紫苑ステークス(オークスTR) | リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

リゲイン総合研究所~競馬番組「表」なんて実在しない~

◆片岡勁太は実在しない「番組表」という虚像を読み解こうとするが我々は「競馬番組」の実体を解き析かす点で全く別物である。日本中央競馬会は、その名の下で施行される競馬番組の中で「何が勝っても構わないレース」の存在を許諾する事は皆無である。

 夏を呑気に遊んでいた人間に実りの秋がやって来る事は無いのが、この世界の常識である。夏は、競馬番組の稼動期であり、宣言期である。特に宣言は、後から見直しても見つかることは無い。まぁ、そんなに脅かしても仕方ないので、蓄積レベル相応に展開するがよろしい。
 さて、秋季クラシックとは言わないが、3歳牡馬、牝馬には「菊花賞」という昔でいう5大クラシックの1つが待っている訳で、牡馬排除戦として「秋華賞」が存在するのは、誰でも知っている話。
 その「秋華賞」トライアルである「紫苑S」が中山メインの「いの一番」で施行され続けているが、別段、これが「秋季」稼動の宣言を担っている訳ではない。稼動宣言については、「セントウルS」に書ける暇(いとま)があれば、別掲する。
 さて、「秋華賞」で起用される為には、優先出走権が必要であれば、「桜花賞馬」であろうが「オークス馬」であろうが、馬齢重量で走れる「紫苑S」に2冠馬や1冠馬らはなぜ出走しないのだろうか?G1馬としてのプライド?んなもん、「ローズS」でも同斤量である。第2、第3のレディパステル(2001)が出現しないのには理由がある訳だ。
 昨年は、新潟代替であった今年の「紫苑S」は何か特別な事をする必要があるのだろうか?ならば、レンドフェリーチェ(2003)を探し出せばよい話か?特別登録馬には、前走「マーメイドS」のアースライズが存在するが、その一部を切り取って春季クラシック歴の有無などはスルーして「戦歴解読」と言えるだろうか?まぁ、同馬は無名の穴馬ではなく出走すれば、人気の一角を担うだろうから、これが起用される可能性が無いとは言えないから各自の判断で足りる。
 春が秋を制御するのであれば、今年の3歳(指定)オープンの事情は特殊なものを内包している点を忘れてはならない。それは、春季クラシックに用意されていたトライアルオープン1着馬に発行される優先出走権の殆どが廃棄処分されている事である。前にも書いたが、3歳馬にとってオープン特別は「紫苑S」が唯一の存在であり、別の意味でも特殊なものである。しかし、特殊と特別とは全く別物である。
 秋季2場同時稼動という現状は、それまでヘルニアとして、この場所に居た「2回札幌」と併催される残暑厳しい違和感を払拭した形を採用している。夏季は、中央2場先行稼動として、ダービー翌週から施行。
 もう2度と「札幌2歳S」を馬齢55キロで勝つグランデッツァオールアズワン、そして、翌年「日本ダービー」を勝つロジユニヴァースは登場しない訳だ。