香日和(こうびより) 梅雨に香るおくゆかしい香り | 横浜の香り教室 平安の香りと親しむ平安朝香道

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東急電鉄日吉駅3分にある平安の香りを創り楽しむ教室です。平安時代、貴族や「源氏物語」の主人公光源氏がたしなんだ香り創りや楽しみ方をご紹介。(by平安朝香道 朝倉涼香)

香日和(こうびより)

 梅雨に香るおくゆかしい香り

 

 

              北鎌倉 名月院 2012年

              今年はまだ咲いているでしょうか?

 

ご訪問ありがとうございます

平安朝香道の朝倉涼香です

 

 

関東も梅雨入りして

鬱陶しい日が多くなっています。

 

本格的な梅雨はこれからなのですが

 

雨が降れば

「晴れないかしら」

と思い

 

夏日になると

「雨でも降らないかしら」

 

と勝手なことを考えます。

 

ムシムシ、ジメジメ

心晴れない日が続いて

憂鬱ですね。

 

 

でもこんな日は香りを聞くには絶好の日

香日和(こうびより)などと名付けたくなります。

 

 

              北鎌倉 名月院 2012年

 

雨の日の湿気の多い日は

空気中に水蒸気が多いので

匂い分子は留まりやすくなります。

 

また匂い分子は揮発性を持っているので

温度が高くなると揮発性が高くなり

夏はより匂いを感じ易くなるのです。

 

反対に
湿度が低く乾燥している冬は

空気中に匂い分子が少なく

匂いの感じ方が低くなるのです。

 

このようなわけで

今の梅雨時期は

匂いを強く感じることとなります。
 

 

 

 

最高に湿度の高くなる雨上がりに

草木やお花の香りを
強く感じたことはありませんか?

 

 

               西洋梅花空木(ベルエトワール)

 

薫物を聞くには最良の季節

どのような香を焚きましょうか?

   

       薫物(たきもの)とは?

    様々な香材を粉にし、蜂蜜・炭の粉・甘葛(あまづら)などで

    練り合わせ丸薬状に固めた物。

    練香と同じ。

 

薫物の香りが

とてもよく部屋空間に漂うわけですから

あまりにも甘く

まとわりつくような

濃厚な香は

相応しいとは思えません。

 

もちろんそれぞれに好みも違い

 

「暑い日には

   暑いものを食するのが

一番の暑気払い」

このようにも申しますので

 

湿気の多い日には

「濃厚な薫物を焚くことが

一番の除湿方」

 

それもあっておかしくはありません。

 

でも私はやはり

 

  甘過ぎず

 

    辛過ぎず

 

       苦過ぎず

 

 塩辛過ぎず

 

      少し酸味があって

 

涼し~~い香りが

 

身も心も

     シャキッ

整えてくれるように思います

 

このような日には

どのような薫物を燻らせましょう音譜

 

「薫集類抄」に著わされた六種の薫物は

非の打ち所がないものですが

     

   平安朝香道では

     「黒方」  儀式や行事の薫物・冬の薫物

     「梅花」  春の薫物

     「荷葉」  夏の薫物

     「侍従」  儀式や行事の薫物・秋の薫物

     「菊花」  秋の薫物

     「落葉」  晩秋の薫物または冬 

      この6種類の薫香を

     「六種の薫物(むくさのたきもの)」と呼びます。

     (室町時代に始まった香道では、異なった季節分けです)

 

 

自分で創作した薫物は

どれも思いを込めて創作したもの

どの薫物を焚きましょう?

 

このように心惑う日も楽しいものですキラキラ