黒字と経費削減、人材への投資について | 山と自然をこよなく愛する社労士 野崎のつぶやき

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もはやなんらかの成果主義を導入していない企業は、少ないのではないでしょうか?

職務や職能を評価かし等級表に当てはめ、基本給もしくは職務、職能給を決定する賃金制度は、今や日本では主流となっております。

年功序列で上がってゆく給料よりも、成果給の方が頑張った人が評価され、報われる制度だ・・・本当にそうですか?

例えば、高い営業成績を出して粗利が大きい人がいたとします。この人が一時的に会社へ利益を出すために次に行うことは何でしょう?ズバリ『支出の削減』です。

この人が本当に無駄な支出を削減し、コストダウンを実現したのなら、よいでしょう。

ところがもし、例えば危機のメンテや設備のリプレース等、やめたら将来故障のリスクがある設備投資を削減(というか、やめる)したら、どうですか?

短期間の営業評価は高いかもしれませんが、それは今やるべきコスト負担やリスクを先延ばしにした結果であって、本人の能力ではありませんね?(少なくともその部分は)

これは成果を急ぐと陥りがちな罠です。

上の例は極端ですが、私はリーマンショックの後、『リストラして黒字を出した』と
豪語していた社長の話を聞いたことがあります。

『(躊躇なく)リストラできるのも経営者の力だ』とでもいいたかったのでしょうか?
私は同意することはできません。

某大手電気メーカーも、経営難を乗り越えるために不採算部門を子会社化し、本体を黒字にしたことが報道されていますが、これらは一時しのぎであり、根本的解決でないばかりか、企業力を大きく損ねる結果にもなりかねないと思います。

成功そして成長するために、一番大事なことは、リストラより投資です。例えば従業員の能力開発やキャリア形成こそ、必要な投資ではないでしょうか?

従業員の教育訓練など一切行っていない中小企業を、よく見かけます。理由は『能力開発や教育訓練は、自分の金と時間でやることだから』

私はこういうことを申しておられる経営者で成功しているひとを、あまり見たことが、ありません。それを考えますに、経営ってやっぱり戦略が大事なんだなと本当に実感します。

また、そういう方は助成金があることを知らないケースが多いです。

人間は、問題意識や関心のある情報は入ってくるものです。知らないということは、関心がない証拠ではないでしょうか?

経営者は少なくとも、教育訓練の助成金や給付、能力開発の効果について真剣に考え、経営戦略の要にすべきだと私は主張します。