●蓮の台(うてな)に座る者たち
終戦記念日そしてお盆
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
8月15日は終戦記念日です。
そして明日はお盆の送り火の日となります。
今年は、終戦から75年目の夏です。
随分と前のお盆の日のこと
父が突然
「終戦から50年が経ってしまった・・・」
母と私が仏壇にお供えをした時
父がポツリと言いました。
お供え物を見て
「死んだらお終いだ!」
その言葉に母も私も顔を見合わせ
黙り込んでしまいました。
もう彼岸に旅立ってしまった父ですが
今思うと現実の死と言うものを
身をもって知っていたから
そのような言葉が出たのだと思います。
毎年夏になると父が私たちに話してくれたのが
戦争の話です。
南十字星がよく見えたこと
起床ラッパと消灯ラッパのメロディー
そのメロディーは今も覚えています。
カエルやヘビはもちろんのこと
口にできるものは何でも食べた話
戦友が次々と死んで行く話
自分自身も被弾し
脚には弾の貫通した後が残っていました。
食べたいものも食べられず
飢えて死んでいく戦友たち
弾に撃たれ息絶える戦友たち
戦死した戦友のことを忘れたことは
決してなかったのでしょう。
「死んだらお終い」は
生きてる者にはとても残酷な言葉です。
たくさんの死を目の当たりにした父だから
そのような言葉が出てきたのだと
今では理解できるようになりました。
毎年欠かさず生き残った戦友たちと
靖国神社にお参りに出かけていました。
靖国神社にはお花見に何度か行って
参拝はしていますが
私も子供も、父たちのように戦争世代ではなく
戦争を知らない世代です。
今では戦争を知らない世代が
圧倒的に多くなり
父の話も段々と私の記憶から遠のいていきます。
戦争が原因で
逝ってしまった全ての人々が
蓮の台で安らかに過ごせますように
新型コロナウイルスや大国の対立で
再び争いが起きないように
私たちはどのようにしたら良いのか?
時の空気に流されず
どのように行動すべきか?
日本にとっても私たち個人にも
難問だらけだと思うのです。
さあ難問はさておき
目の前の問題を気を取り直して
始めましょう。
今月はまたジャスト
蓮の香りのお稽古なのです。