横浜の香り教室 平安の香りと親しむ平安朝香道 -35ページ目

横浜の香り教室 平安の香りと親しむ平安朝香道

東急電鉄日吉駅3分にある平安の香りを創り楽しむ教室です。平安時代、貴族や「源氏物語」の主人公光源氏がたしなんだ香り創りや楽しみ方をご紹介。(by平安朝香道 朝倉涼香)

丸ブルー「源氏物語」の蓮池の香り

 

 

 

 

ご訪問ありがとうございます

平安朝香道の朝倉涼香です

 

 

 

雨が降って

暑さもどこへやら

とても涼しくなりました。

 

 

急激な感染者の増加と

激烈な暑さのため

8月のお稽古は

夏休み

といたしましたが

私は

課題の「荷葉」や

その他の薫物を聞きながら

秋の準備をしております。

 

 

 

蓮の花もそろそろ

終わりを迎えることでしょう。

 

 

 

 

 

 

「源氏物語」に登場する

「荷葉」の香りを

あれこれと想像しながら・・・

 

 

光源氏が最初に邸とした

二条院にも

後に壮大な邸となる

六条院にも

庭園には、夏になると

青々とした蓮の葉や

蓮の花が風に揺れる様子が

描かれています。

 

 

 

 

 

 

源氏が四十歳の時

(平安時代の四十は老年期)

二人目の正妻(女三宮・十三、四才)

を迎えます

(亡き葵の上は最初の正妻)

 

 

正妻同様に暮らしてきた

紫の上の嘆きは計り知れず

次第に床に就く時間が

長くなっていきます。

 

 

病気治癒のため

かつて源氏と住んだ

二条院へと移りました。

一時危篤に陥りましたが蘇生

紫の上のご容体を憂慮して

源氏はしばらくの間二条院へ留まります。

 

 

 

池はいと涼しげにて

蓮(はちす)の花の咲きわたれるに

葉はいと青やかにて

露きらきらと玉のやうに見えわたるを

 

「かれ見たまへ。おのれひとりも涼しげなるかな。」

とのたまふに起き上がりて見出し給へるも

いとめづらしければ、

 

 

「かくて見たてまつるこそ夢の心ちすれ。

いみじく、わが身さえ限りとおぼゆるをりをりのありしはや」

と涙を浮けてのたまえば、

みづからもあはれに思して

 

 

「消えとまるほどや経べきたまさかに蓮の露のかかるばかりを」

とのたまう。

 

「契りおかむこの世ならでも蓮葉に玉いる露の心隔つな」

 

 

身を起こせるほどに回復した

紫の上は源氏と

歌を交わします。

 

紫の上は蓮に置く露に

自身の命の儚さを重ねて

歌を詠みます。

 

それに答えた源氏は

この世だけでなく極楽浄土でも

この蓮の露のように

同じ蓮の上にいましょう

お約束いたします。

お疑いなきように!

 

 

涼しげに揺れる蓮を

二人で眺めながら

一時を過ごすのです。

 

 

お互いに来し方を懐かしく思い

行く末を案じています。

その不安を

涼やかで清らかな情景と

蓮池から漂う香りとで

払拭してくれているのでは

 

そう思っております。

 

 

平安時代の「荷葉」を聞き

次第に

ご自分の中で温められた

「荷葉」が創れますように

そうなられたら私も嬉しいですキラキラ

 

薫物は

急がずゆっくりと

時代に合わなくとも

いつかきっと

ご自身の拠り所となるはずです。

 

丸ブルー夏は蓮の香りと共に

 

 

 

ご訪問ありがとうございます

平安朝香道の朝倉涼香です

 

 

 

暑い暑い

お盆休みでした

良い休日をお過ごしでしたか?

 

すっかりご無沙汰しておりました。

いつまで続くこの暑さ

ですね

 

 

昨日は、五山の送り火

画面で観ておりました。

京都は生憎の雨だったのですね。

 

 

 

送り火の季節になると

遠い昔

友人と鴨川の河原から

五山の送り火を観たことが

思い出されます。

 

 

 

五山の送り火京都フリー写真素材 )

 

 

 

五山の送り火の当日

京都市内は

特に鴨川の河原は

混雑すると聞いておりました。

 

前日から八幡の円福寺に

ご好意でお世話になりました。

宿坊というわけではなく

友人4人、夜は布団部屋で就寝し

夜明けには、お庭のお掃除をして

座禅を組みました。

修行僧の方々と同じ

一汁一菜を頂きました。

 

当日はどのようにして

鴨川まで辿り着いたのか

今では覚えておりません。

 

妙と法と舟形を遠くから観た

と記憶しております。

今ではとても良い想い出となりました。

 

 

昨夜は

我が家でもおがらを焚いて

ご先祖をお見送りいたしました。

 

お盆休みの最後の日

送り火を済ませると

夏から秋へと

移り変わるこの時期に

身も心も一瞬

 

シャキッ

 

と蘇るような気になります。

(暑いのでダレてはおりますが・・・)

 

 

 

 

 

 

目の前には

蓮の葉と蓮の花が風に揺れ

現世の思いを

風に載せて連れ去ってくれるような

そんな気にさせてくれます。

 

蓮の葉の清い青さと

蓮の花の優しく甘い

遠い異国の香りを

過ぎ去った風が

残してくれています。

 

 

 

 

 

 

お盆の間

「荷葉」の薫物を薫いて

過ごし

 

 

 

 

 

 

仏前では

唐招提寺の「青蓮」と「唐招提寺蓮」

のお線香を焚きました。

 

 

 

 

 

 

送り火の日には

遠く鑑真の故郷の

揚州の名花として知られる

「瓊花・けいか」の香りを模した

「瓊花」のお線香を焚きました。

 

 

また来年迎え火を焚く日まで

毎日が健やかに過ごせますようにお願い

 

香りに載せて

ご先祖様に届きますように。

 

 

ご訪問頂いた皆様

まだまだ暑い日々ですが

残暑を乗り越え

お健やかにお過ごし下さい。

 

私も夏から秋への準備をいたしましょう。

(今月のお稽古は夏休みといたしました)

 

 

丸ブルー青い蓮の謎解き

   青い蓮を求めて③

 

 

 

ご訪問ありがとうございます

平安朝香道の朝倉涼香です

 

 

 

3、4日前は、陽射しもあまりなく

久しぶりに過ごし易い日々でした。

今日は

気温も上がっています。

また激暑が来ないように。

 

 

 

青い蓮②のつづきです

 

 

蓮の花の色は

何種類くらいあるのでしょうか?

 

行田の蓮の里で観た限りでは

 

 

[紅蓮」

行田蓮

 

 

 

 

 

[白蓮]

真如蓮

白蓮といっても

外の花弁は緑です

 

 

 

 

 

 

[黄蓮]

名前は不明

淡い黄色のぼかしに

薄紅色が混じる

 

 

 

 

 

大きく分けるとこの

白蓮、紅蓮、黄蓮の3色です。

細かく分けると

ぼかしや縁取りがある蓮など

作出された様々な色があります。

 

作り出された蓮の品種は数多く

行田の里に植えられている蓮は

世界の蓮も含めて

全体では42種類の蓮があるそうです。

 

全国ではもっと多くの

園芸種があることでしょう。

 

でも青い蓮は

どこにも存在しません。

 

それでは「青い蓮」はどこから?

 

 

蓮と言ったら

日本では、一般的に

お釈迦様

仏教と結びつきます。

 

原産地は諸説有りますが

一般的にはインドとされています。

 

日本で最も古い蓮の葉の化石は

7千年前のもの

世界では一億年前の化石が

見つかっています。

化石は、北半球に限られ

見つかっているのです。

 

大賀蓮や行田蓮の実はもっと新しく

それでも千五百~三千年前の

蓮の実なのですから・・・

 

 

蓮って途方もない昔から

生き続けているのですね。

 

 

 

一方睡蓮

 

古代エジプトでは

ツタンカーメンの棺の中に

オリーブと柳の葉

そしてブルー・ロータスの花びらを繋いだ

ネックレスが見つかっています。

 

 

 

 

 

 

ここに青い蓮が出現

 

蓮はロータス

睡蓮はウォーター・リリー

ですが

エジプトのロータスは

蓮ではなく睡蓮のことなのです。

 

古代エジプトでは睡蓮は太陽神の象徴

古代エジプト遺跡の壁画や彫刻にも

ロータスが描かれ、身近なものでした。

 

エジプトには古代から

ブルー・ロータス(青いスイレン)

があったのです。

 

ブルー・ロータスがいつごろ

インドに存在していたのか

詳細はわかりませんが

インドには蓮と青い睡蓮があったのです。

 

 

初期の仏典では

ウトパラは昼咲き青睡蓮

クムダは夜咲き白睡蓮

パドマは紅い蓮

プンダリーカは白い蓮

としてありますが

 

仏教の原典を漢語に訳すのも

用意ではありません。

そこで誤訳が生じたり

中国では

スイレンの認識が無く

無理に色で区別し

黄蓮や青蓮が生まれてしまった

のではということです。

(インド学者松山俊太郎氏)

 

ここに観たこともない

「青い蓮」が

出現したのです。

 

 

 

 

 

 

ずっとずっと長いこと

観たこともない「青い蓮」は

憧れだけの

幻の蓮だったのです。

 

 

「青い蓮」の謎

ようやく理解できました。

 

民族が違い

言語が違い

まして、音での書写であったりすると

間違ったまま受け継がれて

それが正しいものとされ

解明されることなく存在してしまうのです。

 

 

憧れの青いバラではありませんが

青い薔薇を切望した結果

青い薔薇が生み出されました。

 

 

 

 

 

 

蓮に魅せられた園芸家が

いつか「青い蓮」を作り出して

愛蓮家(藍蓮花をもじって))を

狂喜させるのではと思います。

 

私もその時を待っています。

 

 

蓮を愛する方のために

写真家の三浦功大氏の

「蓮への招待」が

とても参考になりました。

とても膨大な資料の集大成です。

 

私の意訳で誤っていたりすると

申し訳ありませんので

正確な答えをお求めになる方は

参考になさってください。

 

 

 

おしまい

 

丸ブルー災害お見舞い申し上げます

   青い蓮を求めて ②

 

 

 

 

ご訪問ありがとうございます

平安朝香道の朝倉涼香です

 

 

 

今回の大雨で被災なされた方に

心よりお見舞い申し上げます

 

 

昨日も横浜は殺人的激暑

今日は雷と雨の1日でした。

雨も止んで

夜は久しぶりに涼しくなりました。

 

 

青い蓮のお話しのつづき

涼しいお話しになったら

嬉しいです。

 

 

買い求めた

「藍蓮花」とネーミングされた

ハーブ・ティー

 

「あいれんか」

読むと思っていました。

改めて見ると

「あおれんか」

のフリガナが・・・

 

 

「青い蓮の花」

なんて素敵なキラキラ

 

 

蓮の花に青い色があるの?

でも見たことはありません。

 

青蓮(しょうれん)や

青蓮華は白蓮のこと

 

とは解っていても

 

ひょっとしたら

青い蓮がどこかにあるかもしれない

そう思って胸をトキメカセました。

 

ハーブ・ティーとして

頂くつもりではなく

「藍蓮花」

の言葉に惹かれて

求めたものです。

 

 

 

 

 

 

しばらくは出しては眺め

仕舞ってはまた取り出し

を繰り返していました。

 

藍色に近いのですが

藍より青し

 

なんとも言えない美しさブルーハーツ

ドライハーブですので

カサカサとして艶はありません

 

ドライでなけれは

もっと輝いて美しいのでは

そう思いました。

 

 

毎年「荷葉」を薫く前には

蓮を観たり調べたりするのですが

知れば知るほど

神秘に満ちています。

 

少し時間が経つてから

 

 

 

 

 

このお花は蓮にしては

どうも小さ過ぎる

 

蓮にしては

花びらの形が違うのでは

 

蓮にしては花托が・・・

 

と思ったのです。

 

改めてハーブのパッケージを

確かめてみました。

 

 

 

 

 

「藍蓮花」

ブルー・ロータス・フラワー

の表示と

どう見てもハスのお花のイラスト

 

やはり蓮なのでは?

 

 

パッケージの底の表示を良く見ると

なんと

「原材料 睡蓮の花」

と表示されていました。

 

 

ここから

「青い蓮」を探す

旅が始まりました。

 

 

「青い蓮」のこと

ハーブに詳しい方

仏教関係の方は

ご存じのことと思います。

 

 

蓮には少し詳しくなっていますが

やはり分からないことがイッパイ

 

先ずはハスとスイレンを観に

近くの公園へ出かけたのです。

(7月18日の記事)

 

 

一見して蓮と睡蓮は

似た者同士

同じ科に属するのでは?

そう思えます。

 

でも違うのです。

 

花の形は良く似ています

 

 

睡蓮

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葉っぱは?

 

 

睡蓮

切れ込みが

 

 

 

 

フリルみたいに波打って

葉はザラザラで水を弾きます

 

 

 

 

 

咲き方は?

 

 

 

 

 

 

蓮と睡蓮が一緒にあると

咲き方が

良く分かります

 

葉に艶がなく

立ち上がっているのが

ハス

 

 

 

 

ツヤツヤと光っているのが

スイレン

 

でも

これも睡蓮です

 

 

 

 

ちょっと見には

蓮に見えないこともありません

 

 

自然の中で育った方には

何を今更なのでは?

 

この違いを

近くの公園に確かめに

出かけたのです

(7月18日の記事)

 

 

ここから

「青い蓮」を探す

旅が始まりました。

 

切っ掛けは「蓮花茶」

スタートは「藍蓮花」

だったのです。

              つづく

 

 

 

 

 

丸ブルー暑中お見舞い申し上げます

   青い蓮を求めて①

 

 

 

ご訪問ありがとうございます

平安朝香道の朝倉涼香です

 

 

 

「暑中お見舞い」

と言う日本の麗しい言葉は

どこへ行ったのでしょう?

 

「猛暑」や「酷暑」はまだ甘い

「殺人的激暑」と表現したいほどの

連日の暑さです。

 

でもここはやはり

優しい涼しさを内包した

 

 

 風鈴暑中お見舞い

   申し上げますカキ氷

 

 

各地の蓮の花

この暑さに

ぐったりしているのでは?

 

 

 

 

 

 

人間は勿論、動植物にも

命の危険がありそうです。

 

我が家のニャン子も

連日ぐったりしております。

 

猫や犬にも熱中症があるそうですから

充分にご用心ください。

 

 

先日、猛暑の始まるころ

近くの蓮池に

蓮を観に出かけたのですが

今頃どうしているのでしょう?

 

花托だけが残っているのでは?

 

 

 

 

 

 

古代蓮のように

色も形も存在感のある

蓮の花ではありませんが

 

とても優しく美しい色合い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湖面に映る

青い空と蓮の花

とてもステキでした

 

 

ハスよりもスイレンが

湖面を占めていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

睡蓮に飛行機が

不時着して・・・

誰の仕業でしょう?

 

池の清掃まで取り残されますね

 

 

 

 

 

紅の睡蓮

 

 

 

 

白い睡蓮

 

 

 

ジヴェルニーにある

「モネの庭」

と思えないでもありません。

 

 

蓮と睡蓮が同じ池にあって

とっても満足

 

 

蓮と睡蓮

その違いはわかっているつもりでしたが

目で見て具体的に違いを

確かめてみたかったのです。

 

 

そして

青い蓮を探す切っ掛けになったこと

暑く長い夏の日々に

青い蓮を探す旅に出かけます。