既婚者の休日に私から連絡しない

既婚者の休日なんて欲しくない

家族サービスしてあげて


そして


家族の幸せを感じながら

夫婦の不穏を感じて

私に幻想を求めればいい


私は休みを自分の為に過ごす

…はずだったけど


「年明け空いてる日あったら会いたい」


年末、急にリクエストがあったのは

健太だった

お正月なのにデートの約束

何年か前ではありえないことが

最近多々起こるなぁと思う…


「るあにあいたい。初詣も行きたい」


健太とホテル以外の場所で会うの

初めてだな…


いつもの場所で待ち合わせて

いつもと同じホテルで抱き合った

やっぱり健太とのセックスは最高にいい

優しくて丁寧でツボを知ってる

パズルが隙間なく合致したような私達

入れるだけで、うねるだけで、

二人共吐息がもれる


後ろから抱きしめて

肩や耳を甘噛みしてる

健太の興奮した温かい吐息がかかる


「気持ちいい…」

「俺も…」


健太は安定のセフレ

今年も求め合うだろう


健太が選んでくれた小さな神社は

人がまばらで不倫カップルには安心

寒くて健太の腕に寄り添った

澄んだ夜空に星がすごく綺麗だった

すれ違う人、家族連れ、夫婦

私達はどう見えるんだろう

寄り添って幸せそうに笑う

きっと仲良し夫婦だったとおもう


二人で並んでご祈祷して

顔をあげて隣をみると

健太は真剣にお願いをしていた

彼は何を願うんだろう

家族の健康と幸せ

私もそうだったから同じな気がする


繋いだ手は恋人繋ぎ

こんなふうに手を繋いで歩くのは初めて

健太はやっぱりかっこいい

束の間でも

健太と恋人同士みたいに歩けたあの夜は

一生の思い出になったよ






9月にマサキと再会してから

マサキの店に頻繁に呼ばれるようになり

私達の苦しかった空白の3年間は

嘘のように埋まって行った


変わったのは私

マサキのことはすき

すきにさせたいとおもう人

その心を誰より奪いたいとおもう人


だけど

彼を知れば知るほど

彼のクソ度が加速する

嘘つきで、適当で、楽しければいい男

だけどイケメンであざとくて

女の子はほっとけないタイプ

危なっかしくて人懐っこくて

目が離せない


マサキは計算をしってる

どんな目で見つめて

どんなふうに抱いて

どんなふうにキスしたら女が喜ぶか

本能で覚えてる


マサキをすきになった女は

毎回同じ手口で落とされて

その気になって

エッチしてマサキを好きになる

本気になった子?

めんどくさくなったら捨てるの


「私らって一体何なん?!」

「それって決めんでよくね?」


はい終了ー


都合悪くなったら


「俺飲みすぎて何も覚えてねー

    完全に記憶喪失!笑笑」


ほんとに適当でずるい人


マサキといると楽しいよ

イケメンだしおもしろいし

私を好きなのがわかるから


でも私は好きって言わない

昔みたく好きな気持ちは

3年前のホテルで捨ててきた


私は誰のものにもならない


マサキの友達が店にきた

同業者で31才にして社長


「こいつアキ、イケメンやろ?」


マサキが1番に紹介した子は

キレイな顔をしたイケメン社長だった

マサキのオス感とは違って

彼は大人しくて誠実で清潔感があり

頭が良さそう

よく気が効くし気がつく

31にしてはなかなかのジェントルマン


その時は特に何も思ってなかった

あんまり興味もなかった

タイプじゃなかった


でも、彼と2人きりになった時に

「今度メシでもいこうや」

と誘われた

断る理由もなかったから

連絡先を教えた


アキはどんどん私にハマっていった

一緒に暮らしていた彼女に別れを告げて

家を出た


そして…


車の助手席に差し出すアキの手

私は指を1本ずつ握っていく

ゆっくり爪でなどる

どきどしして体が熱くなるでしょう?

もっと色んなこと

したくなってきた?


暗闇の中目が合って、見つめて

私は笑って視線を逸らした


「またね♡」


焦らして焦らして

どこまでガマンするのか見てる

解禁した時の勢いが楽しみ


私は誘惑が大好き

アキは今も彼女に愛されてる

でもアキの心は私のもの


「天国連れてってあげるよ」


だって、ほんとだもん


彼の存在のおかげで

今まで見たことがないマサキを

私は見たんだ











彼は最低でクズ

だけど私のことが好きでたまらない


寂しがり屋で優しくて

全部自己中で

どうしようもないクソ男


だけど


「るあ、俺から離れんで」


そう言って私を抱いて

私の胸に顔をうずめる


微笑むだけの私を見て

子供みたいな顔をしていう

「わかっとんやろ、俺にはお前しかねーの」

「え、わかんない笑」


わかんないよ

そんなん嘘っておもってるよ


サラッと流した私の首を

マサキは勢いよく絞める


苦しい…

苦しい……もっと…


「もっと強く…して…」


息ができない、苦しい

苦しがる私の顔を見るのが

あなたは好きでしょう?


もっと、絞めて…

苦しむ私に興奮して


「綺麗よ、るあ」


私は綺麗


いつか絶対マサキを翻弄させる

今、叶う、野望


「俺のこと、すきでおって」


マサキがこうなるまで色々あった

色々、あったなー


人生、予期せぬことが多々起こるもんだな










健太と知り合ってもう1年以上経つ

初対面の時、顔も声もマサキに似てて

胸が苦しくなるくらいびっくりしたっけ


でも

さっきマサキに会って

こうやって健太の横顔を見たら

全然似てないし 笑


「ごめんな、遅くなった」


いつも通り目を合わさず無表情

だけど…


「久しぶりやね」


って、私が笑いかけたら

嬉しそうに笑う人


彼は時が経つ毎に私を大事にしてくれる

自惚れじゃなく、そう思う

それが彼にとってバーチャルであり

一時の癒しと快楽と優越感でもいい

健太は私を大事にしてくれる人


その温度は会う度に高まり

ホテルでコーヒーを入れてる私の後ろから

優しく抱きしめてキスする

優しい目、笑顔

健太は本当に変わった


キスをして私の体をゆっくり撫でながら

舌を絡ませる

長い長いキス、健太は止まらない

どうしたの…?


マサキのキスは完全に健太で消えた


健太との相性は抜群にいい

本当に気持ちよくてヤバイ


「俺の気持ちいい?」

「うん、めちゃくちゃ気持ちいい…っ」


健太は私の一番奥まで入れたまま

私をきつく抱きしめ首筋に何度もキスする


「俺以外の入れちゃだめ」


健太の独占欲

軽く首筋を吸ってる

私を自分だけの物にしたいんだね

愛おしくて仕方ない

健太、大好きよ


マサキのことなんか忘れてた

ありがとう健太

ごめんね…


帰り際、健太が私に差し出したのは

可愛いキーホルダーだった


「るあが頑張れるようにお守り」


照れくさそうにしてる健太

忙しくて疲れてる私のこと

いつも心配してくれる人


健太の気持ちがすごく嬉しかった

小さなキーホルダー

でも、愛が詰まってる


「ありがとう!ほんまに嬉しい!」


眺めては握って、嬉しくて笑った


「大事にするから、ずっと!」


健太の嬉しそうな顔

その笑顔は、今私だけのもの


このままでいいの

今のままで、私は十分幸せ

健太の全てが欲しいなんて思わない


バーチャルを楽しんでるのは

私の方だから


あなたの癒しで在りたい

あなたが一番欲しい女でいたい


それが私の存在価値











健太と待ち合わせ、いつもの駐車場


車のエンジンを切った

音楽も、エンジン音でさえ

邪魔に感じた


静かで真っ暗な車内で目を閉じる

今頃になって少し震えてる

胸が、きゅっとする


浮かんでくるのは

マサキの笑顔

真剣な目

抱きしめられた感触


静かに高鳴る胸に

思わず手を当てた


私はこの痛みの怖さを知ってる

「幸せ」だと思っていた痛みは

その強さの分、一瞬で苦しみに変わる


でも


私は幸せだった

あんなに憎んだ人だったはず

でも、幸せだったのは


行き場のなかった私の欲求を

成すべき人が叶えてくれたからだと思う


他の人では消せない痛み

それは痛みを与えた人にしか癒せない


マサキと向き合って

お互いの気持ちを伝え合う


それだけで良かったんだ

それだけが叶わなかったから

辛かったんだ


やっと苦しみから解放された気がした

想いが叶うとか

またヨリが戻るとか

そんな欲はなくて


3年前の私達にピリオドを打てたことで

やっとマサキへの憎悪から解放された


ただ


この胸の感覚は

やっぱり恋に似てる

私はマサキを愛してたから

その記憶が蘇る


今のマサキがどんな生活をしているのか

誰と絡んで何が楽しいのか

何に不満があるのか

どんなつもりで私を抱きしめたのか

何もわからないけど


何も知らなくていいと思った

マサキに深入りするつもりはない

マサキの全てが欲しい訳でもない

マサキが誰と遊んでようが私には関係ない


マサキがどう、じゃないんだ


私が欲しい時に、欲しいだけ


目を開けると月が見えた

やけに優しく私を照らす


この3年間で私は

執着を手放した

好きになりすぎて

欲しがりすぎて

執着した方が負け

苦しんで終わり


愛しすぎて、欲しくて、狂おしい

そんな恋はもうしない


こんな穏やかな月のような恋がいい


深呼吸して震える体を落ち着かせて

健太にライン


「もう着いたよ、待ってる♪」


まだマサキの余韻が残る指先で

唇をなぞる


マサキのキスは

あと少しで

他の男に上書きされる


今だけ

健太がくるまで

目を閉じて

マサキの余韻に浸っていたい


心地良い、恋の味

私はこの感情が

この世で一番好きだ











指先でマサキの手に触れる


「えっ…」


驚いたマサキの手を見ながら言った


「ぎゅってしてみて?」


マサキは無言で私の手を握った

マサキの手、こんなだったっけ

ほんと、何もかも忘れてるな


ふふっと笑って、手をほどいた

そして

マサキの腰に両手を回す


「ぎゅって、してみて」


マサキは、ゆっくり私の体に触れ

私を抱きしめた


マサキの体の感触

これも忘れてる


「あー…」


これが、マサキだった

幸せだった

すごく心地よかった

大好きだった人

その人の腕に抱かれてる

なんて幸せなんだろう

思わずぎゅうっと抱きしめた


「何これ、めっちゃ幸せなんやけど」


マサキの首筋を鼻で撫でる

キスする


「マサキ…」


愛しい人。


私はあなたを

誘惑したい


静かな暗闇の中

月明かりだけがぼんやり二人を照らした


マサキは小さくため息をついて

何かを解き放ったように

強く私を抱いた

私の髪に顔をうずめ

頭を撫でながら

本能のまま私を強く抱きしめる


伝わってくる、愛しい気持ち

ずっとマサキの中に眠ってた感情


ねぇ、マサキ

私に、会いたかった?


体を離してマサキの目を見つめて

お互い笑いあった

そして

マサキの唇に軽くキスした


「お前…ムカつくわぁ…」


マサキがすかさず私を抱きしめる

振り回すくらい、強く

私達はあの頃のように

じゃれ合って笑った


目が合ってマサキが私にキスをした

何回も、何回も…


マサキのキスももう忘れてる

マサキの全部、初めてみたいだよ


「かーえろ」


私の顔を、髪を、撫でるマサキの手から

するりと逃げて

私は出口に向かった


お店の外に座って

鍵を閉めてるマサキを遠くからみつめてた


「会うきっかけあって良かったね」


そう言った私にマサキが言った


「DVDは見ろじゃなくて返しに来いが目的」


「まじか 笑」


「てか、動揺して鍵が閉まらん」


ガチャガチャやってるマサキが可愛くて

次会えるきっかけ作ってたマサキに嬉しくて

幸せな気持ちでマサキを見てた


こっちに向かってくるマサキは

あの頃と変わらない笑顔で…


「会えてうれしかったよ」


そう言った私の肩を強引に引き寄せた

いつかデートした時と一緒

マサキは変わらない


「またな」

「またね」

「近々な」


マサキは「近々」会いたいんだ

びっくり

お互いの確信はつかないまま

マサキの「つもり」もわからないまま


マサキの笑顔に見送られて

笑顔で手を振り

じんわり熱い胸を感じながら


私は他の男に会いにいく












「最後どこまで伝わったかわからんから

    同じこと言ったらごめんね?」


そう切り出した私に

マサキが少し緊張したのが伝わる


「私あの時、マサキのこと理解しきれなくて

    自分の気持ちばかり押し付けて

    苦しい思いさせてごめん」


私がそれを言い終わる前から

マサキはずっと首をふっていた


「るあはなんも悪くねーよ

    るあくらい俺のこと理解してくれるヤツ

    おらんかったよ、なのに俺がな、俺が…」


マサキはずっと胸に手を当てて

悲しく笑って言った


「結局俺は、自分が一番可愛いから

    苦しくてもうダメやと思ったら

     シャットアウトしてしまうんよ

    るあはなんも悪くない、俺が勝手なだけ

    だから俺の方こそ、ごめんな」


それを聞いて、私の解釈が

少し違うことに気付いた

マサキは、私が離れていくことが

怖かったんじゃないか

強がって平気なふりしてたけど

本当は…


「マサキ、なんかあった?」


「なんもねーよ、ただなんか気になって

    俺の勝手で急に連絡してごめんな

    なんか小さな幸せ探しってか…

    酔っとったんよ、うん、そう!」


「あ、そう、なら良かったわ 笑」


笑ってちょっと息が抜けた雰囲気のまま

私は続けた


「あんな、私が後悔したことは

    マサキに苦しい思いをさせてしまったこと

    もう私じゃなくてもいい

    マサキが会いたい人、遊んで楽しい人と

    やりたい事、楽しい事、思う存分楽しんで

    マサキが幸せに生きるならそれで良かった

    私はマサキを苦しめるばかりで

    マサキの幸せが私じゃなくなったなら

    これ以上マサキを想い続けるのも

    辛かったから、私はそこで 終止符を打って

    マサキのLINEを消したんよ

    どんな未練が湧き上がっても

    連絡できないように」


マサキはずっと私を見てたけど

目が合わせられなかった


「だから、マサキからラインあって

    またこうやって会うことができて嬉しい

    ちゃんと気持ち伝えられなくて

    ずっと後悔してたから、良かった」


あの時私、ちゃんと笑えてたかな


「俺も後悔したよ、ずっと

    るあとの未来を選んでたら

    もっと違う人生だったかなって、思った」


そんな選択できる度胸なかったくせに 笑


「俺、ほんまあんな好きになれたことなくて

   だからるあはなんてゆうか

    俺にとって神なんよ

    だからこうやって会いに来てくれて

    ほんま感謝、ありがと、嬉しかった」


マサキが私の前で手を合わせる


「でも俺、もう恋はせん」


マサキは、最後に会ったあの時と同じ顔をして

悲しく微笑んだ


「うん、わかる。うちもそう」


もう本気の恋は、怖くてできない

それはお互い同じだった


「でも私ね、あの時

    マサキが突き放してくれて良かったよ」


その言葉にマサキが「意外」な顔をした


「マサキと別れて私変われた

    またいつか誰かを好きになった時は

    相手の幸せをわかってあげようって

    思ったなぁ」


すかさずマサキが返す


「それはあかんやろ!

    それってるあじゃねーじゃん!

    るあの本心我慢して抑えて

    相手に合わせるって嘘じゃん!」


そうだよ

そう、してきたよ、ずっと

誰かを本気で好きにならないのも

自分を守るためだよ

相手に合わすのも、その方が愛されるからだよ

男に期待してないからだよ

全部、マサキが教えてくれたこと


「そんなの、るあじゃねー…」


納得しないマサキに、私は笑った


「私がそうしたいんだから、えーんよ」


マサキは私を見つめて言った


「るあ、幸せになってな」


また手を合わせる、私、神?笑


「ありがと」


あっという間のタイムリミット


店の照明を切りながら出口に向かう

暗闇の中、先に歩く私の足が止まる


無意識だった

振り向いてマサキに近付き手を差し伸べた


マサキ

私はあなたに…










3年ぶりのマサキは

私が覚えてたマサキとちがって

なんだかすごく幼く見えた

こんな可愛いイケメンだったっけ?


マサキとの制限時間は1時間

その後は健太と約束を入れている

私の決心が揺らがないように

私の平常心が乱れた時

健太に救われるように…


応接室に入ってすぐ


「これ見た?」


と差し出されたのは

二人が大好きだったアーティストのDVD

マサキと別れてからは

聞くだけで苦しくてムリだった


「見てない、聞けん〜」

「まじで?貸してあげるわ

    今回の今までで一番カッコえーよ」


マサキから連絡があってから

今まで苦しくて聞けなかった思い出の曲を

久々に聞いてみた


その歌声はマサキに似てて

いつも胸がきゅーっとしてた

マサキと別れてからは

悲しくて辛くて苦しくてムリだったけど

その日の歌声は

胸がじんわり熱くて

久々に、恋の味がした


マサキが消えて

苦しみの中マサキへの気持ちを殺して

マサキを憎んできた日々


なのに

彼と繋がれた安心感で

今までの憎しみも辛かった日々も

全部スーッと消えて行った


目の前にいる

愛しかった元恋人

何も変わってない

相変わらずカッコイイ


あの頃みたいに

どーでもいい話をして笑いあった


ふと沈黙があって

マサキが私を見つめた


「一段と綺麗になったな」


ああ、私

そう言わせてやるって思いながら

ずっと頑張ってきたんだよ


「ありがと、うれしい」


満面の笑みでお礼を言った


別れを決心したとき

最初に存在を消したのはマサキだ

不完全燃焼

マサキが何を思い

何が原因で消えたのか

私は確信を突かず

ただ自分なりの考えで無理やり終止符を打った


マサキからあの頃の気持ちが聞きたい

でもその前に

私の後悔を伝えたかった











マサキと3年ぶりに話した私は

たぶんあの当時とは別人だったとおもう


マサキに求められたくて

誰よりも一番の女でいたくて

いつもマサキの気持ちをさぐりながら

嫌われないように違う自分を演じてた

物分りのいい、控えめな女

本当は全然ちがうのに


マサキを独占したくて

あわよくば奥さんと離婚させたかったり

そんなことを意識しながら

マサキの理想の女を演じていた


マサキと別れてから

私は駆け引きを覚えた

出会う男全てに実践して

全員虜にしてきた


その証拠に

離れていった男が全員私に戻ってきた


執着しない

本気にならない

私は彼らと会いたい時にあって

その時間だけを楽しみ

終われば気持ちを離した

その繰り返しだった


これはマサキとの別れから得た教訓

そしてミッションだった

これができるようになれば

私が彼らを支配できる


私の後悔は

マサキに依存したことだ

マサキの価値観や人間関係

それを理解、納得せずに

全てをマイナスにとって

マサキを責めて逃げられた


あの時、私にとってマサキが全てで

欲しくて欲しくてたまらなかった

2人での人生を本気で考えてた

その思いがマサキには重かったんだ


今思い出したら良くわかる

逆の立場でも逃げたくなるだろう

自分には叶えてやれないと

自己嫌悪にもなるだろう


他に私のことを好きだといって

その人が私が欲しいと言えば

自分には叶えられないことを

叶えられる男がいると知れば

どんなに渡したくなくても

判断はるあに任せる、としか

言えなかったんだろう


なんで私は

あんな無駄な駆け引きをしたのか


寂しくて、マサキの愛情を感じられず…

でもマサキの愛情をはかるのは

ラインの頻度や

会いたいって言ってくれなくなったこと

そんなんじゃなかったと今は思う


マサキはいつも

私のことを本気で抱いてくれていた

好きにも嘘がなかった


なのに、私は

目の前にある浅い判断で

マサキを突き放した


信じてなかった

私は、弱かった


あの当時はわからなかった

女友達や元カノと遊んで

楽しそうなマサキが

私から離れていく気がして

不安で仕方なかった


元カノに私のことを相談したのは

私のことが本当に好きだったから


私にはまだ理解しきれてないけど

マサキにとって男女問わず

大事で大好きで譲れない友達がいるのは確か

それを心から理解して

嫉妬も疑心も捨てること

そして、その人達と遊ぶ時間も大事なのだと

芯から理解すべきだった


私はマサキの愛情を信じることができずに

駆け引きをしてマサキを試し

自らマサキを突き放したんだ


あの時の私は醜かっただろう

きらいやわ、って言われて当然


あれから色んな男と絡んできて

今思うのは

今ならマサキを

自由にできるのにという後悔


全然嫉妬しないかというと嘘になるけど

女友達や元カノに対する気持ちと

私に対する気持ちはちがうって言ったの

今は本当だったんだなって思う


私から連絡しないと会えないのも

今ならそれでいーじゃんて思う


私には、私を愛してくれる男が

他にもたくさんいる

マサキもそのうちの1人になる

そう思えば

マサキに過剰な執着はしない


また1人

私の彼氏が増える


忘れられなかった男、マサキ

3年ぶりに連絡してきたのは

その間に色んな女と関係をもち

それでも消えなかった私への気持ちを

一か八か伝えたかったのだろう


久々のラインから

一度もラインしなかったけど

今日軽い用事を口実に

また今度ちょっと店寄るわーのラインに

めちゃくちゃ喜んでた


私との再会を

本当に心待ちにしている

「会えるの楽しみすぎる♡」

♡いっぱい入ったラインに驚く


その手には乗らないとゆう

私の歪んだ思考はそのままでいい


私は友達の感覚でラインする

好きなんか絶対言わない

会ってもすぐ帰るつもり


決戦の日までまたラインはしない

自分磨きをして


「綺麗になったな」


って言わせるのが

私の目標











マサキはモテる

あの人はあざとい

自分の魅力を知ってる

モテ方も知ってる

悪い人


あのタイプの男に本気になると

痛い目に遭う


私はマサキと別れてから

誰にも本気にならなかった

なりそうになっても

そんな自分を否定して阻止してきた


本気にならない術は

身についてるはず


マサキは

多分私に会いたいんだろう


マサキの思い出も

あの頃のまま止まっていて


幸せだった2人の思い出の季節

夏の匂い、風景、場所

それに触れて、私の面影を感じる度に

マサキもあの頃を思い出してた


「ずっと連絡しようと思ってた、けど…」


それ、前にも聞いた事あるな


「あの時俺が一方的にアレしたから

    なんか…」


そうだったね、最低


「でもずっと、るあのこと考えてて

    気になってて…」


半分ほんとで、半分うそね


「今るあが幸せなら

    俺が邪魔したらあかんから…」


意味がわからない

じゃなんで、連絡してきたの?


私はもう、あの頃の私じゃない

あなたしか見えなくて

あなたにすがった

女々しい私じゃない


はっきりしないラインがまどろっこしくて

すぐに電話した


「なんなん?意味わからん 笑

    私マサキと絡んだら不幸になるん?」


マサキはたじたじだった


「もーずっと前のことすぎて全部忘れた!

    3年も経ったらお互い色々時効じゃん?」

   
本当は…

全部覚えてる

あの頃潰れそうだった胸の痛みも

溢れ出して止まらない涙も

眠れない日々も…


でも、私の口から出るのは

強がって平気なふりした嘘ばかり


「辛かったこと忘れたいから

   楽しいことで上書きしてきたし

    もう忘れたー」


マサキの罪悪感と警戒心を払拭する

今はそれが最優先


あの時、最後に送ったライン


「マサキが楽しいと思うことをして

    目いっぱい幸せになってね」


あれは、最後に撒いた賭けの種


いつか、私の最後の言葉が

マサキの未練に繋がるように

時間が経てば経つほど

きっとその種は強い芽を出すと信じた


人の記憶は

時が経つ毎に悪い出来事を排除する


その人と過ごした私に魅力があって

他の誰も勝てないなら

私はまた、彼らの記憶に甦れる


マサキに撒いた種

芽が出た今

ここから、どう育てようか


もう追わない

絶対に私は

マサキを虜にする