弥生美術館で開催中の「はいからモダン袴スタイル」に行ってきました。

 

袴といえば今は大学生の卒業式のイメージが強いですよね。自分の大学の卒業式でも袴姿の人が多かったのですが、私自身は成人式に着た振袖をものすごく気に入っていてそれを着たかったことと、仲良しのグループの人たちがどういうわけか振袖派多めだったということもあり、卒業式では袴を着ずに振袖を着ました。しかし、人生において袴を着る機会はそうそうなく、卒業式で着なかったことで一度限りの袴を着るチャンスを逃してしまったことに後ほどかなり後悔をしました。こういう時って変に自我を出すよりも、流行りに乗ってしまった方がよいのではないかということに気づき、この考え方が私ののちの人生に少々影響を与えていたりします。

 

前置きが長くなりましたが、今回の展示では、袴に関する様々な展示とともに、袴の歴史を振り返るというものでした。

明治初期の袴は、単に男性が着ていた袴をそのまま女性が着るというスタイルだったのですが、これが「国辱」などど批判を浴びたそうです。明治時代に、男らしさ、女らしさが推奨されるようになったことから、男装的な装いは醜いとされたということなんだと思います。

ただ、この初期の袴のイラストを見たのですが、本当に侍が着ていたような男性の袴を履いているだけで、美しさ・可愛さという点ではちょっと微妙かな・・。さすがに「国辱」は言いすぎな気がしますが・・。

 

その後紆余屈折を経て、我々が良く知っている「女袴」というスタイルが出来上がったそうです。

袴というと女学生のイメージか強いですが、着物と比較して活動しやすいことから教師、工女、医者などの働く女性にも広く着用されていたそうです。

 

現代の卒業式の袴もそうですが、こんな感じに上は柄物の着物、下は無地の袴というスタイルがかわいいですね。特に右の方は袴の丈が短めで斬新です。活動のしやすさを重視したため丈が短いようです。あと、袴に合わせる靴もブーツだったりおしゃれな革靴だったり素敵でした。

 

実際、袴を着用することにより活動範囲が広がり、女性もテニスや登山などのスポーツを行うことが出来るようになりました。袴姿の女性が登山をする写真も展示されていました。現代の感性からすると、袴で登山って危ないのでは・・と思うのですが、着物で登山というのはほぼ不可能と思われるので、不可能を可能にしたという点での貢献度は大きいですね。

 

また、一部の女学校では式服的な扱いで、無地の着物+袴というスタイルが決まっており、そちらも展示されていたのですが(残念ながら写真撮影不可でした)、これが凛々しくてかっこよかったです。柄物の着物とは違った趣があります。特に、海老茶色の袴が素敵でした。宝塚の緑の袴も展示されていました。

 

その他、当時の女学校に関するいろいろな小物や雑誌記事なども展示されていました。私の出身校は、そこそこ歴史のある学校なのですが、少しだけ母校に関する展示があり、ちょっとうれしかったです。

 

 

こちらは「はいからさんが通る」の紅緒と環をイメージした袴です。

ちなみに卒業式で袴を着るのが流行りだしたのは、はいからさんが通るが火付け役のようです。

 

さらに、高畠華宵の絵にも袴姿の女性がたくさんあるということで、2階ではそちらも展示されていました。2階のかなりのスペースに高畠華宵が割かれていました。

いかにも女学生という感じで可憐です。リボンもかわいいですね。

 

丈が短めな上に、足元はハイヒールです。かなり洋服っぽさがあります。色合いが渋くて素敵です。

 

こちらも同様に丈短め+ハイヒールですが、柄タイツみたいなものを履いている?!

高畠華宵の趣味なのかもしれませんが、今回展示されていた高畠華宵の袴姿はかなり斬新なものが多く、ちょっと衝撃でした。当時の女性たちは、袴をかなり自由にアレンジしてファッションを楽しんでいたんですね。

 

弥生美術館の3階はいつも高畠華宵の展示があります。これはそこまで大々的に宣伝されていないのですが、私はいつも楽しみにしています。

今回は袴の展示ということで、高畠華宵との親和性が高いですが、ほぼ無関係の展示の場合、その展示目当てで来たお客さんたちがおそらく初見で高畠華宵の絵を見て盛り上がっているのを目にすることがあります。

「美少年・美少女幻影」ということで、高畠華宵の絵の目・口・バランス(スタイル)をもとに関連する画家の紹介もしつつ高畠華宵の魅力を紐解いていくという内容でした。

 

ただ、「目」と「口」の展示の解説はしれっと美少年限定になっています!

 

「バランス」に関しては美少女も登場して一安心(?)

特筆すべきは右上の内藤ルネのイラストです。これはかなりモダンというか普通に現代でも通用しそうです。昭和30年代のイラストとは思えない!

 

ただ、やはり高畠華宵はなんといっても目というかまなざしが抜群にいいですよね。

 

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