【このテーマでは、きちんと記事にまとめる暇のない、速報的なメモ書きを掲載します。】
長らく更新しておらず恐縮ですが、Metashapeの最近のアップデートについてメモします。
当研究室では、現在Metashape Professional version 1.5.4, 1.5.5を使っており、repeatSfM
を更新する時間がないという理由でアップデートしておりません。一方、Metashapeはどんどんバージョンアップし、現在1.6.3が最新となっています。
一見ついていくのが大変そうですが、幸い?最近の更新の多くは、ファイル入出力におけるより多くのフォーマットのサポートや、密な点群の作成以降の3Dモデリング関連、多彩な表示の実装、より高速な計算に関するものであり、(当研究室の研究対象である)SfMやMVS自体に関わる変更は少数です。
Change logを斜め読みし、当研究室に関係しそうなものだけを勝手にピックアップすると、次の通りです。私はまだ触ったことのない状態で書いております。
1.6.2 build 10247
・Added calibration import from DJI XMP meta data.
P4RTKなどの画像のXMPに格納されている内部パラメータ情報を、初期値として使いやすくなるということですね。
1.6.0 build 9760, 9487, 9397
・Added variance calculation for markers during bundle adjustment.
タイポイントだけなくマーカーについても分散が計算できるようになったということですね。ただ当研究室では、この分散がどのように計算されるものなのか調べられていないので、以前からある「タイポイントの分散」についてもまだ使っておりません。
・Added Calculate point confidence option to Build Dense Cloud dialog.
密な点群についても、各点の信頼性の指標を計算できるようになったようです。
201213加筆:ユーザーマニュアルによるとこの指標は、「密な点群の個々の点を作るのに使われたDepth mapの数」です。このオプションをONにして密な点群を作ることで、この指標をエクスポートしたり、この指標で点群をフィルタリング (Filter by Confidence)したりできるようになります。
・Added Fit additional corrections option to Optimize Cameras dialog.
「さらに自由度の高いカメラモデルを当てはめる」(内部パラメータを増やす)というオプションのようですが、どんなモデルなのかの情報はマニュアルには見当たりません(他の資料は未チェック)。従って現状当研究室では利用しにくいオプションですが、下記の記事によると、このオプションはP4RTKのカメラのように、広角で放射方向歪みが大きいカメラにお勧めで、撮影位置の高精度な情報を利用して標定点レスで測量する用途を想定しているようです。P4RTKユーザーの方はお試しを。
https://www.agisoft.com/forum/index.php?topic=11331.msg51442#msg51442
・Updated Optimize cameras command to reset values of unchecked parameters.
「カメラの最適化」でチェックを入れなかった内部パラメータについて、これまでは現状の値が保持されていたものを、リセットする(おそらく0にする)ようになったようです。
・Added Sequential and Estimated reference preselection modes.
予備選択の選択肢が増えたようです。
・Added guided image matching option.
201001更新(説明拡充)
マニュアルには「高解像度の画像でより多くのマッチングが見つかります」とあります。
またAgisoft Forumの記事によれば、目安として画素数が50 メガピクセル以上の画像の場合に、通常のプロセスでは特徴点として抽出し逃してしまうようなタイポイントを生成する、とのことです。高解像度でない画像に使っても時間ばかりかかってあまり効果はないようです。
guided matchingという名前からしておそらく、通常通り局所特徴に基づいてカメラパラメータを一通り推定した後、MVSのように、エピポーラ線付近に限定してより高密度にマッチングを探索するということでしょう。
P4RTKの場合は20 メガピクセルですので、guided matchingは不要という判断になりますね。