昨年のベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した「蜂蜜」がいよいよ7月2日から全国順次公開です。
東京は、銀座テアトルシネマで、上映されます。
トルコのセミフ・カプランオール監督の作品で、「卵」(2007年)、「ミルク」(2008年)に続く三部作目の完結作です。
なんと日本語の字幕を手がけたのは大阪大学外国語学部4年生の矢内達也さん(21)。
大学でトルコ語を学ぶ矢内さんがこの作品を知ったのは、金熊賞受賞から3カ月後の昨年5月でした。
その際、国内上映の予定がないことに衝撃を受け、現地の制作会社と配給会社に連絡。
手紙で監督に訴えたところ、快諾されたそうです。
ストーリーは、映画を観てのお楽しみなのですが・・・。
チョコッとご紹介です。
主人公は、6歳の男の子ユスフ。
深い森林に囲まれた山岳で両親とともに暮らしていました。
ユスフは、養蜂家の父と森で過ごす時間が大好きでした。
ある日、森の蜜蜂たちが忽(こつ)然と姿を消し、父は蜜蜂を探しに森の深くに入って行きました。
それっきり父はユスフの元には帰って来ません。
そのことを切っ掛けに、ユスフから言葉が失われてしまいます。
母も、日を追うごとに悲しみに沈んで行きました。
そんな母を、励まそうとユスフは大嫌いだったミルクを飲んで見せます。
そしてユスフは一人、幻想的な森の奥に入って行きました。
後は観てのお楽しみ。
この映画は、BGMがまったく使われていません。
今どきBGMがない映画なんて珍しいですね。
音楽だけがヒットする映画だってあるのに・・・。
その分、映像で観客の心をグッとつかんでくれるのではないでしょうか。
少年と家族の絆(きずな)を情感豊かに描いた芸術的作品で「世界で最も美しい映画」とも称されたそうです。
因みに、カプランオール監督は、日本の小津安二郎監督から大きな影響を受けたそうです。
彼は、私の道しるべであり、教師でもあると語っています。
「蜂蜜」は、夏休みに親子で観るのにとてもよさそうですね。