連休中、実家に帰省している間長い時間があるので、あらかじめ図書館でドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」を借りておき、読んでおりました。
ドストエフスキーの「罪と罰」は読んだことがあるのですが、カラマーゾフは長編のため敬遠しておりましたが、いよいよ読むことに。
(まだ読み終わってません)
よく「ロシア文学って面白い?」と聴かれることがありますが、いわゆるラノベやミステリーみたいな「活劇的」な面白さがある訳ではありません。
じゃあなぜ読むかですが、ことにドストエフスキーは小説の中に自身の哲学的考察が織り込まれており、登場人物を通じてそれらが語られているところにあります。
例えば当時ロシアの思想的あり方の一つとして、無政府主義(アナーキズム)への考察や、キリスト教の社会的意義等について語られております。
カラマーゾフの兄弟では、登場人物を通じて「いずれ国家の役割は宗教が果たすことになる」「国家が宗教に止揚」(今風にいえばアウフヘーベン)」されるといったことが述べられております。
われわれ日本人は無宗教なので、キリスト教など宗教の社会生活における役割、倫理観の確立に対する影響・・・などという点は、よくわからない価値観です。普通に生活していれば、そんなことを考える機会はほとんどないでしょう。
そういう価値観や哲学的考察を通じて、普通の生活を送っていただけでは考えないものの見方やとらえ方を考える、よい機会になるのではないかと思います。
「国家が宗教に止揚」なんていうと、日本では「え?オウムやホニャララ学会が国家に代わるのを良しとする価値観なの?」とか言われそうですし。