みな様、龍です
さて、前回ご紹介させて頂いた、
リュー・ドゥ・リュー初のコルセットのお話です。
今から25年ほど前、
パリで行われていたランジェリーの展示会で、
初めて本物のコルセットに出会いました。
そう、「CADOLLE」（カド―ル）でした。
それは、服飾系の教科書の、写真やイラストで見かけた、
コルセットと同じ曲線を描いていました。
争い難い美しさに、フラフラと、
ブースの中に入ってゆくと、
マダムがにこやかに迎えてくれました。
「Bonjour！」
そして、
「これを、トライしてみたいんだけど・・・」
と、マダムに言うと、
「えっ！あなたが試着する気？」という顔。
「ええ」
「ダメかしら？」
私の顔を見て、一息つくと、
仕方ないわね、と言う顔で、
「ウィ、いいわよ」と、マダム。
どうやら試着なんてする人はいないらしく、
フィッティングルームなんてありません。
「ここで着て」と、案内されたのは、
カーテンで隠された物置でした！
裸になって、コルセットを胸に当てがったのは良いのですが、自分で締めることが出来ません。
仕方なく、カーテンの隙間から背中だけを出して、マダムを呼びました。
「エクスキューゼモア！」
ことの次第を理解したマダムは、
慣れた手つきで、後ろからコルセットの紐を締めてくれました。
驚いたことに、全然苦しくないんです・・・
それどころか、背筋が伸びて、
胸が開いて、頭を支える首が、真っ直ぐに立つんです。
これが西洋人の身体なんだ・・・
自分が西洋人になったかのような身体の感覚でした。
日本人と西洋の人って、こんなに違うんだ・・・
衝撃でした。
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11月1日（金）～11月3日（日）
