1勝馬クラス?2勝馬クラス?3勝馬クラス? | リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

◆片岡勁太は実在しない「番組表」という虚像を読み解こうとするが我々は「競馬番組」の実体を解き析かす点で全く別物である。日本中央競馬会は、その名の下で施行される競馬番組の中で「何が勝っても構わないレース」の存在を許諾する事は皆無である。

 夏季競馬番組が稼働し、従前の500万下条件が1勝馬クラスと読み替えられ、1000万下条件が2勝馬クラス、1600万下条件が3勝馬クラスとそれぞれ便宜上、該当する事になる訳だが、実質的な運用がどのようになるのかは実戦の稼働を待たなければ判らないがイメージ先行的に論ずるならば、クラスシステムが余計に判りにくくなるように思われる。

 一般の競馬ファンにはどうでも良い事になろうが5歳以上馬には影響の程が少ないだろうが、馬齢限定から、古馬混合に切り替わる際には、重賞2着歴はどう見ても1勝とは数えないのだから当然の話になる。
 これは、降級制度が廃止になる以前からそうであった事例として、未勝利馬が1勝馬クラスを走る事になるのは必然として最強の1勝馬と謳われながら未だに1勝しかできないエタリオウは、立派なオープン馬である。資格賞金6350万は半額処理もされずに4歳夏季競馬番組を走らされる事になる、

 しかし、同馬もその戦歴は、未勝利戦1勝馬でしか無いのには変わりないが、重賞2着4回馬などとは呼ばれない。まぁ同馬は既にフルオープン馬の座についているから、条件戦に間違っても出走して来ることは無いから、何の問題も無かろう。
 具体例として、今週予定されている(旧)準op特別、3勝クラスの「グリーンS」には、ハンデ戦から定量戦となった事は祟ったのか、たった10頭だけの特別登録馬がいるが、そこには、中央勝利数は(地)マサハヤダイヤ2勝馬から4勝馬が4頭も存在するが、その中に4歳馬は存在しない
 登録している4歳馬は総じて3勝馬だが、従前システムであれば、(旧)1000万下条件戦を走れるところ、降級制度の廃止で、この3勝馬クラスを走らされる事になる訳だ。

 今年、賞金別定戦となった「グリーンS」のハンデ戦での4歳馬の勝利は無く、ポートブライアンスのみが勝った1998年「グリーンS」は勝歴別定戦であった。


 この計算で考えると、ここで勝利するのは4歳馬という結論も出ようが早計かもしれない。つまり、増量の無い定量戦になっても、どの世代が有利になったかの見極めは難解である訳だ。
 これまでの夏競馬では、降級馬、つまり現級既勝馬の経験則を重視する事である程度の勝率の恩恵を受けて来た我々を含む、一般の競馬ファンたちは、それらの一切の戦略を放棄させられる事になる。 

 だからと言って、5歳馬だけが台頭させる訳にもいかないだろう。主催者は、定量戦とハンデ戦を駆使しながら、ゆらぎながら決着構造のバリエーションを染め分けてくるだろうから、我々は仮説に基づく定点観測が重要になって来る。