軌跡‐25‐
わたしの所に来た。
(気付いたみたいやね……)
母は分かっていた。
母の中でわたしは
何を考えているか分からない、気の難しい子供。
そして誰よりも勘(感)の強い子……
「ルナ…… 何か見た?」
聞こえない振りをして無視した。
「……ルナ?」
母はそこにはいない
「……ルナ!!」
聞こえない
そこにはもう
従順だった娘の姿は微塵もない。
「 何??」
「見たの?」
「あたしは必要ないんでしょ?」
「な、何言ってんの!!」
「あたしがいなきゃ全てうまくいったのにね」
「………」
「邪魔だからあっち行け」
母と目を合わせる事は
1度もなかった。
軌跡‐24‐
その横に白い紙を並べた。
そして母の口紅で白を
真っ赤に塗り潰していった。
大好きだったのに
信じてたのに
お母さんの為に
頑張ってきたのに……
嫌い
大嫌い……
お母さんなんか大嫌い!!
真っ赤に塗り潰した紙は
心の叫びだった……
笑顔が消えた日。
メモ帳と紙を置いたまま
母の部屋を後にした。