●心と身体に染み渡るお香
紅葉を感じながら「紅葉賀」を無事終了
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
平安朝香道で年に3回行う「源氏合わせ」を
無事終了いたしました。
「源氏合わせ」は「薫物合わせ」です。
日本で、いえ世界で平安朝香道だけで
行われている香道の遊びです。
平安時代に行われていた「物合わせ」には
「絵合わせ」「歌合わせ」「物語合わせ」
「前栽合わせ」「貝合わせ」「薫物合わせ」などがあり
その優劣を判者(審判)が判定します。
「源氏合わせ」も平安時代の「物合わせ」にならって
薫物の優劣を競います。
競うといっても遊びですから
静かにゆったりとした気持ちで
それぞれの薫物を味合うのです。
「源氏合わせ」は
様々な香をはちみつで練り合わせ丸くした
「薫物」を焚いてその優劣を競います。
競うという表現は大げさですが
どの香がそれぞれが選んだ心情や情景など
に寄り添っているのかを判定するものです。
現在でしたらでゲームでしょうね。
平安時代も
多人数ではなく少人数で
親しい方々と競われた
のでしょう。
30人集まった記録もありますが
多くの香りを聞くのは大変なことです。
皆様も経験していらっしゃると思いますが
フレグランスの香りをテイスティングするのは
せいぜい3種類ほど、多くても5種類でしょう。
嗅覚がマヒして
どれが良い香りなのか
判断できなくなってしまうからです。
今回の「源氏合わせ」は
「源氏物語」より「紅葉賀」でした。
秋の陽が光源氏と紅葉を照らし出し
その中で舞い歌う源氏
源氏の子を宿し、
試楽(リハーサル)をご覧になる
藤壺の胸中は?
その葛藤を多くの方が薫物に
表現して下さいました。
華やかな中にもほんの少しの苦さと
秋の清々しい空気感も感じられ
お見事
でした。