先日読んだこちらの本の感想です。
記録に残っている最古の地図から20世紀初頭に至るまでの地図に関する様々なエピソードが書かれています。
伝説の地や島に関する地図、大航海時代の地図、さらには失われた島々や大陸についての地図と、地図に関する時代背景や、冒険家のエピソードなどが豊富に載っています。また、伝説の島や失われた大陸系の話はかなり好物なので楽しかったです。
文章はあまり筆者の思想を押し付ける感じではなく、淡々と事実を述べている印象でした。
昔話題になった、ピリレイスの南極の地図に関するエピソードもありましたが、これも事実のみを語りどう考えるかは読者に委ねるという書き方でした。
ただ、そこまで地図は多くなく、どちらかというとエピソードの方に重点が置かれているように感じました。なので地図を目当てに読む場合ちょっと期待外れかなあと思います。
また、この本の監修者の前書きにあった話も印象的でした。
監修者は、北米で長距離運転中に、搭載された二台のナビがそれぞれ逆方向の指示を出すので途方に暮れたという経験があるそうです。その際、同乗者には悪いが、この状況をどこか楽しんでいる自分がいたのも疑いえないと・・。
実は私も道に迷うのが結構好きで、新しい土地を訪れると、あまり地図を見ずに適当に目的地に進む傾向があります。
道に迷うことで新たな発見がある・・とか高尚な考えではなく、単にちょっとした冒険気分を味わいたいという考えです。
こんな人はあまりいないのかなあと思ったのですが、どうやらこの監修者の方も近い感性を持っているようです。