● 香りを聞く
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平安朝香道の朝倉涼香です
平安朝香道や室町以降の香道では、香を嗅ぐことを「聞く」と表現しています。
香りを聞くとはどのようなことなのでしょうか?
通常、聞くといえば、話を聞くとか音を聞くなどに使いますが「聞く」には匂いを嗅ぐ(かぐ)の意味もあるのです。
「聞」は分解すると門と耳から出来ています。
門を閉ざして中がわからないこと隔たったことが耳に入る
(漢字源)
このように薫物はあるけれど、どのような香りがするのかは外見からはわかりません。
その香の中身を知ることを香を聞くと表現したのではないでしょうか。
そして「嗅ぐ」は元もと左の偏は鼻の文字で、右のつくりは犬の細い穴を通してかぐことだそうですから、「香を嗅ぐ」の表現を敬遠して「聞く」と表現したのだと思います。
「香を聞く」とは、音楽を聴くのと同じように香りのトーンを聞くことなのです。
薫物の音色を聞く、薫物の調べを聞く。
香水のようにトップ・ノート、ミドル・ノート、ラスト・ノートと時間の経過で変化するのは薫物も同じです。
香を聞いて、何を思い描き何を感じるかは一人一人違ってきます。
香を聞くことによって、心安らぎ静かな時を持つことができるかと思えば、心が高揚し前向きになることもあるでしょう。
一度薫物を聞きにいらっしゃいませんか