待つ身の辛さ哀しさは・・・
そして心穏やかに
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
ゆっくりと春に
向かっているようですね
昨日は少し動くと
汗をかいてしまいました。
「源氏合わせ」の準備と
「源氏合わせ」が終了して
ホッとして
すっかりご無沙汰してしまいました。
連休には庭仕事をして
薫物を聞いて
ゆったりと過ごしました。
「源氏合わせ」で創作した
「松風」を聞いたり
春の薫物の
「梅花」を聞いたり
「源氏合わせ」では
師範の皆様の薫物は
冷静に聞くことが出来るのですが
自身の薫物は冷静に判断できません
修行が足りない
研究が必要だ
などと
頭の中をいくつもの言葉が
かけめぐります。
紫式部は父親と同年ほどの
藤原宣孝(ふじわらののぶたか)
と結婚いたしますが
妻を複数持つ夫でした。
おそらく紫式部も
夫の通わぬ夜を
穏やかならぬ心情で
耐えていたのでしょう。
紫式部も経験したに違いない
リアルを巧みに編み込んで
物語は進みます。
明石の地で出会った
明石の君のもとへ通うようになった
源氏ですが
やがて都へ帰ることとなります。
その後明石の君は
源氏の子を出産し
源氏は明石の君を
都の二条院へ呼び寄せようとしました。
しかし
源氏の要望に
なかなか答えられずにいたのです。
嵯峨野清涼寺の秋
光源氏のモデルといわれる
源融の山荘跡の清涼寺の紅葉
やがて
明石の君の母方の祖父の昔の別荘が
嵯峨の大井川のそばにあったので
そこへ母と移ることとなりました。
明石の君は故郷を後にした淋しさと
源氏の訪れを待つ哀しさを紛らわそうと
琴を取り出して弾くのでした。
明石で源氏と別れる時
託された琴です。
琴の音に呼応するように
松風が追いかけます。
琴(きん)の琴(こと)は
七弦の琴です
紫式部も嗜んだ琴ですので
琴の調べに松風が
どのように呼応するのか
良く心得ていたことでしょう。
それは重く哀しいものだったのか?
琴を奏でるうちにやがて
少しずつ心穏やかに
なったのではないでしょうか?
帖ごとにいつも心乱される
源氏の君の言動や行動です。
人々を夢中にさせる要素が
存分に散りばめられています。
以上
「松風」の概要の一部ですが
「源氏合わせ」では
その中から
心に残る場面や心情を
薫物として創作して下さいました。
紫の上(源氏の事実上の妻)に
明石の君(愛人)の子を引き取り育ててほしい
と言う源氏の要望と
子のいない紫の上の
複雑な思いを写した薫物や
明石の君の
源氏を待つ切なく哀しい思いの薫物
等々
私もできる限り
参加させて頂いて
門下生の方々が判者(審判)となり
判詞(判定の言葉)を述べて頂いております。
師範以上になられると
この「薫物合わせ」で
薫物を創って頂きます。
初めはとても難しく思いますが
回を重ねる毎に
とても楽しく面白いもの
となるのです。
次回の「源氏合わせ」は
4カ月後となります。