不倫は虚しい

不倫する男にまともな人なんていない

いいのは見た目だけ

本気で愛してくれるなんて期待してない


「好きだよ」


と囁く男に微笑み返して


「私も」


騙されてるふりをして

キスをする


男を信じられなくなったのは

不倫したからだ

不倫するゲスな男との恋愛の味を

知ってしまったから


いい男は結婚してる

どうせならいい男と絡みたい

でも、本当は最低な男を選んでる

矛盾のループにハマって

抜け出せない


男達に絶望しながら

今日も私は彼らを翻弄する

それぞれが好きな私に成って

目で、声で、しぐさで

心を奪う

それが私の復讐


久々に会ったマサキの前で

アキが私に耳打ちする

マサキが電話をしながら

こっちを見てるのがわかる

アキとの距離に

妬いてる、きっと


アキがいなくなった隙に

マサキに囁く


「キスする?」


マサキは嬉しそうに笑った


暗闇に私を連れ込んで

抱き寄せてキスをやめない

いつものように首を絞める

マサキの愛情表現


「まじ今度メシいこうぜ」


マサキから誘ってくるなんて久々

嫉妬は恋のスパイスって本当


私はのまれない

私が彼らを動かす


いつまでも追われる女でいたい











家に着いて束の間

直也から「着いたよ〜♪」とご機嫌な着信

寝ている子供を起こさないように

静かに家を出た


駐車場に見慣れた直也の車

助手席に乗り込む

直也が私を見つめて笑う


「すごーい会えた♡うれしい」


そう言って笑った私を急に引き寄せて

激しくキスした


ほしくて、がまんして、

やっとありつけた獲物に飛びつく獣みたい

直也のキスは止まらない

そう、私

このキスが欲しかったの


一瞬離れた唇

直也の目を見つめる

ギラギラしててたまらない

思わず吐息が漏れる


やめないで

もっと欲しい

もっと、もっとして…


言葉にしなくても視線で伝わる


直也が唾液と舌を絡ませる

唇を舐める私の舌に吸い付く

突き出した舌を唇でゆっくりピストンする

口の中が性感帯になったみたい

キスだけでイキそう


よだれだらけの自分の唇を指でなぞって

そのまま咥える


直也の、舐めたい…


私の様子を見つめながら

直也がどんどん興奮していく

直也の息遣いが荒くなる

唇に差し込んでいた指をそっと引いて

自分でするように仕向ける


直也に導かれるままオ〇ニーした

目を開けると直也が私を見つめてる


「直也…気持ちいいよ…」

「気持ちいいの?やらしい…」


直也から目をそらさず快感のまま悶えた

見つめられるだけで濡れる


真夜中の駐車場、車の中

誰かに見られてるかもしれない

そう思うと更に興奮した


「あぁ…るあ…したくなっちゃうよ…」


深夜2時

今すぐ繋がりたい二人


「るあの家いっていい?」











健太は安定のセフレ

会うのは1ヶ月に1回

会いたいって言ったら急でも予定合わせてくれる

休みなのに私と一緒に過ごしてくれる

体の相性は過去一かも

私の体をどんどん知りつくして

狂いそうな程の快感で満たしてくれる

相変わらず私好みのイケメン

快感の海にのまれながら

私を見つめる健太を見上げるのが

たまらなく好き

健太が私の中で勢いよく果てる

この瞬間もたまらない


健太とバイバイしてスマホを見ると

会社の男の子からお誘いライン

一回り以上年上、バツイチ子持ちの私を

誘ってくれて光栄

「行きます」と返事をしてスマホを閉じる


帰宅ラッシュの信号待ち

慌ただしさと終日の安堵に紛れるホテル帰りの女

誰も気付かない、自分だけが知ってる

不思議な感覚


「キスしたい」


さっき健太としたばかりなのに

直也にラインする私は頭がおかしいのだろう


健太のキスより

直也のキスの方が好きだから


「キスだけ?」


直也からの返事を未読スルーして

お誘いの場所へ向かう


ラインが入る

マサキだ

♡がいっぱい入ったライン

どうゆうつもり?

めんどくさい、知らない、既読スルー


またラインが入る

今度はアキだ


「何してるの?」


なんだこれは

急にモテラッシュ


夜の街はキラキラして

違う景色、わくわくする


若い男の子と遊ぶのも刺激的

でもやっぱり子供すぎて…


「俺、ぶっちゃけるあさんのこと狙ってます」


囁かれたけど、微笑んだだけ


ずっと放置してたスマホを開くと

直也が会いたいって言ってる

遅くまで遊んでる私にご立腹


「ごめんね、私も会いたい♡大好き直也」


直也はすっかりご機嫌


「迎えに行こうか?1人で帰れる?」


深夜1時


「ねぇ、るあに会いたい」


不思議

今日は健太とセックスして満たされたはずなのに

もう直也が欲しい


「いいよ」


自分のビッチさにびっくりする


でも今

今日絡んだどの男より欲しいのは

直也のキス、体、全て


あなたと舌を絡めたい











最近、マサキの様子がおかしい

急に態度が変わった

そっけない、冷たい

目を合わさない、笑わない

店に行っても無視、放置


何?


感じ悪すぎて腹立たしい


何が原因なのかわからないけど

拒否してるのわかりすぎ

本当に感じが悪い

嫌いになりそう

てか、めっちゃ嫌い


時期的にはアキと連絡を取り始めた頃から

そこから徐々に感じ悪さが増してる


妬いてんのか何なのか

アキから何か聞いたのか知らないけど

自分のことは棚にあげて

一方的に避けるとかほんと子供

マサキが言ったんじゃん?


「俺が知らなかったら他に男がいてもいい」


って。

それがあなたのルールなんでしょ?

私に突きつけたルール


私はマサキの理不尽で自分勝手なルールを

胸を引き裂かれる思いで飲んで

純真な心を殺して

「お互いが知らなければ何股かけてもOK」

てゆうゲスなルールを

常識としてインプットした


マサキは、私が何も知らないと思ってるの?

知ってるって言ったよね?

私には嫌でも情報が入ってくる

探さなくても男達が教えてくれる

マサキも知ってるなら

お互い様じゃない?

私はあなたを責めない

だけどあなたは逃げる


やっぱりマサキは卑怯だ


「だって俺が例えば6股かけてたとして

    誰かに迷惑かけた?!って思うしな!」


その時私「そうだね」って言ったけど

グーでぶん殴りたかった

誰にも迷惑かかってないと思ってんの?

そうね、迷惑はかけてない

でも

全員傷付けてるよ

「傷付けてる」よ。


やっぱりマサキはクズで最低な男

マサキを好きになって

マサキの常識に感化された私も最低な女

マサキに振り回さてる私は醜い

誰から「好きだよ」って言われても

「ほんまに?」って言ってしまうのは

男という生き物を信じてないから

裏切られる前に裏切る

振り回される前に振り回す

そんなマサキの真似をした

最高で最低の女


また憎むようになってしまった

もう勘弁してよ

私のことを愛さない

面倒くさい男は大きらい

いらない



直也は私に毎日会いたがる

ちょうど奥さんは海外出張中

直也の欲望は止まらない


求められることが嬉しかった

恋かもしれない久々の感情に

胸がきゅっとなった

でも、続いて私を襲う不安

それに気付いて、期待を消そうとする

その流れが癖になっている自分が悲しい


「るあって人見る時にこうやって見るよね」

直也が上目遣いを真似する

「うそ、わかんない」

「やめた方がいいよ、男は勘違いするから」

店員さんを見ながら直也が拗ねている

「あの店員、勘違いしたよ絶対!」

この人、そんなこと考えるんだ

拗ねてる、妬いてる

可愛い


「ケチャップついてるよ」

直也が自分の口元を指さして教えてくれた

私は無言で顔を近付けて直也を見つめた


「…舐めたい」

「舐めて?はやく」


我慢しきれない直也が

可愛くてたまらない


私好みの顔

抜群のスタイル

キスしても抱き合っても飽きない

40すぎてもこんな子とセックスしてる

求められる女でいられることが幸せ


「るあ、好きだよ」


嘘じゃない直也の言葉

いつか嘘に変わるかもしれない

でも、いい

今、この瞬間、愛されているから


ホテルの扉が閉まった瞬間

直也は激しくキスをしながら私の体をまさぐる

「がまんできない…るあ…」

喘 ぎ声が玄関に響く

外から聞こえる誰かの足音


そんなのもう、どうでもいい

誰に見られても、知られてもいい


服を乱しながら私の体にしゃぶりつく直也が


とても愛おしい














やりとりを重ねて3日後デートの約束


迎えにきてくれた直也の車の窓を覗いて

目が合って笑った

「久しぶり」

2人きりでちゃんと見つめ合うのは初めてで

照れくさくて、恥ずかしくて

直也がすごくかっこよくて

どきどきした


直也はマサキやアキとの関係を気にしていた


「るあがマサキやアキと遊ぶのは嫌だ」

「でも私は好きじゃないし友達ってゆうか…」

「俺は男女の友情はないって思ってるから。

    もし俺がるあの友達と会ってたら嫌じゃない?」

直也が嫉妬してる

なんでこんなに嫌がるんだろう

普通に考えたら、「好きだから」

でも、早くない?


「え、だって、るあは俺のもんでしょ?」


なんでこんなサラっと言えるんだろう

素直なのか言い慣れてるのか本心なのか…

わからない


駐車場に着いて店まで歩く

直也の服の裾をつまんで体を寄せた

見上げたら直也と目が合って

嬉しくて笑った

そのまま自然に腕を組んだ

直也の腕も体もたくましくて心地よかった


カウンターで並んで座る

直也がどんどん注文してくれて

私も1杯だけお酒を飲んだ


隣で私を見つめる直也は本当にかっこよくて

目が合うと恥ずかしくて笑った


「何がおかしいの?笑」

「ちがう、嬉しくて笑ってるんだよ」


お酒のせい?

フワフワしてキラキラして

楽しくて幸せで

こわかった


店を出て寄り添って歩く

絡めた手をぎゅっと握ってくれる

見上げた直也は私を見つめて

嬉しそうにくしゃっと笑った

直也が立ち止まって向かい合った

引き寄せられるように自然に

私は直也の体に包まれてた


なんでだろう

すごく安心する…

直也の体をぎゅっと抱きしめて

胸に顔をうずめた


「なにこれ、幸せ」


幸せだった

本当に、幸せだった

私がずっと求めていた幸福が

そこにあった


少し歩いて、また直也が私を抱きしめる

人が見てる

でも、そんなのどうでもよかった


車に乗って抱き合ったあと

見つめあってキスをした


あんなに気持ちいいキスは初めてだった

止まらない


閉じ込めた気持ち

ずっと昔に捨ててきた希望

もう二度と感じることなんかないと思ってた

なのに

胸が熱くなる

よみがえる

消したはずの恋の味


唇を離す直也を見つめて

熱くなる胸を感じながら

直也の首に腕を回した


「もっとして」


私はまた

恋をするんだろうか











アキのインスタのフォロワーに

見覚えのあるアイコンを見つけた

トレーニングジムを経営している「直也」

マサキの幼なじみでマッチョなイケメン

マサキが彼のお店のHP動画を見せてくれたのが

彼を知ったきっかけだった

あの時、画面の中の直也から目が離せなかった

めちゃくちゃかっこいいと思った


「直也めっちゃモテるよ」


ハッとして上を向くと

マサキが今まで見たことないような目で

私を見ていた

私は一体どんな顔をしていたんだろう


「また直也にも会わせてあげるわ」


いつもの笑顔で私からスマホを取り上げた


直也に会えたのは去年の年末だった

マサキが直也を自分の店に呼んだ

動画で見た通りのイケメン

正直、見た目はマサキよりタイプだった

高身長に鍛え上げられた体

非のうちどころがない


直也は私を見て

「めっちゃ綺麗」を連発していた

「でもマサキの女だから手を出せない」

とも言っていた

「私マサキの女じゃないし」

そう言って笑った私に

「え、俺の女だと思っとったわ」

マサキが真顔で言った


そんな真面目な顔して何言ってんの

他の女と遊びに行ってたの

アキからも直也からも聞いたし

どうゆうつもりで言ってんの?


この頃から私はマサキのことがわからなくなった

私のことを好きなのは伝わる

周りから見てもそう

でもなんだか冷たい

一体何考えてんの?

考えるのが面倒くさくなって

放置してマサキと距離を置くようになった


直也と会ったのはそれきりで

みんなで飲みに行こうってゆう話も

マサキが多忙で仕切れず流れて

気になるのに会えないのが直也だった


どこかに直也と繋がれるものがないか

そう思っていたところ見つけたインスタ

フォローからのフォロバ


「るあさん?お久しぶりです」


やっと直也と繋がった












手に入らないもの

思い通りにならないもの

だから欲しいんだろう


求めなくても求めてくれる存在に

流されるのは簡単で安全


でも


その後の空虚感と罪悪感は

今もなくならない


これが安堵感に変われば

私は幸せなんだろうか


華奢に見えるアキの体は

脱ぐと意外とたくましくて

厚い胸板にすっぽり抱かれると

その時間だけ安心する


胸に入ったタトゥーの意味と

大きな傷跡

その理由は聞かない


強く抱かれて思うのは

アキが捨てた元カノのこと

彼女もこんなふうに抱かれて

この瞬間を愛していたんだろう


今私を抱くアキは

もう彼女の元へは帰らない


私はアキのものじゃないし

アキも私のものじゃない

それでも…


マサキ

私があなたを欲しいと思うのは

あなたが思うようにならないひとだから

決して愛しているからじゃない


私はきっとこれから

誰も愛せない

愛さない

男のずるさ、本能

知ってしまったから


それは私を守るけど

本当の幸せにはなれない


本当の私は

何が欲しいんだろう

何を求めて何を手に入れれば

幸せを感じられるんだろう


この空虚感は

いつ消えるんだろう


誰とキスしても抱かれても

心が動かないのは


なんで?










10才年下のアキ社長は

私のことがすき


彼はお金が好きだし

実際お金持ち

勝ち組経営者との絡みも多い

その人達から更に学ぼうとしたり

頭も要領も付き合いもいいから

可愛がられるし頼りにされる子

行動力があって礼儀正しくて

仕事が好きで金払いがよくて

レディファーストも気遣いも文句なし

爽やかなルックス

彼はモテる


でも私は

彼に興味がなかった

好きになれたらなと思ったけど

好きになれないタイプ


彼を欲しがる女の子はいっぱいいるのに

彼が私に響かないのは何故なのか


彼は完璧だけど

男として普通すぎる


知り合って3ヶ月

私は彼の体を求めなかった

マサキと会えば

一瞬で求め合うのに


やっぱり私は理屈じゃなくて

本能で男を選んでる


アキとセックスしてもつまらない

セフレもつまらない


「いくら払えば俺のものになる?」


そうね

どうせ愛せないから

契約で飼われるのも

刺激的でいいかも


感情が動かないことはきらい

つまらないから


私は彼の犬になって

彼の思い通りになる

ご褒美が増えるごとに

乱れていく


なってもいいけど

もう他の犬は飼えないよ?


私にハマって離れられなくなるの

見てたい