配給会社 in ニューヨーク
みなさん、こんにちは。
昨年から映画配給ブランド、ラウンドテーブル・シネマを立ち上げた大橋眞澄が、ニューヨークと映画に関する事を綴っていこうと思います。ホームページはこちら→ www.roundtablecinema.com
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ワールド・オブ・ライズ 原題:Body of Lies /リドリー・スコット監督最新作

ワールド・オブ・ライズ 原題:Body of Lies /リドリー・スコット監督最新作・レオナルド・デカプリオ、ラッセル・クロウ出演

さてニューヨークはここ2、3日で急に寒くなり、今朝の地下鉄では慌てたように私も含めてちぐはぐな格好をしている人が沢山いました。その中でも一番はビーチサンダルに耳迄しっかりカバーのニット帽といった組み合わせ、いくら慌てたとはいえ、そこまでの潔さに尊敬でした。

今回の映画は日本題、ワールド・オブ・ライズです。

原題:Body of Lies /リドリー・スコット監督最新作
レオナルド・デカプリオ、ラッセル・クロウ出演

横柄で太ったCIA局員のエドと、現地ヨルダンでCIAのアンダーカバーでテロ組織を追うロジャー、この二人を中心に嘘と嘘が交錯し合う、ワシントンポストのライターによる原作、テロに関する国家の裏戦略の話です。世界で起こっているテロ事件は果たして、西欧の国が関わっているのかいないのか。そんな策略を暴露したストーリー。

嘘が幾重にもかさなって、もとが解らなくなる。アラブの裏社会の大物がロジャーとの取引条件として、「私に絶対うそをつくな」と何度も念を押すシーンは、そうそう、その通り、嘘は裏切りだからダメなんて、心から思ってしまうほど真剣な緊張感があった。ここは結構ポイント高いシーンだと思う。なぜならアメリカではテロに絡むようなアラブ人は平気で嘘をつくというイメージが刷り込まれているので、アラブ人でも
誠実さをバックグラウンドにするのかー、と見る者に感心させるといった仕掛けだ。
そして....。

国家間の戦略に於いて、裏の非情な世界では、個人の命はとるに足らないものである事。しかしながら裏の世界で実践実行に移すには、結局うそなど平気で言える人間という個々にしか頼れない。衛星からの緻密な映像を見ながら瞬時に人も物も破壊できるテクノロジーがその対比を表していた。

男女間の慣習が全く違う、イラン人ハーフの女性の登場やラッセル・クロウ演じるエドが子供を送り迎えしながら、淡々と国家的謀略の指揮を出すシーンなど、如何にもだが、エンターティメントとしての仕上げで、深刻なテーマも最近の傾向で楽しく見せている。しかし、これが今のアメリカのメンタリティの異常さでもある。

話題は変わって映画マーケット。今月末からアメリカ最大のAFM(アメリカン・フィルム・マーケット)開催がありますが、以前程の買い手が集まるのかどうか、今のアメリカ事情を考慮するとちと、難しいでしょうね。そんな中、勢いがあるのは皆さんご存知のドバイです。
ロケ地としての誘致のみならず、映画制作に必要な設備を揃えてスクールまで作っているようです。今後はドバイでフィルム・マーケットが開かれ、中東でのエンターティメントの中心地となるでしょう。

ではまた。皆さん、風邪を引かないようお過ごし下さいね。

Body of Lies
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