「香を聞くってどうするの?」 | 横浜の香り教室 平安の香りと親しむ平安朝香道

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東急電鉄日吉駅3分にある平安の香りを創り楽しむ教室です。平安時代、貴族や「源氏物語」の主人公光源氏がたしなんだ香り創りや楽しみ方をご紹介。(by平安朝香道 朝倉涼香)

●「香を聞くってどうするの?」

 おはようございます。

  朝倉涼香です

 今日もご訪問ありがとうございます。

伊吹麝香草が満開です。

「香道」の言葉を聞かれたとき、皆様はどのようなことをイメージなさるでしょうか?

「香を聞くってどんなこと?どうするの?」

多くの方のイメージは、

香炉を鼻に近づけ手で覆った指の間から木片や練香の香りを聞く。

このような動作を想像していらっしゃるのではないでしょうか?

 

私たちが物の匂いを確かめる時は、極力鼻をその物に近づけます。

ワサビなら「ツーンとくる」とか雑巾なら「蒸れて臭い」とかですよね。

直接物の匂い(臭い)を確かめる場合でしたら鼻を近づけることは利に叶っていることです。

 

現在、一般に使われている 「香を聞く」所作は、平安時代の所作ではないのです。

 

平安朝香道では香に鼻を近づけることはいたしません。

火取(ひとり、香炉)を置き、空間に放たれた薫物の香りを扇でそよぎ寄せるのです。

 

「源氏物語 鈴虫の帖」で女三宮の持仏供養に集まった女房たちを六条の院(光源氏)がいさめたことばがあります。

「空薫物というものは、どこでくゆらしているかわからないくらいが良いのです。富士の峰より高く煙を上げるのは感心しません」」と・・・

 

そこはかとなく空間を漂う香りを鼻で感じる、それが空薫物の本来の

聞き方なのです。