香を薫くと、とても穏やかな気持ちになります「侍従」 | 横浜の香り教室 平安の香りと親しむ平安朝香道

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東急電鉄日吉駅3分にある平安の香りを創り楽しむ教室です。平安時代、貴族や「源氏物語」の主人公光源氏がたしなんだ香り創りや楽しみ方をご紹介。(by平安朝香道 朝倉涼香)

  ピンクハート香を薫くと

  とても穏やかな気持ちになります

  「侍従」

 

 

 

 

ご訪問ありがとうございます

平安朝香道の朝倉涼香です

 

 

 

願っていた秋が

駆け足でやって来ました

 

日中は暑さを感じますが

一昨日あたりから吹く風に

肌寒さまで感じるようになりました。

 

そろそろ長袖が必要です。

 

 

 

 

 

 

先日のお稽古は

「侍従」(じじゅう)

 

「秋らしい優しい香りですね」

 

「秋の風に吹かれているようで、ホッとする香りです」

 

このように感じて頂きました。

 

 

 

彼岸花の炎立つ(ほむらたつ)ような

情熱的な色も、その時期を過ぎ

 

 

 

 

 

 

鮮やで萌えるような紅緋(べにひ)の色も

すっかり韓紅(からくれない)に変わり

優しさを感じるほどの柔らかな色となりました。

 

 

 

 

 

彼岸花の花色のように

人の心も優しさへ向かうと良いのですが・・・

 

 

藤袴は花の開く前

花の姿もない頃から

仄かに香り立って

その存在を知らせていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「侍従」は「六種の薫物」(むくさのたきもの)

の一つです

 

「侍従」は

「薫集類抄」(くんしゅうるいしょう)には

 

侍従 亦名拾遺補闕

(じじゅう またのなしゅういほけつ)

 

と記されています。

 

拾遺補闕(しゅういほけつ)とは

つねに天皇に近侍し

諫(いさ)めただし

遺(わす)れたるを拾い

闕(か)けたるを補う

 

ということで「拾遺補闕」は

「侍従」の唐名なのです。

 

「侍従」は日本で作られた言葉となります。

 

 

「侍従」の香りはその名のように

人にそっと寄り添い

思いを汲み取り

進むべき方向を

さりげなく指し示す。

 

現代では

そのような役目を果たす

薫物なのではないでしょうか。

 

何度も聞いているうちに

すっかり「侍従」に魅了されてしまいました。

 

「荷葉」(かよう)も大好きな薫物ですが

「侍従」も捨ててはおけません。

 

「侍従」がお稽古場に

秋を連れてきたのでした。