手ごたえある幸せを実感できる瞬間 | だれも書かない★ニューヨーク1%未満★

だれも書かない★ニューヨーク1%未満★

日本からは見えにくい、知られざるニューヨークやニューヨーカーのこと、たまにプライベートなことを書いています。



マイクロソフト社のエグゼだった、ジョン・ウッドが、

マイクロソフト社の仕事と、何不自由ない生活、結婚を約束していた恋人を棒に振ってまで選んだ道は、

恵まれない国で生まれ、満足な教育の機会を与えられていない子供たちのために、学校を建て、図書館を作り、最終学歴まで奨学金を支給するアメリカベースのNPO、Room to Read 、設立でした。


そして2002年以来東京在住のスーザンが、そのジョンの意志に感動し、

「Room to Readの日本チャプターを設立する」と宣言したのが1年半前でした。


今回のパーティはそのスーザン主宰による3回目のものでしたが、何がうれしかったかというと、

毎回、少しずつですが、日本人の方々の参加が増えていることです。


人間って、元来だれもがジキルとハイドの両面を備えている、とわたしは常々考えています。

つまり、だれだっていい面と悪い面、欠点と長所を兼ね備えている。


それが人間というものの真の姿ではないでしょうか。


そしてどんな人にも、英語でいうCompassion、つまり本当に気の毒な他人を見れば、理屈ではなくなんとかしてあげたいと思いやる気持ちがDNAレベルで備わっていると信じています。


もしかしたら、育った環境や教育、躾などで、そのCompassion が実感できない方もいらっしゃるでしょう。


けれどそれは「欠如している」のではなく、「まだ潜在的なレベルに潜んでいるだけ」だと思います。


アメリカ人は、そんなCompassionの芽をみつけては、針小棒大に褒め、どんどん引き出すのがとても上手。


その手法をとても上手くチャリティに生かします。


その具体的な手法のあれこれを抜群のリーダーシップでお手並み拝見させてくれるのが、ジョン・ウッドでありスーザン・ロッジだと思います。


Room to Readが紹介する途上国の子供たちの顔にははじけんばかりの明るさがあります。

それはジョンのポリシーであり、暗い顔、悲しみだけを引き出す写真は、その子供たちの尊厳のためにも決して紹介しません。


確かにアフリカなどの悲惨な状況をあまり赤裸々に写真で見せられると、Compassion以上に罪悪感、絶望感で圧倒され、却ってこちらの気持ちをも沈痛なものにし、行動力すら萎えてしまいます。


Room to Readは子供たちの「学べることの楽しさ」への真の感謝、喜びをストレートに表現します。

それがわたしたちのCompassionへの何よりのご褒美にもなるのです。


世の中には、マザーテレサのようにCompassionのためなら自分を犠牲にし、無に徹してもその道を突き進める稀有なすばらしい人もいます。


けれど、ほとんどの人間は、煩悩も、あらゆる欲も兼ね備えています。

大切なのは、その自分の煩悩を否定したり、恥ずかしいことと考え、排除しようとする必要はないと知ることです


最初の一歩は、自分が無理なくできる範囲、つまりそのまま長く継続できるレベルはどこなのかを見極めること。そしてとりあえず第一歩を踏み出してみることではないでしょうか。


1千万円以下の年収の方なら、その1%でもいいではありませんか。

そして残りは、好きに自分のために使ってもいいではありませんか。

肝心なのは継続すること。

継続できるレベルで少しだけ我慢し、がんばってみること。


わたし個人は、今回の帰国は、夫のフリーマイレージで実現しました。

だからその分 x 2 を、ネパールの女子10年間分の奨学金として寄付することにしました。


度を超えた無理は禁物です。


わたしも、他に娘の学校のキャピタルキャンペーンへの寄付、夫がかかわっている中東和平に関する組織への寄付、Inwood House へのボードメンバーとしての多大な責任など、たとえ今年のボーナスが減少することを見越しても、果たさなくてはいけないことは山積みです。


でも、この笑顔を見ると、ほんの少しでも自分が彼女たちの未来を大きく変えるカギを握っているということに、爽快な喜びを感じるのです。

自分のCompassionの琴線に触れたことを行動に移すことで、こんな気持ちを味あわせてもらえて、感謝したいのはこちらです^^


カトマンズから3日間、寝袋をもってトレッキングしてたどり着いた村。

スーザンとジョンは他数名のボランティアたちとRoom to Read創立以来5千の図書館をオープンしたお祝いのセレモニーに参加しました。

現地の村をあげての歓迎ぶりの様子です。




さて、


31歳の男性だとおっしゃるAkucchan さんはジョン・ウッドの本に感動し、この日のパーティに参加してくださったそうです。


パーティは「度肝を抜かれる」もので、いろいろな人と知り合え、めちゃくちゃ楽しいものだったということです。


ベルRoom to Readチャリティパーティ  ←Akucchanさんの印象はこちらへどうぞ。




また、サンフランシスコ在住のThomasさんは、わたしのブログからRoom to Readを知り、自分も役に立ちたいと、英語&日本語両方のレジュメをお送りくださいました。


Thomasさんの営業畑でのすばらしい業績はきっとRoom to Readの財産になると判断し、ただちに本部のほうにご連絡しました。


今、すでに彼女はサンフランシスコで活動を始められたようです。

Thomasさん、ありがとうございます!


ベルThomasさんのRoom to Readへの挑戦  ←すばらしいです。


お礼をこめて、花束をかけてもらったRoom to Readのメンバーたち。

3日間のトレッキングの疲れも吹き飛ぶ歓迎ぶり。この後姿はスーザンです。



なぜ女子に奨学金を与えるのか。
文盲の子供たちの母親はやはり文盲である確率が高いからです。
母親が子供のために本を読み聞かせることができないからです。
一人でも多くの女の子が、子供に本を読んであげられるお母さんになれば文盲も減る。

Room to Readではそう考えています。

小口の寄付も大歓迎です。

Room to Readの経費はさまざまな工夫をすることで約16%に抑えられています。


具体的なファイナンシャルステートメントもご覧になれます。

詳しくは、Room to Read HPへ