今年ちょっと思ったことがあったので、書いておきます。それはアブラムシについての話。
ウチの庭は完全に無農薬です。殺虫剤、殺菌剤、除草剤は一切使っていないし、持ってもいません(ただし、テッポウムシ専用スプレー剤とキンチョールと蚊取り線香は使ってます)。
5月の写真。よく見ると真ん中にテントウムシがいます
そんな庭では、毎年春になるとアブラムシが勢いよく増えてきます。5月初めにオープンガーデンをしたときは、バラのつぼみにアブラムシがびっしりだったので、来てくれた方々の中には不快だった方もいたかもしれません。でも基本的に私はアブラムシはほっておきます。
ヤマブキの花に来たヒラタアブ
ところで、今年はバラの様子を見ていると、とてもたくさんのテントウムシの幼虫が歩き回っていました。毎年ちょっとずつ増えている気がしていたのですが、今年はとても多かった気がします。妻もそう思っていたようで、二人で不思議だね〜と話していました。
アイスバーグの花の中にいたテントウムシの幼虫
アブラムシを食べて成長する虫はたくさんいます。代表的なのがテントウムシ。
他にも、ヒラタアブはアブラムシがいる場所に卵を産み、幼虫はアブラムシを食べて育ちます。
クサカゲロウの幼虫もそう。雨が降ったあとには、地面に落ちたアブラムシを食べようとスズメが集まってきたりします。
クサカゲロウの卵
そんなアブラムシいっぱいだったウチの庭ですが、5月14日のオープンガーデンが終わって1週間くらいしたある日に、妻から言われたのが「庭からアブラムシがいなくなってる」でした。
実際外に出てチェックしてみたら、バラのつぼみにいっぱいいたアブラムシが一匹残らず消えていました。
5月21日のアイスバーグ
他のバラもチェックしましたが、どれも一緒。唯一、枝の数が半端なく多いポールズ・ヒマラヤン・ムスクにだけは、アブラムシがたくさんいました。けれどそれ以外のバラたちは、アブラムシがいなくなった状態でキレイに咲いていました。
最後に残ったポールズ・ヒマラヤン・ムスクも、花が満開になる頃にはすっかりアブラムシの姿は消えていました。
花が終わった後のバラの枝には、アブラムシをたらふく食べて成長したテントウムシの幼虫がサナギになった姿がたくさん見られました。
下の写真はちょっと見た目がアレですが、ヒラタアブのサナギの姿。
私には、庭が「多様な生き物の命が育っていく庭」になったらいいなという一つの願いがあります。水中であれば、プランクトンのように小さくてたくさんいる生き物が、その環境に生きるものの命を支える存在になります。ウチの庭ではアブラムシや土の中の微生物たちが、その役割を担っているのだと思ってます。
テントウムシのサナギの抜け殻
だから、ウチでは殺虫剤も殺虫剤も使わずに庭づくりをしています。
もちろん、そのせいで病気に弱い植物や虫の被害にあいやすい植物を育てるのを諦めないといけないところもあります。でもその結果できたウチの庭では、こうしてたくさんの「助っ人」が集まってくれるようになりました。
まだ出てきたばかりのテントウムシの成虫。まだ羽をたたんでませんね。
今年の様子を見て「ウチの庭ではアブラムシはほっておいても大丈夫」と確信できるようになりました。毎年こんな風になるかどうかは分かりませんが、無農薬の庭は続けてこそ意味があるので、今後も続けていきます。
というわけで、この春にアブラムシの様子を観察して感じたことでした。