はれるや荘の彩子さん 7「時間ってそんなに大事?」 そう彩子さんが言った日、わたしは初めてこの部屋の風呂に入ったんだった。 大家の部屋だからって別に何の特別なこともない、わたしの部屋と同じ狭い浴槽。 なのになぜだろう、お湯があったかかった。 わたしはまだ仕事を探すつもりでいた。もっと別な仕事を。 そんなわたしに彩子さんは言ったのだ。 「焦ってる?ゆうこちゃん」と。