コメントでご指摘があり、読み返してみると、誤解を招きかねなかった内容でしたので、追記と修正を行っています。

 

このブログの内容は、普通のスペックの子が一般受験で早慶付属高校を目指すにあたり、内申対策は重要かという内容です。(ハイスペックの子は内申対策はそつなくできるので対象外となります。)

 

サピックス中学部は定期テストに関係なく授業があります。宿題もあります。それらをこなしながら、かつ中学の定期テスト対策をするのはほぼ不可能です。普通のスペックの子にとってはかなり大変なことです。息子も定期テスト間近になると「サピックス休んでテスト勉強していいかな?」と聞いてました。「いや、休んだらダメだろ。」と内心思っていましたが、息子の判断で何回か休んだ事がありました。特に私の住んでいるエリアでは内申は3年生の一学期と二学期の定期テストの結果が大きく反映されます。なので、この時期は塾を休むべきか?休まざるべきか?悩むご家庭も多いと思います。

 

私立高校の一般受験では内申は大きな問題ではありません。特に一般受験で早慶を目指すならば、内申対策は大胆に切り捨てる必要もあますが、内申対策で必要以上に時間を費やすよりも塾での勉強を優先させた方が得策だと私は思いますが、息子は自己推薦も狙っていて、なかなか割り切る事ができませんでした。(内申は早稲田の場合、40、慶應の場合、38以上が必要でした。)結果的になんとか内申を取ることができ、自己推薦を受けましたが、サピックスの学年主任はあまり推している感じではありませんでした。(結果的には自己推薦は落ちました。)自己推薦の体験談、入学後に分かったことなど、また改めて書きたいと思います。

 


公立中学の内申問題(追記)


これは公立中学によって異なると思いますが、息子の公立中学では特に美術と音楽の定期テストでかなり難易度の高い(暗記に時間を要する)問題を出題していました。例えば美術の場合、江戸時代以前の芸術家や作品の名前などは選択肢ではなく記述で答えないといけない問題でした。東京都では副教科の合計点を2倍にして内申点に計算するため、副教科の成績も重要になります。もともと音痴で絵が下手な息子は美術と音楽の実技が鬼門で、テストで点を稼がなければいけません。それを側から見ていると、そんなことに時間を割くより切り捨ててしまった方がマシじゃないか?という気分になります。

 


A子さんの場合


息子のクラスメイトで中1から早稲アカに通っていたA子さんがいました。彼女は中学校での成績はほぼトップをキープしていました。第一志望は慶應義塾女子高等学校でした。彼女は几帳面で真面目だったので、定期テスト数週間前から、塾の勉強より定期テスト対策を優先させました。その結果、定期テストもほぼ満点で、高水準の内申を取ることができました。しかしその一方、早稲アカではクラス落ちし、慶應女子は諦め、第一志望は日比谷高校に切り替える事になりました。

 

結果的にA子さんは日比谷高校に合格しました。かなり凄いです。ですがサピックス内の偏差値表では、慶應女子は62、日比谷は54です。慶應女子は日比谷よりもさらに難しい難関高だという事が分かります。

 

結果的にA子さんは自己推薦で日比谷高校に合格しました。これはかなり凄いことですが、内申対策に時間を割きすぎて、第一志望の慶女は諦めざる得なかったのは残念です。

 


友人BくんとCくんの場合


息子のクラスメイトである友人BとCも早稲アカに通い、早慶を目指していました。早稲アカの宿題量はサピックス以上に多く、その結果、夜遅くまで勉強していたそうです。そうなると内申対策を行うのは時間的にも体力的にも困難で、その結果、この二人は完全に内申を完全に切り捨てていました。結果的に、この二人は早慶に合格し、進学しました。

 

普通のスペックの子がサピックスや早稲アカで早慶狙うのであれば、中学の定期テスト対策は切り捨てる必要があるという事です。ある程度、定期テスト対策に充てる時間は適度にコントロールする必要があると思います。特に息子の公立中学のように美術や音楽で難題を出してくるような学校の場合、よっぽどスーパーな頭脳を持っている子でなければ、両立するのは無理です。子どもの体調と精神を配慮するとどちらかを優先して選択しないといけません。早慶を目指す子が駿台模試で上位層である確率は高いですが、必ずしも中学校で成績トップとは限らないです。そこを目指す必要もないのではないかと思います。

 


実際に合格して入ってみると...

実際に息子が高校に入学し、クラスメイトの様子を聞いてみると内申もレポートも定期テスト対策もそつなくこなすハイスペックの子ばかりでした。驚き 結局はそういうレベルの子が集まってくる高校群なんだなと思います。プライドも高く、内申対策なんてフツーにやるだろ?といった感じです。おそらく息子と同じ公立中にいたら、美術や音楽の難問も苦労せずに両立できていたのだと思います。このスペックの高さは早慶付属校専門の塾講師も指摘していました。(希望の学部に進学するために内部進学用の塾に通う子は一定数います。)

 

入学当初、息子はそういう友達と自分のスペックの違いにショックを受け、劣等感すら感じていましたが、1年も経つと徐々に馴染んで良い刺激を受けています。努力して成績も徐々に上げてきています。息子が高スペックな環境でどうサバイバルしていくのか、見守っていきたいです。

 

 

なかなかブログを更新できずにいます。

結果的に息子は公立中学に進学し、サピックス中学部で学び、高校受験で早慶附属二校に合格することができました。

 

今日はサピックス中学部についてです。子どもが早慶付属の受験を目指している親御さんのお役に立てればと思います。

 

入塾するべき時期

入塾するべき時期、つまり高校受験対策をいつからスタートさせるかですが、普通の子が筑駒、開成、早慶付属などの難関校を目指すのであれば、できるだけ早い時期にスタートすることをお勧めします。サピックスでは中2の2月までに中3までの学習範囲を終わらせ、基礎を仕上げます。中3はその基礎の上に高校受験(特に志望校別)の受験勉強を行います。そのため、入塾時期が遅れれば遅れるだけ、追いつくのはキツくなりますので注意が必要です。

 


戦う相手は帰国子女


息子のクラスメイトの半数近くは帰国子女でした。彼らの多くは帰国子女枠ではなく一般枠で受験しています。彼らの親御さんと話す機会がありましたが、帰国子女は一般枠の方が有利に戦えると言っていました。

 

言うまでなく英語がネイティブの彼らは英語以外の二教科に勉強時間を充てることができるので、息子みたいに平凡な子よりもかなりのアドバンテージがあります。それに早慶受験の英語の出題問題は中学英語をはるかに超えた長文と難問です。

 

なので早慶受験は帰国子女が有利となります。それを踏まえ、早慶受験を甘く見ず、受験対策はできるだけ早くスタートを切った方が良いと思うのです。

 

余談ですが、私の知り合いに息子を早慶に進学させたい母親がいました。でも彼女は、息子は中学2年の夏くらいから早稲アカに入れば間に合うだろうと考え、それまで子どもは部活動に専念していました。その息子さんは中学2年の夏期講習から早稲アカに入塾しましたが、学習進度に追いつくことはできず、むろん早慶は全落ちし、中堅の自称進学校に進学しました。学校から出される山のような宿題をこなしても大学受験でも早慶は全落ちし、一浪してMARCHに進学しました。

 

 

サピックス中学部でかかった費用


我が家がサピックス中学部に支払った金額は下記の通りです。

 

中1(5科目)514,632円

中2(5科目)660,440円

中3(3科目)950,240円

合計 2,125,312円

 

※平常授業、春期講習、夏期講習、冬期講習、GS特訓、志望校別対策講座すべて含んでいます。

※年度ごとに料金が変動する場合があります。ご了承ください。

 

今、思い返せば、結構な額を支払ったと思います...。驚き

 

我が家はさほど裕福ではないので、切り詰めるところは切り詰め、色々とやりくりして捻出した感じです。これだけのお金を支払って、もし息子が適当な気持ちで通っていたら、私の心は折れていたと思います。ゲロー

 

息子も薄々、苦労して支払っていると気づいていたと思います。息子はなんとしても早慶以上に入りたいと渇望していましたし、怠けずに3年間、頑張り続けました。たとえ結果が振るわなかったとしても支払った金額は無駄ではなかったと思います。

 

逆に息子の学習意欲が低いと親としてはかなりキツいです。実際に授業中寝ていたり、宿題も出したり出さなかったり、そういう子は実際にいましたし、その子の親は大きな出費を強いられ、家庭内不和に繋がったと思います。

 


クラス分けについて


サピックス中学部では定期的に行われるテストが偏差値50以上だと応用クラス、以下だと基礎クラスに分けられます。(生徒数が多い校舎では3クラスに分けられます。)この偏差値というのは、やる気の数値とも言えます。

 

サピックス中学部の最初の保護者会で、学年主任から「応用クラスに在籍している生徒の7割は早慶付属校のいずれかには合格しています。」という説明がありました。

 

本当にそうなのか?と思っていましたが、実際、息子の代もそれくらいの割合、もしくはそれ以上の割合で、応用クラスの子は早慶付属以上に合格していたし、ダメでもMARCH付属には合格していました。サピックスの合格率はかなり高いと思います。

 


宿題の量


サピックス中学部のテキストは小学部と同様に基本的に授業内で当日配布されます。予習はせず、家に持ち帰って宿題と復習をするスタイルです。宿題の量は適量でした。特に中学1、2年生時は抑えめの量で、学校の宿題や部活をやってもこなせるレベルです。(ハードな部活は両立できるかわかりませんが。)それでもやらない子はいましたし、当然のことながら、それではサピックス内の偏差値は50以下となってしまいます。

 


サピックスはオススメか?


サピックスといえば小学部が有名で中学部は校舎数も少なく目立ちませんが、早慶を含む難関校、MARCH付属校への合格確率が高い塾だと思います。やる気さえあれば、いずれかの早慶付属、ダメでもMARCH付属、それに相当する進学校には合格できるレベルに達します。そういうシステムが構築されている感じです。

 

塾風はスパルタ系のゴリ押し感はほとんどありません。担当講師陣も熱血とはほど遠く、熱量で生徒を盛り上げることもない感じです。宿題量も加減されており、息子は受験本番まで十分な睡眠時間を確保していました。サピックスから帰ってきて風呂に入り、夕食を食べながらNETFLIXでアニメを数話分見て気分転換していたくらいです。

 

少人数制なので講師に質問もしやすく、息子もよく居残ってわからない問題を理解できるまで質問していました。(サピックスを使い倒していました。)

 

子どものモチベーションが高かったり、勉強はやりたくないけどやらないわけにはいかないと理解しているタイプであれば、とても良い進学塾だと思います。逆に親御さんが言わないとやらないタイプ、言ってもやらない、反抗するタイプは向いていないかもしれません。その場合、宿題をやったりやらなかったり、寝ていたり無断欠席するなどサボる傾向があり、途中でやめていく子も一定数います。

 

そもそも難関校〜MARCH付属に合格できるのは最初からモチベーションが高く、努力を惜しまないタイプで、偏差値が高くなればなるほどその傾向が強くなるのは言わずもがなです。なので、この層を多く囲い込むことができる塾は合格実績と確率は高くなるとも言えます。

 

そうではない子ども(モチベーションが低い生徒)をお客様として多く取り込もうとするか、入塾テストの結果でお断りするかは塾によって異なり、サピックスは後者であるともいえます。

小学6年生2月、中学受験敗退から約2週間後、息子はサピックス中学部の「新中1 準備講座」(体験コース)に参加しました。

 

この時期、公園では、中学受験を終えたばかりの子供たちが羽を伸ばして遊んでいます。(同級生の多くは一日中ゲームしたり、公園で遊んで過ごしていました。)彼らにとって受験は終わった話。これから楽しい中高一貫校での生活が始まる、そんな期待感でいっぱいだったと思います。残念ながら中学受験を敗退した息子にとって、彼らは別世界に生きています。

 

新中1 準備講座は2日間の日程で行われました。

息子はサピックスから帰ってくると、どんな様子だったか話してくれます。

色々な子が来ていたそうです。

問題が解けるたびに「よっしゃー!!簡単じゃん!」と声に出す子。

できないと泣き出してしまう子。

スラスラと解けちゃう子。

 

最初の1日目は、緊張していてみんな大人しかったのですが、2日目になると、授業中におしゃべりをする子も出てきたそうです。体験入塾ですし、よく分からないまま、親に連れられて来た子もいるでしょう。

 

2日目の最後にテストを受けました。そのテストの結果次第で入塾できるかどうかが決まります。結果報告は来週に電話での連絡になりますとのこと。

 

「頼むから合格してくれ...。」と思って数日過ごしました。

そんなに不安にならなくてもだいたいの子は入塾できると思うのですが、中学受験での不合格を経験した当時、これでサピックス入塾が不合格だったら本当に精神的にきついと思っていました。

 

ようやく連絡があり「入塾できます。」と告げられ。まずは一安心でした。

 

後日、入塾オリエンテーションに行きました。学年担任の先生から、塾内のルール、禁止事項、勉強の進め方、スケジュールなどの説明を受けます。

 

母親と来ている男の子がいました。その子は教室の端に座り、講師が説明している最中、こっくり、こっくりと居眠りをしていました。その母親は子供の横で熱心にメモを取っていましたが、子供はあまり関心がなさそうです。地頭が良く、やる時はやるタイプなのか?それとも全くやる気がないのか?不明でした。(その後、この子は中三の夏期講習期間の自習室でも居眠りをして、結果的に早慶は合格できませんでした。)

 

ある女の子は講師の近いところに座り、凛と背筋を伸ばし、熱心にメモを取っていました。配られたテキストをまるで宝物のように大切に触って、揃えています。その子の母親はアシスト役の感じで、端に座っていました。(この子は結果的に第一志望の東京学芸大学附属高等学校に進学しました。)

 

高校受験がすでに終わった今振り返ると、オリエンテーション時に見た子供たちの様子は、そのまま受験結果に反映された感じです。モチベーションが低そうな子がその後、覚醒して急激に偏差値を上げることはなかったですし、逆にモチベーションが高い子はそのまま走り抜き、最後まで高い偏差値帯に留まりながら受験本番を迎えていました。