タクシーの運転手には簡単に出血してしまう部分があって、まあそこは何もタクシーの運転手に特有の安易出血部位ではなく、誰でも非常に傷つきやすい箇所なんだけれど、タクシー乗務員のそこを「とある言葉」で刺激すると、とんでもない量の血しぶきがあがり、言葉の発生源であるお客さんは返り血で溺れてしまうことがあるのでご注意ください。
その言葉はタクシー業界ではよく聞く言葉で、あまりによく聞くからお客さんは非常に軽い気持で発してしまうんであろうが、お客さんにとってはそこら辺に落ちてる不必要レシート程度の軽~い意味合いしか持たぬその言葉も、タクシー運転手に向けて発せられた途端、刃渡りなんと1メートル、なのに薄さは0.1ミリという、見た目からしてちょっとやばい感じの、しかも鋼鉄の強靭さを持つ大層見事な刃となってしまうのである。
「ちょっと高いわよねえ」
そう、高い、Fareが。
料金が高い、の「高い」。
その一言が刃の正体です。
その刃によって安易に真っ二つにされっちまうのはもちろん、ハート、心。
もう知れてたと思うけど。
まず、
今どきわざ遠回りして料金を上げようとする運転手などおりません。
それから、
いつもなら710円で着くところが810円になるくらいのことは、一回信号に引っかかっただけで起こることです。
そして信号を守るのも運転手のお仕事。
元々がタクシーは料金のはる乗り物。貧乏人の俺なんてもう10年は乗ってないっす。
わざと料金を上げようとする運転手などいない。
それどころかメーターが上がるたびに客以上にひりひりいらいらするのが運転手という生き物です。
いやまじでこれだけは信じてね。
そして決して返り血で溺れたりしないでね。
お願いだから。