厳冬の庭に香るこの香り
平安人も愛でた香りです
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
早いもので
1月も過ぎ去り
北の方ではまれに見る大雪
先週末の予報では
東京、横浜も雪の模様
でしたが一昨日の朝は
起きると冷たい雨でした。
雪かきは大変ですもの・・・
ホッとしました。
一雨降ったので
春が少し近づいたのでは?
とは
とんでもないようです
寒さが続きそうですね。
冬になっても雨上がり
わが家の庭に仄かに香る
優しい香りがあるのです。
そして
いつもいつも思うのです
雨上がりに庭に降り立つと
この香りは何?
記憶にあるはずの香り
なのですが
春の香りと勘違いしてしまいます。
スイセン?
いいえ
では
紫木蓮?
いいえ違います
まだ蕾です。
ヒヤシンス?
ではありません
地植えのヒヤシンスは
やっと芽を出したばかり
はて~?
突然、蘇る香り
これはあの香り
に違いありません。
こんなに寒いのに
花のある植物ばかり
頭をよぎるのですが
これは秋の七草にも数えられる
秋の植物
「源氏物語」の中でも
極上の香りを放っております。
「藤袴」と「匂宮」に登場する
藤袴なのです。
晩秋には少しずつ枯れて
寒さが増すとすっかり茶色に枯れて
でも、でも
雨が降ると香るので
根元から切れずに
名残の花と枝葉を
冬になるまで
そのままにしておいたのです。
冬に入り
雨の降る日が
とても少なくなったので
しばらく気付かずに
今では、手に取れば
粉になりそうに枯れ衰えた
フジバカマです。
それなのに雨の後には
こんなに寒いのに
パウダーで覆われたような
フゥワリとした優しい香りが
どこからともなく漂ってくるのです。
強く己を主張しないのに
ふり返らずにはいられない
心に沁みる香りとなっていたのです。
不思議ですね。
春になる前に根元近くで
切り落とすつもりでおります。
今年も秋になると
きっと
フジバカマの優しい香りを
漂わせてくれることでしょう。
雪は降りませんでしたが
極寒の中、私を癒してくれた
藤袴でした。
今週はもっと寒くなるようです
どうか暖かくしてお過ごし下さい。