【このテーマでは、きちんと記事にまとめる暇のない、速報的なメモ書きを掲載します。】
SfMにおけるタイポイントとは、複数の画像間でマッチングできた特徴点のことです。
何枚の画像間でマッチングできたか(イメージカウントはいくつか)はタイポイントにより異なり、
2枚の画像でマッチングしただけのタイポイントもあれば、
10枚もの画像でマッチングできたタイポイントもあります。
どちらも疎な点群の1点になりますが、
マッチングを信用できる、より多くの幾何学的拘束条件を生むといった意味で、
後者の方がカメラパラメータ推定において高い価値を持ちます。
従ってSfMの結果を吟味するとき、
タイポイントの数(疎な点群の点数)だけではなく、
それぞれのタイポイントが平均何枚くらいの画像間でマッチングされたものなのか
という観点も重要です。
これに関する指標が、Metashapeでは
MetashapeのChunkの「情報表示」に表れる「平均タイポイント多重度」(average tie point multiplicity)
のはずです。
実際、ユーザーマニュアルには、「プロジェクション(投影)の総数とタイポイントの数との比」、
Agisoft Forumのこちらの投稿にも、Agisoftのサポート担当の方により「個々のタイポイントに関する平均プロジェクション数」と書かれています。
この定義ならば、「平均タイポイント多重度」は、
「座標データ」ペインの「カメラ」に表示される「プロジェクション」数の全画像に関する合計
(あるいはレポートの「調査データ」ページに表示される「プロジェクション」)
を、「モデル」ビューに表示される疎な点群の点数で割ったものと一致しそうです。
しかし実際には、そうはなりません。
Agisoft Forumのこちらのユーザー投稿はそれを指摘していて、有効無効を判断する前のタイポイント数・プロジェクション数を使って計算しているのではないかと推測しています。
実際にカメラパラメータ推定に使われているのは、「有効」と判断されたマッチングで作られるタイポイントのプロジェクションだけですので、
上記の緑字の定義に基づく指標の方がストレートでわかりやすいと思います。
repeatSfMの出力errStats.csvでは、出力される
nAlignedCam
nPointsInSPC
meanTiePointsPerImage
を使って、上記の緑字の定義に基づく指標を
nAlignedCam×meanTiePointsPerImage/nPointsInSPC
として計算できます。
これが有効なタイポイント(疎な点群の点)に関する「平均マッチング数」とでも呼ぶべきものになります。