対許さない。


今まで抑えていた感情は
憎しみという形で溢れ出した。