薫物合わせ(たきものあわせ) | 横浜の香り教室 平安の香りと親しむ平安朝香道

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東急電鉄日吉駅3分にある平安の香りを創り楽しむ教室です。平安時代、貴族や「源氏物語」の主人公光源氏がたしなんだ香り創りや楽しみ方をご紹介。(by平安朝香道 朝倉涼香)

●薫物合わせ

 

平安朝香道の朝倉涼香です。

ご訪問ありがとうございます。

                                       ロイヤルジュビリー

「源氏香」って平安時代の遊び?

いいえ、決して平安時代の遊びではありません。

 

現在の「源氏香」と呼ばれる組香は「源氏物語」の帖数になぞらえたもので、江戸時代中期に考案されたものです。

 

「源氏香」は平安時代にはなかった遊びなのです。

平安時代に行われていたのは「薫物合わせ(たきものあわせ)」と呼ばれるもので、

その「薫物合わせ」の原型が「源氏物語 梅枝」の帖に詳しく描かれています。

「梅枝」では、明石の姫君の入内のために光源氏が薫物比べを思い立ち、六条院の御方々、朝顔の姫君、紫の上、そして光源氏自身も加わりそれぞが独自の香を創作しました。

後日創作した薫物を持ち寄り、それを焚いて、判者(審判)が判詞(判定のことば)を述べると言う「薫物合わせ」の原型を行ったのです。

 

平安時代には「歌合わせ」「絵合わせ」「貝合わせ」など人々が左右に分かれ、物を比べ合わせた「物合わせ」が行われました。

 

平安時代に香を聞き比べ、競ったのが「薫物合わせ」

そして江戸時代から始まった組香が「源氏香」なのです。


平安朝香道では、師範以上になると「源氏合わせ」として「源氏物語」
の一帖から始まって帖ごとの香を独自に創作しております。

 

オリジナル薫物を作る時、その月の課題を、情景や状態、心象風景などを思い描いて、香を合わせていきます。

 

ある人は言葉を操る小説家や作詞家のように、ある人は音符を操る作曲家や演奏家になったつもりで香を合わせ、それぞれの思いを描いていくのです。

 

心を研ぎ澄ますと、同時に心を落ち着かせ、完成した折りには、日常では味わえない達成感を感じることが出来ます。

 

後日、それぞれ創作し、持ち寄った香を聞き、楽しく和やかに「薫物合せ」を行っております。

現代的な表現にすると、様々な香をブレンドした物を皆でテ-スティング、またはスメリングし評価するとでも言えるでしょう。

 

様々な思いで創作したそれぞれの香を聞くひとときは、平安朝香道をたしなむ者の醍醐味であり、至福の時なのだと考えております。