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2007.12.28 Akucchan
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2012-05-27 23:48:25

母子の絆と父子の絆

テーマ:日記 Diary
次男の誕生から4日目。妻の出産入院は今日で5日目です。
これに伴い、私と長男の二人暮らしも5日目となっています。

以下、今回の妻の出産入院で、母子と父子の関係から見て、気づいたことを簡単に。

Akucchanが世界をゆく

【弟を見つめる兄】

①母子の絆
やはり子供を自分のおなかを痛めて産んだ母親と子供の絆というものは、父親にはない特徴があります。それは、限りのない包容力とでも言ったらよいでしょうか。子供にとって母親はとにかく無条件で愛情を与えてくれる対象であることです。

3歳になる長男は、生まれてからずっと母親と付き添っています。その母親がいないことは、彼には相当大きなストレスになっているようです。毎日、病院から家に帰るときは、泣いてしまったりして、不安な様子です。

これは、毎日、仕事で家を出てしまう父親に対しては見せない態度です。「パパがいない」のは耐えられても、「ママがいない」のは耐えられない。

幼い子供にとって、いつも心の拠り所になって、無限の安心感を与えてくれるのは、母親しかいないことが、よくわかりました。

このママ至上主義とも言える子供の態度は、父親にとってはちょっと妬ましいことかもしれません。しかし妊娠、出産、子育てと、多くの時間と努力、愛情を注いでいるからこそ、母親が得る子供からの信頼は、絶大なるものであります。むしろこうして、長男が母親の一時的な不在を嘆くことは、それだけ健全な母子の絆を築いている証拠と見てよいと思います。

妻がちょっとうらやましいけど、そんな強い信頼関係ができていることがうれしいです。

②父子の絆
とくに男の子の父親の場合、父親は威厳をもって、子供のしつけをする立場にあると思います。母がアメであれば、父がムチという位置づけでしょうか。

父親は、もちろんいつもムチであるわけではなく、母親と同じく、ほとんどの場合、子供に対して愛情を注ぐことは変わりませんが、何か乱暴なことをしたりしたとき、厳しく叱る父親の父性というのは、子供の教育には大切な役割だと思っています。

男の子の場合、母子との関係との大きな違いは、父子が友達のような関係にもなることです。体を使ったダイナミックな運動や、自然と触れ合う探検心あふれる遊びを、リードして体験させてあげる役目は、父親の方が適しています。

私も自分の父と一緒に、海や山でどれだけ一緒に遊んだか、数え切れないくらいの思い出をもっています。父子は、親子であると同時に、男同士の親友でもある。そんな風に思います。

これから男兄弟を育てる私にどれだけのことができるか、わかりませんが、二人とも立派な大人の男になるよう、しっかりと父親役を実践していく所存です。
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2012-05-26 22:14:23

兄弟愛

テーマ:日記 Diary
次男が生まれて2日が経ちました。母子共に元気に健康に過ごしているようで、安心しています。今日も長男(3歳)とお見舞いをしました。長男本人が希望するので、赤ちゃんを抱っこさせてあげると、とても喜んで抱いていました。

私は2年違いの二人兄弟です。子供たちは、4年違いの二人兄弟になります。まだまだ甘え癖の抜けない長男ですが、次男の誕生とともに、急速に兄貴としての自我が芽生えてきているようです。

腕っぷしが強く、負けん気の強い長男は、幼稚園でもワイルドな性格で、名を馳せています。ケンカは常勝。年上の子たちにも、平気で立ち向かっていく、ケンカっぱやい性格です。

果たして、そんな子が自分の弟をかわいがることができるのか。親としては少し心配している面はあったのですが、それは全くの杞憂になりました。

毎日、弟のことを「かわいい」と言って、いたわっています。まだ触れられる時間は少ないし、当の赤ちゃんは首が据わらないので、大人のサポートが必要ですが、積極的に抱っこをしたがります。

私は歳が近いせいか、弟とはケンカばかりしていましたが、大人になってからは、お互い信頼し合える良い兄弟関係を築いています。この子たちも、私たち兄弟以上の、兄弟愛を築いて、それぞれの人生を豊かにしてほしいと思います。

Akucchanが世界をゆく-兄弟愛

2012-05-25 23:02:33

子育てというお仕事

テーマ:日記 Diary
昨日の次男誕生の興奮も冷めやらない、誕生2日目です。

長男誕生のとき、妻と長男は病院に入院しているので、私は一時的に一人暮らしをしておりましたが、今回は長男がいるので、父子の二人暮らしです。したがって、私が妻に代わって、長男の面倒を見ながら、家事を切り回すことになります。

朝食とお弁当を義母に用意してもらったので、助かりましたが、幼稚園の送迎と家事を同時にこなすと、短い時間にかなり多くの仕事量があることがわかりました。

9時の幼稚園お見送りから、13時のお迎えまで、4時間あります。整形外科のリハビリに行きたかったので、これで1時間を使うと、残りは部屋掃除、赤ちゃんの生活準備(ベッド組み立てなど)、昼食などで、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

長男を引き取り、帰路、食料、日用品のお買い物。帰宅後は、長男にアニメを見てもらっている傍ら、風呂掃除などの家事をやっていたら、もう夕方になっていました。

それから病院へ行き、お見舞い。長男は初めて次男の体に触れることができ、うれしかったようです。今日は短い、お見舞いになりましたが、着実に兄としての自覚が芽生えているようです。

お見舞いから帰宅したら、もう21時手前。風呂に入って、就寝です。

家事と子育てに追われた一日を終えて、妻がこれまで普通にこなしてきた主婦の仕事の多さを実感することができました。もう少し時間的に余裕があって、悠々自適な生活を送っているのかと思っていましたが、そんなことはありませんでした。

これから次男の子育ても加わるとなると、仕事量が増すのは、確実。かなり大変になってくるでしょう。しかし一方で、オヤジがしっかり稼いでくることも重要。家庭のオフェンスが外で働くことで、ディフェンスが内で働くことだとすれば、私が前者、妻が後者。夫婦お互い支えあいながら、どちらのお仕事もきちんと成果を出していきます。


Akucchanが世界をゆく

【長男が幼稚園で使っているバッグ】

2012-05-24 23:32:07

次男誕生

テーマ:日記 Diary
2012年5月24日(木)13時9分、私たち夫婦にとって二人目の子になる赤ちゃんが生まれました。
体重3265g、身長49.0cmの元気な男の子です。

長男の出産のとき同様、立ち会い出産を行い、分娩のすべてのプロセスに立ち会いました。前回同様、妻は落ち着いて、慌てることなく、赤ちゃんを生むことができました。本当に強い母親だと思います。彼女の努力に感謝しています。無事に生んでくれて、ありがとう。

次男の誕生後、すぐに次男を抱きました。長男のときと同じで、軽くて、小さくて、かわいいです。生まれた瞬間に大きな声を上げ、元気いっぱいです。明るく健康に生まれてきてくれた次男にも感謝したいです。生まれてくれて、ありがとう。

次男が生まれたとき、幼稚園にいた長男は、病院に来て、ガラス越しに自分の弟との初対面を果たしました。3歳になる彼は、ママのおなかの中に、赤ちゃんがいることを理解し、いつ生まれるのか、楽しみにしていました。その赤ちゃんを目の前にして、彼は幼いながらも、喜びを感じているようでした。今日の出来事は彼の脳裏に焼きついて、小さいときの思い出として残ると思われます。

長男がいつも元気で、明るく、私たちの家庭をにぎやかにしてくれることは、私たちの幸福度を上げるのに絶大な効果を発揮しています。また彼が健康で素直に育ってくれているからこそ、次男が生まれることへの期待、希望が高まったことは間違いありません。まっすぐに育ってくれている長男にも感謝したいと思います。ありがとう。

次男の誕生は、私たちの家族の大きなバックアップに支えられています。私の母、妻の両親、祖父母は、みな物心両面において、多大な協力をしてくれています。いつも本当にありがとう。

ただ一つだけ心残りであることは、私の父に次男の顔を見せてあげることができなかったことです。去年の夏、妻がこの子を身ごもったことがわかった後、10月に父はこの世を去りました。父は自分がこの赤ちゃんを見ることは難しいであろうことを私たちに語りました。その上で、赤ちゃんの誕生を素直に喜んでくれたことは忘れられません。

父から受け継いだ命は、長男に続いて、次男にもバトンタッチされました。私を男らしい男に育ててくれた父は、父親のすばらしいお手本でした。父から教えられたことは、今、長男の子育てに大いに役立っています。きっと次男の子育てにも良い利益をもたらすでしょう。

今は天国にいる父に、一生懸命に私を育ててくれたことを感謝しています。もう面と向かって、言葉をかけることはできなくなってしまったけれど、ありがとう。ずっとこの子たちを見守っていてください。

私は一期一会という言葉を大事にしています。ずっと一緒に長い時間を過ごす家族であっても、命と命のつながりという意味では、その出会いもまた、一期一会であることは間違いありません。だからお互いのことを大切に、真摯に生きていかなくてはなりません。

今日、新たに授かったこの命との出会いは、とてもすばらしいものでした。これから彼の一生と、私たちの一生を通じて、すばらしい時が送れるように、今日から4人の家族ライフをスタートします。

これからも引き続き、みなさまの応援をよろしくお願いします。

Akucchanが世界をゆく-次男を抱く私

2012-05-23 05:56:54

ブログは人の為ならず

テーマ:日記 Diary
今日の計画出産を控え、4年前の長男の出産のときのブログを読み返しました。
そして2008年8月28日の記事 を読んで、このブログを始めたきっかけを思い出しました。

今日は最高に良い気分なので、
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2007.12.28 Akucchan


私のブログの冒頭には上記のように書かれていますが、
2007年12月28日にこのブログを始めたのは、
その日、妻の妊娠がわかったからでした。

この日から自分の心の有り様、家族の心の有り様を記録しようとして、
約1年間、ブログの毎日更新を継続していました。

ブログ開始から約4年半が経とうとしています。
今ではFacebook、Twitterが日本でも普及して、ブログの位置づけが変わりました。
最近は気軽に使えるFacebookやTwitterに自分の思ったことを書くばかりで、
ブログに書く機会が減ってきています。

正直なところ、ブログは公開が原則であるため、情報の出し方に気をつける必要があり、
記事の更新が面倒な点があります。
またこうした記録は上記のSNSに記録してしまえば、
機能的に補完できて、問題はないという考え方もあります。

しかしこうしてブログを読み返してみると、SNSではなくて、ブログだからこそできる、
情報の残し方があると感じました。他人への情報発信としての役割もありますが、
自分、もしくは自分の家族のために残す日記としての機能。

この機能を果たすのは、SNSよりもブログのほうが優れているかもしれません。
もし、私の子供たちが、将来、自分の誕生のルーツをたどるうちに、
この記事を読んだら、どう思い、どう感じるのでしょう。

きっと、自分が生まれたことをとても祝福してくれている両親や親戚、友人の
心情を知って、感謝してくれるでしょう。そのように感謝してくれたら、この記事を
書いている私にとっては、至上の喜びです。

そのような可能性のあるブログ。

ブログは人の為ならず

我ながら名言かもしれません。
2012-05-23 05:38:20

いざ出産へ part2

テーマ:日記 Diary
しばらくぶりのブログUPです。
今日、妻が計画出産のため、入院します。

第一子の長男も計画出産だったため、
促進剤による出産には抵抗がありません。
むしろ、妻も家族も準備を整えて、
出産を迎えることができるので、便利な方法だと考えています。

長男の出産の日のブログ(2008年9月2日「誕生!」 )を読み返してみると、面白かったです。
当日の気持ちがよみがえってきて、どのように対処すべきか、
何が足りなかったかが、見えてきます。

促進分娩で今日、生まれるかどうかは、わかりませんが、
夫婦いっしょに新しい命の誕生に向けて、精一杯がんばります。

緊張と余裕のバランスの取れた、精神状態です。
きっと良い報告ができるでしょう。
2012-03-11 00:30:05

セミナー「オープンエデュケーションがもたらす人材革命」

テーマ:日記 Diary
これまで読んできた本の中でも、とくに刺激を受けた2冊の本の著者、「ウェブで学ぶ」の飯吉透先生と、「グローバルキャリア」の著者、石倉洋子先生がオープンエデュケーションについて対談をするということで、六本木ヒルズで開催されたセミナーに参加してきました。

ウェブで変わりつつある、教育の形。MITでオープンコースウェア(OpenCourceWare, OCW)の立ち上げや運営に携わった飯吉先生が、世界のオープンエデュケーションの現状と、日本の教育の課題について熱く語られました。両先生の教育に対する熱意、会場の教育と学習に対する熱意が絡み合って、とても刺激的で学びの多い2時間となりました。以下、レポートします。盛りだくさんの内容をできるだけ広く共有できるよう、聞きとれたことはできるだけ掲載し、付属する情報のリンク先もつけました。冗長かもしれませんが、お付き合いください。

【概要】
オープンエデュケーションがもたらす人材革命
~ウェブによって世界中の人々に教育の機会が開かれる意味~
http://www.academyhills.com/school/detail/tqe2it00000gwtn4.html
日時:2012年03月09日 (金) 19:00~21:00
会場:アカデミーヒルズ49(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー49階)

プログラム:
①飯吉先生講演「オープンエデュケーションがもたらす人材革命」
②飯吉先生&石倉先生の対談およびフリーディスカッション

【オープンエデュケーションとは?】
講演の内容をレポートする前に、まずオープンエデュケーション(Open Education)という言葉がまだ日本では聞き慣れない言葉だと思うので、前述の本、「ウェブで学ぶ」からこの言葉の意味を拾います。
オープンエデュケーションとは、インターネットが普及しつつつある世界で現在進行中の、「学びと教え」を巡る素晴らしいムーブメントです。素晴らしい点は山ほどあるのですが、中でも「インターネットにアクセスできる人であれば、誰もがウェブによってもたらされた新たな学びや教えの可能性の恩恵を得られ、さらに互助的に貢献することもできる」という点が、何よりも希望に満ちています。「自分のおかれた環境で、利用できるもおのは何でも使って学んだり教えたりする」。これが、オープンエデュケーションの極意です。
(「ウェブで学ぶ」P.11)
つまり、インターネットを基盤として、自由に広がる教育のプラットフォーム。またはそれを作る活動と理解すれば、良いと思います。

【①飯吉先生講演】
では飯吉先生の講演について、箇条書きでポイントをまとめてみます。

・「ウェブで学ぶ」から2年経って
2年前に梅田氏との共著「ウェブで学ぶ」を上梓したが、当時、オープンエデュケーションは日本では広まらないと思っていた。2年経ってみて、実際に広がっておらず、やはりそうだった、という思い。残念ではあるが、それでもあきらめずに、この素晴らしい教育システムを普及したいと思っている。
(注)本書の刊行は2010年9月。

・情熱増幅装置としてのオープンエデュケーション
オープンエデュケーションのさきがけ、MITのOCWでは、無料で誰もがMITの授業を見ることができる。とくにルーウィン教授(Prof. Walter Lewin)の物理学の講義は、楽しく情熱をもって学ぶことのできる良い例。ルーウィン教授は授業に多大な情熱をかけているが、ほかのプログラムも非常に優れている。
(注)Prof. Lewinの講義ビデオは以下。とても面白いです。日本の講義ではありえないスタイル。私も学部は応用物理学専攻でしたが、こんな授業を受けたかったです。
http://ocw.mit.edu/courses/physics/8-01-physics-i-classical-mechanics-fall-1999/

・格差超越装置としてのオープンエデュケーション
世界中で拡大しつつある貧富の格差は、地域内、地域間で社会問題を生む原因にもなるが、格差を完全に解消することは現実的ではない。全ての人が平等な富を共有する社会は実現できない。しかし経済的に恵まれない人(低所得層、貧困層)に、平等な教育の機会を与え、格差を乗り越えるしくみの実現が可能である。オープンエデュケーションにはその可能性がある。

・Khan Academy
Khan Academyは、MITの卒業生、サルマン・カーン氏(Salman Khan)が始めた、オープンエデュケーションサイト。もともと、インターネットを使っていとこの女の子に数学を教えていたところ、その友人たちに徐々に輪が広がっていった。カーン氏が一人でコンテンツを作成しているが、すでに3000本以上のコンテンツが用意されており、その教育熱は狂喜的。梅田氏とも「これはすごい」と絶賛した。
http://www.khanacademy.org/

・オープンエデュケーションの3つの構成要素
オープンエデュケーションは、①オープンテクノロジー(技術)、②オープンコンテンツ(内容:ここでは教師、テキスト、教育方法などを含む)、③オープンナレッジ(知識)の3つで構成される。つまりインターネットを介した教育を実現する技術をベースとして、知識を、教える側から学ぶ側に伝える一連の流れを作るものである。ここでは知識(情報)をただウェブ上に置いただけでは、教育として不十分であり、職業、文化、教育レベルなど、異なる属性を持ち、異なる教育の目的をもつ人たちの個々のニーズに合わせた、教育の機会を普及する必要がある。

・カーネギーメロン大学 Open Learning Initiative
カーネギーメロン大学のプログラムは、自らの学習に対してフィードバックをかけることができるシステムとして優れている。
http://oli.web.cmu.edu/openlearning/index.php

・Connexions
ライス大学のRichard Baraniukらが運営している、Connexionsは、様々なオープンな教育材料を共有して、自分用にカスタマイズすることができるユニークな機能をもつ。例えばウェブ上で公開されているいくつもの教科書から、自分の好きな部分だけを取り出して、並び替えて自分用の教科書を作ることもできる。これを製本することさえできる。
http://cnx.org/

・iTunesU
iTunesUは、多くの大学がコンテンツを掲載しており、教材が豊富。とくにスタンフォード大学は、2005年にスティーブ・ジョブズが行った卒業生向けの有名なスピーチを含め、3億回以上のアクセスを記録している。
http://www.apple.com/jp/education/itunes-u/

・TED
TEDでは世界中の様々な分野の人が、様々な内容についてレクチャーしている。一つの内容が15分であるので、英語に不慣れな日本人でも比較的ついていきやすい。
(注)後のディスカッションで石倉先生も、非常に面白い内容が多いので、よく見ているとコメント。
http://www.ted.com/

・学習空間を共有する場を作る
教育の知識だけではなく、教える側と学ぶ側の間に生まれる教育の熱(雰囲気)みたいなものも保存して、共有できるようにしたい。例えば、明治時代、慶応義塾大学を創始した福澤諭吉が持っていた情熱や、その場の学習の雰囲気みたいなものを、異なる場所、時代の人にも共有できるようなシステムを作りたい。

・E, O, D, 3つの時代の移り変わり
アメリカの教育環境は、ウェブの進化とともに以下のような変遷を遂げてきた。

<Eの時代:1990年代>
e-コマース、e-ビジネスなど、電子的(Electronic)な情報流通により、ビジネス、教育など、社会の情報インフラが構築され始める時代。

<Oの時代:2000年代>

オープンソース、オープンシステムなど、ウェブベースの情報インフラに、オープンな情報の交換を行う場、プラットフォームが形成され、拡大する時代。

<Cの時代:2010年代(これから)>

Collaboration(共同)、Collectivity(集合)、Commons(共有、共通認識)、Cloud(クラウド)など、オープンな情報インフラを利用して、志(ビジョン)を共有する者同士がプロジェクト的に共同して、活動をしていく時代。
(※偶然の頭文字のキーワードでくくることができる)

以上の状況に対して、現在の日本の大学教育は、10年、いや20年ほど遅れているといってよい。東京大学が9月入学制度で、大学教育の立て直しを図ろうとしているが、日本の大学教育の遅れの状況は、そのような次元の話ではない。ちゃんちゃらおかしい。(→会場、笑)

・最後に
次世代の教育環境として、オープンエデュケーションの環境を整えていきたい。
アメリカの教育者、ジョン・デューイの言葉を借りて、その可能性について、こんなことが言える。
“If we teach today as we taught yesterday, we rob our children of tomorrow.”
「もし過去と同じように、今日も教えていたら、私たちは子供たちの将来を奪ってしまうだろう。」
これを学びになぞらえると、
“If we learn today as we learned yesterday, we rob ourselves of tomorrow.”
「もし過去と同じように、今日も学んでいたら、私たちは自らの将来を奪ってしまうだろう。」
となる。ぜひ教育者はオープンエデュケーションの普及に協力をしてほしい。また学習者はオープンエデュケーションで情熱をもって学習してほしい。

【感想】
講演の後の両先生の対談、会場とのディスカッションは白熱。終了時刻の21:00を過ぎても、まだまだ続けられそうな勢いでした。ディスカッションの内容も掲載したいところですが、ここでは割愛させていただきます。

「ウェブで学ぶ」が刊行されたのが、2010年9月でした。私のブログを読み返すと、その1カ月後、本書を手にしていたことが記されていました(2010年10月25日記事 )。オープンエデュケーションの可能性に興奮を覚え、MITのOCWを観て、衝撃を覚えたことを今でも覚えています。

そのオープンエデュケーションの先駆者である飯吉先生の言葉は、とても情熱がこもっていて、この新しい教育スタイルが21世紀の教育方法の一つとして大きなポテンシャルを持っていることを改めて感じました。私はエンジニアを職としていますが、一人の学習者としてこの教育インフラを利用したいと思います。また子をもつ親としては、子供が自律的に学習するインフラとして使ってもらいたい、そのためのアドバイスをしたいとも思います。

私は荀子の言葉、「学不可以已(学以て已むべからず)」という言葉が好きで、座右の銘としています。セミナーの中でも、一生学び続ける姿勢を持つことの重要性が何度も語られましたが、オープンエデュケーションは世界中の向学心をもつ人々に機会を与える素晴らしいプラットフォームになるであろうと信じています。

セミナー後、再度、「ウェブで学ぶ」を読み返してみたところ、今回のセミナーの多くの内容が本書の中で触れられていることを確認しました。そういう意味では、刊行から1年半経ったものの、本書はまだまだその鮮度を保っており、とくにオープンエデュケーションの未開の地、日本においては、学ぶところの多い本です。セミナーで得た情報と本の情報から、自分のニーズに合いそうな点を抽出して、自分の学習に生かしていこうと思います。

今回のセミナーは有料でした。正直なところ、ちょっとお高かったのですが、十分にその価値のある授業でありました。オープンエデュケーションというバーチャルに関するお話しであったわけですが、飯吉先生、石倉先生という教育のビジョナリーにリアルな場で会うことで、学びに対する気持ちの高まりを感じました。これは皮肉なことに思えるかもしれませんが、むしろウェブの価値の一つだと言っていいと思います。

つまりリアルな場と、バーチャルな場がそれぞれ相互作用しながら、一つの方向性に向かって(ここでは「学びと教え」)、志を共有し、何かを成し遂げる力があるということです。最近はオープンイノベーションを事業のドライビングフォースとしているグローバル企業が多くありますが、この点でも遅れている日本の企業の中で、何かできることがないか、模索していきたいと思います。

【今日の本】
セミナーでも紹介されていた本2冊のほか、梅田氏と斎藤孝氏(明治学院大学教授)の教育に関する本と、柳川範之氏(東大教授)の独学に関する本もリストアップしておきます。

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)/梅田望夫・飯吉透
今回のセミナーのベースとなった本です。

グローバルキャリア ―ユニークな自分のみつけ方/石倉洋子

世界で活躍できる人材になるためのヒントが散りばめられた良書。
この本で石倉先生のファンになりました。

私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書)/齋藤孝 梅田望夫
教育のあり方、学ぶ場の作り方に関する、齋藤氏と梅田氏の対談がベースとなった本。
仲間同士で学ぶことを楽しむ教室を「祝祭的な場」とした齋藤氏の考えに強く同意。

独学という道もある (ちくまプリマー新書)/柳川 範之
高校を卒業せず、大検を経て、大学に入り、ついには東大の経済学教授になった柳川教授の独学に関する思いを募った本。学びに対する強いメッセージがこもった一冊。

【参考情報】
両先生のサイト、ツイッターも今後の情報の参考になりますので、掲載しておきます。

・飯吉透先生
公式サイト(英語): http://www.toruiiyoshi.com/en/Home.html
ブログ(日本語): http://d.hatena.ne.jp/toruiiyoshi/
Twitter: @iiyoshi

・石倉洋子先生
ブログ: http://yokoishikura.com/
※3月10日(翌日)に早速、セミナーのレポートが出ました。
Twitter: @yokoishikura
2012-03-04 10:54:53

セミナー「ゆるぎない軸をもった自分になるために」(第2回)

テーマ:日記 Diary
去る3月1日(木)、日経ホールで開催されたセミナー、「ゆるぎない軸をもった自分になるために」に参加してきました。講演者は、元伊勢丹のバイヤーで、テレビなどでもお馴染みの藤巻幸大(ふじまきゆきお)氏と、「残念な人の思考法」などの著書で有名なコンサルタント、山崎将志氏。

藤巻氏は数年前からテレビで知っていた上、「人脈の教科書」という本を読んで、共感を得たことがあったので、話を聞きたかった人の一人。ちょっと早く会社を抜け出して、大手町まで駆けつけましたが、よい話を聞けました。以下、レポートします。
プログラムは以下。
「ゆるぎない軸をもった自分になるために」
~自分らしさを生かしたキャリアの築き方~
http://adnet.nikkei.co.jp/e/event.asp?e=00710

19:00~19:50 第1部講演
テーマ : 「自分ブランドを確立しよう」
講師 : 藤巻 幸大 氏 (株式会社シカタ 代表取締役プロデューサー)

20:00~20:30 第2部講演
テーマ : 「『自分軸』発見の3つの質問」
講師 : 山崎 将志 氏 (ビジネスコンサルタント)
以下、藤巻氏の講演が面白かったので、こちらを中心に書きます。

まず藤巻氏が登壇した際の印象から。

大変に失礼ですが、ふつう~のおじさんです。むしろ、ステージの袖から出てきて、演壇に立つまでの歩き方は、ちょっとチンピラっぽい。もちろんデザイン業界のプロですから、スタイルはかっこいい。とくに眼鏡はおしゃれ。でももしこの眼鏡がサングラスだったら、多分、歌舞伎町辺りにいそうな、恐い人。新宿の伊勢丹よりも、コマ劇周辺の匂いがしました。

しかし、話し出すと、一気にこの印象が変わります。これまで本やテレビで感じていた印象のとおり。ものすごい人を引き付ける力のある、魅力的な人でした。これぞ、「フジマキブランド!」というお話は50分という枠では短すぎました。

【自分ブランドを育てる4つのポイント】
(※注:講演最初は、3つって言っていたが、途中で増えた。)
①ブランド(=中身またはコンテンツ)の良さ
②見せ方
③PR(宣伝活動)
④コミュニケーション
(おそらく③と④がかなり重複する)

①ブランドの良さ
 
数々の服飾ブランドに携わってきた、藤巻氏の考える自分ブランドの価値は、「洋服の8要素」につながるそうです。
【洋服の8要素】
(1)色
(2)柄
(3)デザイン
(4)素材
(5)機能
(6)使い道
(7)サイズ
(8)価格
洋服のブランドは、これら8つの要素を、顧客の視点に立って、良い状態に保つと、価値が高まるそうで、それは人物ブランドにも当てはまるそうです。

(1)色
色というのは、その人の持つ、個性。目立つ色でも、目立たない色でも良いそうで、その人の持つ良さが、正に色になるそうです。この色をしっかり持って、出していくことがまず重要。

(2)柄
藤巻氏は伊勢丹退社後、イトーヨカ堂の取締役執行役員衣料事業部長を務めていたことがあります。そのときの経験で、「長く売れるものは、本物だ」という視点を得たそうです。つまり昔も今もオーソドックスな良い柄(スタイル)というものがあって、それを中心に据えると、売れる衣料品店になるそうです。人物に直せば、奇を衒(てら)わないで、本質的な部分を強化するということでしょう。

(3)デザイン
50分の講演で、おそらくここに一番の力を入れて話していたと思います。「デザインの良し悪しは、場数を踏んで、学習して欲しい」というのがポイントでしょう。また良いデザインを知るために、「本物の人たちから学べ」というのも、もう一つのポイント。総じて、「貪欲に挑戦をして、失敗から学ぶ。本当にすごい人たちを見て、会って、話して、そのエッセンスを取り込む。」ということです。この2つが今回の講演の「自分ブランドを確立する」ためのレッスンの重要ポイントでした。

(4)素材
「イタリアの服はなぜ高いのに、売れるのか?」その答えの一つが、素材だそうです。イタリアの服は、日本の服に比べて、縫製がうまくなかったり、素材の耐久性が悪く、洗濯すると、すぐにヘタってしまうものも多い。それでもなぜ高い値段で売れるのか?
それは顧客に「欲しい」、「着てみたい」と思わせる、素材で出来ているからだそうです。顧客に魅力のある素材をもつということです。

(5)機能
その機能、もしくは品質が顧客(ここでは友人。会社の上司、同僚。学校の同級生ほか、すべての人間関係のある人を指す)にとって価値のあるものかが重要。相手にとって、プラスの価値がないと、ブランド力は低下するということ。

(6)使い道
ここはあまり語っていなかったけど、どのような価値を自分が他人に提供して、全体として、どんな価値のあることを生み出すか、という点。

(7)サイズ
洋服は大きすぎても、小さすぎでもダメ。ちょうどよいサイズを、顧客の要望に合わせてカスタマイズすることが重要。これは人の付き合いの上で、適度な距離を保つということかと思います。

(8)価格
自分ブランドの価格というのは、ちょっと考え方がむすびつかなかったのですが、ブランド力を生かして、仕事をしたときに、商品やサービスの価格を適正に保つということだったと思います。濡れてに泡で、必要以上に儲けることを戒めているようでした。

②ブランドの見せ方

モノの見せ方について、ビジュアルマーチャンダイズ(VMD)という言葉を使っていました。日本には、鯖江のメガネ、今治のタオルなど、たくさんの良い商品がある。これにどんどん付加価値をつけて売れば、(世界中で)売れて経済の発展につながる。

例えば、イトーヨカ堂で衣料品売り場の改善に携わったときは、売り場のバックミュージックに、「サザエさん」がかかっていたことがありました。この曲がかかるときは、レジに人が足りないから、従業員がレジに集まるようにするサインとしていたそうですが、このようなやり方は、顧客視点に立っているとは到底思えない。買いたいと思う、雰囲気作りが下手なのです。イトーヨカ堂では、音楽を変えるなどの売り場の改善で、売り上げの改善ができたそうです。

これを自分ブランドに置き換えた場合は、自分という人物の見せ方を良くする。雰囲気を作るということのようです。

③ブランドのPR

藤巻氏がビジネス上で付き合っているフランス人に言わせると、日本人はマーケティングとPR(広報活動)が下手なのだそうです。最近、韓国に行くことが多いが、韓国の観光地に行くと、外国語の案内が豊富で、外国人でも旅行がしやすい。観光産業のPRの仕方がうまい。一方で、日本にはたくさんの観光資源があるのに、うまく生かせていない。

観光PRのアドバイスのために、広島に行ったとき、未だに島田洋七の「もみじまんじゅう」のギャグを使った広告があって、とてもがっかりした。これでは日本人でも理解できないし、外国人にとっては理解不能だ。

ブランドの中身をしっかりと顧客、消費者に伝えるコミュニケーションが必要ということでした。

④コミュニケーション

③のPRにつながる部分が多いのですが、自分ブランドの確立のためには、人との付き合いが重要。そのためにコミュニケーションを大事にすることが重要だそうです。例えば、人と会って、良い話を聞いたりしたら、お礼のメールや手紙を書くといったことをきっちりと行う。相手に自分の存在を認めてもらう活動をこまめに行うことが、人的ネットワークを作る基本になるそうです。

最後のまとめで話していたことは、リーダーになるような人の要素は、素直さ、元気さ、明るさだそうです。この3つの要素をもっている人には、仕事を任せたくなるし、一緒に仕事をしたくなる。地味かもしれないけど、重要な観点かと思います。

【感想】

藤巻氏のトークは、正に「立て板に水」。付き合いのあるタレントのビートたけし氏にも、「あんたはお笑い芸人に向いている」といわれるほどの人物。面白い話が次々と出てくるので、話に引き込まれます。

しかし自ら「口が悪い」という藤巻氏は、講演中でも本当に口が悪い。「え~、そんなことまで言っちゃうの?!」と思うのですが、それが嫌味でなく、適度なウィットを含む言葉であり、人を傷つけるものではない。言葉の端々から、氏の懐の深さを感じました。

講演中に引き合い(犠牲?)に出されたのが、伊勢丹の元上司で、現役員の○○氏。新宿伊勢丹といえば、おしゃれな服のデパートの代名詞ですが、それとは裏腹に相当な体育会系の会社だそうで、しっかり仕事をやらないと、上司のローキックが飛んでくることもしばしば。昼までにノルマを稼げないと、昼休み5分という罰(イジメ?)もあったそうです。

その厳しい上司○○氏とは、毎日、仕事で本気にぶつかっていたそうで、気まずくなったこともあるそうです。しかし情熱をもって付き合ったおかげで、お互い信頼するようになり、退職後の今でも可愛がってもらっているそうです。これも良いブランドを築き上げたストーリーの一つですね。恩人すらネタの一部にしてしまうところは、氏と元上司に十分な信頼関係があるからで、フジマキブランドの信頼によるところなのだと思います。

「人脈の教科書」にもありましたが、自分ブランドを築くために重要なことは、まず自分のプロフェッショナルとしての能力を築くこと、次に自分の能力を認めて、一緒に協力をしてくれる仲間を作ること。いろいろなお話が出てきましたが、要点はここにあると思いました。今回は貴重なお話を聞けて、刺激を受けました。少しでも価値のある自分ブランドを築けるように、毎日励んでいきたいです。

【今日の一冊】
人脈の教科書~図解フジマキ流シビれる人生をつくる~/藤巻 幸夫
¥1,575
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※ちなみに藤巻氏は、幸夫という名前から、幸大と名前を変えたようです。
2012-02-27 23:30:21

図解勉強会参加レポート

テーマ:日記 Diary
2月26日(日)、親友、多部田憲彦くんが主催する、図解改善の勉強会に参加してきました。多部田くんとは、私が今、努めている会社に2002年に一緒に入社した同期仲間。彼が5年前に、ほかの自動車メーカーに転職してからも、仲良くしており、その縁もあって、勉強会に参加しました。

図解改善とは、ある仕事上の問題(プライベートも適用可)に対して、原因の分析や問題解決策を考えるために、図を利用する方法です。多部田くんは、入社間もない新人のころ、タイの工場で言葉の壁により、コミュニケーションがうまくいかなかったとき、図解により問題解決ができたことがありました。この経験を元に、自ら図解改善士と名乗り、図解改善によって仕事に悩めるビジネスマン、ビジネスウーマンを助ける勉強活動を続けています。

今回は、一年半ぶり二度目の参加になりましたが、再び多くの学びを得たので、レポートします。

【プログラム】
勉強会のプログラムは以下のとおり。

09:30~09:45 勉強会の趣旨説明
09:45~10:00 KJ法(*)を使って、自己紹介
10:00~10:50 ワークショップ1(課題を共有する)
10:50~11:00 各グループから課題のシェア
11:00~11:30 ワークショップ2(解決策を共有する)
11:30~11:40 各グループから解決策のシェア
11:40~11:45 まとめ

【メモ】
参加者は30名前後であったそうです。参加者の業種は多岐に渡り、年齢層も20歳代から50歳以上の方もいらっしゃったようで、バラエティーに富んでいました。

図解改善は、誰にでもわかる簡単な方法で、アイデア出しやコミュニケーションに利用できます。多部田くんは、簡単なスキルであるからこそ、理論よりも実践を重視した勉強会を標榜しているそうです。今回は私を含めて、5名のメンバーで、仕事上の課題を挙げて、解決策を検討するワーキングを行いました。

私のグループのメンバーの構成は以下。
Tさん:部品メーカー経営
Kさん:バイオメーカー経営
Tさん:マーケティングコンサルタント
Sさん:製造メーカー生産管理職(実は会社の後輩)
私:製造メーカー研究開発職

①自己紹介

「職業」、「出身地」、「趣味」の3つを、手のひらの半分くらいのポストイットに、1枚ずつ別に書いて、これをメンバーに示しながら、自己紹介をしました。

②ワークショップ1:課題の共有

メンバーが抱えている仕事上の問題点を考え、3つにまとめて、ポストイットに書き出します。私は「技術開発のスピードが遅い」、「利益率の高い商品がない」といった問題を挙げましたが、ほかの方からは、「経営理念(ビジョン)が明確でない」、「社風が定まらない」といった経営レベルの問題から、「職場間のコミュニケーションがうまくいかない」、「契約以上の業務を強いられる」といった現場レベルの問題まで様々でした。

次に抽出した、5人x3個=15個の問題点に共通点がないかを探し、グループ化していきました。最初はバラバラな課題なので、「うまくいくか?」とも思いましたが、階層構造(ツリー図)にして分けていくと、なかなかうまく分類ができました。

仕事上の問題は、組織の問題であり、多くはコミュニケーションの不足が原因であることもわかってきました。たとえば経営理念の問題は、経営層と現場層の間で組織の方向性に対するコミュニケーションができていない。契約と業務のすり合わせの問題では、自社と顧客の間で、明確なルールを設定するコミュニケーションができていない。というようなメカニズムです。

③ワークショップ2:解決策の共有

グルーピングで浮かび上がってくる問題の原因に対して、適当な解決策を検討しました。
例えば、
 ・納期遅れの問題に対しては、トラブルが発生した時点で、
  顧客や関係者に遅れの状況を伝えるコミュニケーションを行う。
 ・事業ビジョンの共有に対しては、社内カンファレンスの設置によって、
  経営層と現場層、もしくは組織間のコミュニケーションを行い、意識を合わせる。
といった対策が出ました。


Akucchanが世界をゆく


【最後にできあがった問題解決の図】
 ・黄色ポストイット:個々の問題
 ・青色ポストイット:問題のグループ
 ・赤丸つきポストイット:各問題に対する解決策

もちろんここで出た解決策が課題に対して、実効性のあるものかどうかは、やってみないとわかりません。しかし、こうしたシミュレーション(演習)で、アイデア出しと対策の整理ができることは、どこの現場でも適用できる簡易で有効な手段と考えてよいと思います。

④まとめ

最後に多部田くんは、以下のように図解改善法の効果をまとめていました。
期待できる効果
・課題を見える化し、相手にわかりやすく伝えることができる。
・他の参加者と課題について分かり合える。
その通りだと思います。

そして最後のQ&Aで、私が質問。

Q.(私)「図解で問題に対する対策の検討がうまくいくことはわかりましたが、実際に考えだしたプランを実行するのは難しいのではないですか?」

A.(多部田君)「そのとおり。アイデア出しは楽しいプロセスですが、問題の解決策の実行は苦しく、難しいプロセスです。対策の実施状況は、ポリスマン(計画の監視人)を立てて、厳しく目標達成まで導きます。」

Q.(ほかの方)「計画を監視しているときに、うらまれるようなことはないですか?人間関係が悪くなるようなことはないですか?」

A.(多部田君)「そうならないように気を使います。そのために聞くことが重要です。積極的傾聴をします。またこのほか、仕事が担当者の自己満足にならないように、ポリスマンを二重に立てるダブルチェックを行うこともあります。」

以上。

【感想】
2時間半ほどの勉強会は、参加者が積極的で、勉強熱心な方が集まっていることもあり、あっという間に終わりました。勉強会後の懇親会も議論が白熱。ここでも意見や情報の交換をされている方がほとんどでした。

こういった勉強活動を主催している友人の姿勢に改めて敬服。翻って、自分の立ち位置を見直して、「負けてはいられない」と切磋琢磨の気持ちを新たにしました。お互い建設的に向上する方向に刺激し合える仲というのは、ありがたい存在です。

>多部田君
今回もおつかれさまでした。これからもお互い、がんばりましょう。ありがとう。

【今日の一冊】

勉強会でも話題になった日産の会議手法に関する本。会議のやり方次第で、組織が変わるという実例にあふれた本です。
日産 驚異の会議 改革の10年が生み落としたノウハウ/漆原 次郎
¥1,575
Amazon.co.jp
【編集後記】

早速、勉強会翌日の今日、上司とのアイデア出しに図解を適用。良いアイデアが出て、うまくブレストをファシリテートできたことを報告しておきます。
2012-02-26 22:45:38

日経新聞「リーダーの本棚」古森重隆氏

テーマ:日記 Diary
今日(2月26日)の日経新聞朝刊、読書欄の「リーダーの本棚」が良かったのでレポします。

日経新聞ウェブサイト
http://s.nikkei.com/z312xU

本日の語り手は、富士フィルムホールディング社長、古森重隆氏。

Akucchanが世界をゆく

私が読書をしていて、ときどき不安になるのが、果たしてこれだけのコスト(時間、労力、資金)をかけて、本当に見返りがあるのだろうかということです。もちろん自分では十分なリターンがあることはわかっているのですが、スランプに陥ると、その信念が揺らぐことがあります。

読書が人生にとって大きな利益をもたらすことは多くの人が語っているところですが、今回の古森氏の言葉もその一つであり、私が目指している方向が間違っていないであろうことを確認できたことがよかったです。

まず目を瞠るのが、読書遍歴に挙げられている本のタイトル。

トップは、ウィンストン・チャーチルの「第二次世界大戦」。次にニーチェの「ツァラトストラかく語りき」。さらに松原久子「日本の知恵 ヨーロッパの知恵」、ウェイン・ダイアー「自分の時代」、ジェイムズ・エルロイ「LAコンフィデンシャル」と5冊が紹介されていました。

このリストからして、マニアックというか、相当な読書家であることが伺われます。とくにチャーチルの本に関して、半分くらいの紙幅を割いて、この本への思い入れを語っていました。

今何が起きているのか、これから事態はどう展開するのか。チャーチルの現状分析がすごい。英国は何をしなければならないか、結論を出したら、即座に断固としてやる。「人間は事実を見なければいけない。なぜなら事実が人間を見ているからだ」というチャーチルの言葉があります。事実とどう向き合うかに、その人の人間性が反映する。いわば実力を映す鏡だというわけです。

冷徹なまでの現状の分析と対策の実行は、相当な努力を強いることです。チャーチルのこの本は別の経営者も薦めていました。まだ読んでいないので、予定読書リストに入れたいと思います。

自分の信念を貫く姿勢は、読書によって磨かれた。

この言葉が、ぐっと私の心をとらえました。
「そう!それですよね!」
というところです。

冒頭にも触れましたが、仕事でもプライベートでも自分の調子が悪いときというのは、知的生産活動の質も落ちます。私の場合、読書に関してもそうで、調子の良いときはどんどん読んで、本の中にあるエッセンスを頭の中に吸収していけるのですが、調子の悪いときは、能率が悪いばかりか、そもそも読書なんかして、何の役に立つのか?と疑ってしまうことすらあります。

多くの読書経験を通して、読書の価値そのものを否定するようなことはなくなりました。調子の悪いときは、天気の嵐のようなものだと思って、やり過ごすようにしています。それは読書を一旦止めて、ほかのこと(たとえばブログ記事書きなど知的アウトプット活動、またはランニングなどの体力的活動)をするようにしています。

古森氏のコメントには上のような悩みは書かれていませんので、あくまで蛇足的な話なのですが、「読書には大きな価値がある」という点で、また一つの証拠を拾えた点が収穫でした。

今週の読書コーナーは、上に挙げた本以外にも、スティーブン・レヴィ「グーグル ネット覇者の真実」、クレイトン・クリステンセンほか「イノベーションのDNA」、辻村清行「モバイルパワーの衝撃」といった興味をそそる本が目白押しでした。

すでに課題読書となっている本が、机にうず高く積みあがっているので、すぐに入手というわけにはいきませんが、また書店でチェックする本が増えました。日経はこうした書評の質が高いので、好きです。日曜朝刊の読書欄と、水曜夕刊のエンジョイ読書欄は、見逃せません。

Don't miss it!

【今日の一冊】
第二次世界大戦〈1〉 (河出文庫)/ウィンストン・S. チャーチル
¥1,260
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