再び「花橘・はなたちばな」を聞いてみました | 横浜の香り教室 平安の香りと親しむ平安朝香道

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東急電鉄日吉駅3分にある平安の香りを創り楽しむ教室です。平安時代、貴族や「源氏物語」の主人公光源氏がたしなんだ香り創りや楽しみ方をご紹介。(by平安朝香道 朝倉涼香)

●再び「花橘・はなたちばな」を聞いてみました

 

 

ご訪問ありがとうございます

平安朝香道の朝倉涼香です

 

 

昨年の5月のお稽古の課題は

「花橘」でした。

 

 

 

昨年もコロナ禍で止むを得ず

生徒の皆様は「ひとりお稽古」となりました。

 

残念ながら1年経った5月も

また、「ひとりお稽古」となってしまいました。

 

通常でしたら、違う薫物が課題となるはずでしたが

コロナ禍がいつまで続くか判断できず

次々と課題を増やしてしまってはと考えたのです。

 

 

 

これは蜜柑の花  柑橘系の花はとても良く似ています

 

 

橘の花はまだどこかで咲いているでしょうか?。

何よりもオーソドックスな庭木ではありませんので

咲いているお花の香りを知る方も少ないかもしれません。

 

 

遺伝子分析に因ると

柑橘系の日本原産種は

橘(ヤマトタチバナ、ニホンタチバナ)と

沖縄のシークワーサーだけなのです。

 

 

野生のタチバナは

環境省の定める絶滅危惧Ⅱ類に指定され

タチバナ群落がある高知県室戸市(旧安芸郡)の

室戸岬亜熱帯性樹林や

土佐市の甲原松尾山は

天然記念物となっています。 

 

現在は

全国の数カ所で

橘を存続させる努力が実っています。

 

 

 

雛祭りで左右にお飾りする橘

と言えばよく分かりますよね。

 

紫宸殿の前庭に平安時代から

「左近の桜」「右近の橘」

として植えられてきました。 

 

 

そのような橘ですが

「花橘」の薫物は

袖から香った花の香りがするでしょうか?

 

 

 

何度も「花橘」を聞いておりますが

今年は奈良の明日香村にある橘寺を思い

芳しい香りを放つ橘の花を思い描いて聞きました

(橘寺は聖徳太子生誕の地とされています)

 

 

 

 

門前の橘の木は

今は生長し、大きくなっていることでしょう

訪れたのが晩秋でしたのでお花はありませんでした

 

 

 

 

何度訪れても明日香村は心落ち着く場所です。

早くコロナが終息しますように

心ばかりが急いてしまいます。

 

このような時に薫物を取り出して

じっくりと聞くと

 

心身を落ち着かせ

心豊かになり

 

元気を取り戻し

次の行動へと導いてくれるのです。

 

 

「花橘」の薫物は

平安時代に創作された薫物ではありません。

室町時代に作られた薫物です。

 

平安朝香道では

年に何度か

室町時代や江戸時代に

創作された薫物を課題として取り上げます。